生まれてすぐの赤ちゃんが、泣いて母を呼ぶのは、それが気持ちを伝える最初の手段だから。
昔読んだ本の中に、こんな事が書いてありました。
『赤ん坊が泣くとき、ずっと観察していると、次第に鳴き声は激しさを増し、そのうち鳴き声は怒りの表現に変わり、それでもなお誰も来ない状況が続くと、いつしか赤ん坊は泣く事を止めてしまう。』と。
とても衝撃的でした。
(注:今は、そのような実験を行う事は許されておりません)
赤ん坊は最初泣く事で要求を伝え、庇護をもらう事で自分が守られているという安心感を得て、そしてその安心感の積み重ねで、自分の世界に受け入れてもらえる実感をもらう。
その文章を読んだ時に私は、そんな小さな頃に自分と世界の関わり方が、少しずつ決まっていく事が、とても怖いなと思いました。。
赤ん坊の頃に、そんな風に『誰も助けてくれないから、あきらめる』という習慣を身につけるなんて、とても悲しく、むごい事だと思いました。
自分の意志で選択できる以前に、どれほどの影響を外の世界からもらい、成長していくのか。
子供は、最初に関わる人達との距離と関係を基準にして、世界との距離と関係を決めるのかもしれない。
最初に関わる大人達が、拒絶的でも無く、かといって、依存させる事も無く、適切なバランスで接していく事で、子供達一人一人が自分の距離感を持ちつつ、世界と関われるように成長していく。
言葉にしてみると、簡単に実現できそうに思うけれど、その、難しさといったら。。。
気が遠くなるほどの努力と時間と、沢山の人からもらう手助けが必要なんです。。。
そして、最初の『世界とのつながり』の中で、あきらめることに慣れたり、傷つく事に慣れたり、悲しい努力を沢山積み上げてもなお、うまく世界とつながれない人が、沢山沢山、今もいると思うから。
あなたの孤独も、悲しみも、寂しさも。
あなたの怒りも、憎しみも、あきらめも。
本当はあなたが背負うべきものでは無かった重荷だったのかもしれない、、、。
そんな世代を超えた重い荷物を、いつか自然におろす時が来たらいいなって、、、、思います。
そして、あなたが『世界との幸せな距離と関係』を見つける事が出来たのなら、長い時を越えて続いた重い荷物をあなたに託した人も、きっと少しだけ、楽になれるかもしれない。。。
その人が背負った重荷も、本当はその人が、あがいてもがいて人生に出した、悲しい答えなのかもしれないから。
もしあなたが、今どんなにつらい思いをしていても、大切な人に、重荷を渡す事をしないと決めたのなら。
『心の傷のリレー』は、そのとき終わるのかもしれないね。。。
そんな夢のような話を、心の底のどこかで信じているから、、、、、。
私は少しだけ、頑張りたいと思うんです。
そして、あなたの重い荷物を、代わりに背負ってあげる事が出来ないから、、、、。
小さな1歩を歩み始めた、あなたに。
『外の世界が、あなたを守り、導いてくれますように』って、エールを送りたいと思います。