前世がハムスターかモグラだった人のある朝の出来事。 | 遅咲きウェルウィッチア

前世がハムスターかモグラだった人のある朝の出来事。

 お久しぶりです。

 のんびりぼけーっとしていたら、いつのまにやら早……何ヶ月かは忘れましたが、

 とにかく結構な時間が経ってしまいました。

 というわけで今日は更新をちょっぴり頑張ろうかと思います。



 

 

 とりあえず今朝の話でも。


 

 今日の朝、目覚めた私が最初に見たものは、深い深い暗闇でした。

 ……あれ、なんで真っ暗?


 朝っぱらから異常事態に見舞われた私は、寝起きの頭を必死に回転させて状況の把握に努めます。


 ……私の普段の休日の起床時間から考えると、もう既に夜明けから随分経っているはず。

 じゃあなんでこんなに暗いんだ?

 カーテンぴっちり閉め……いやカーテン閉めているといっても少しは光入るんじゃないか?

 あれれ、訳分かんなくなってきたぞ?


 クエスチョンマークが乱舞中です。

 

 

 (…………)

 

 10秒ほど思考。

 

 (……まぁどうでもいっか)

 

 とりあえずとっとと起きたかったのでスルーすることにしました。



 

 今日は合唱の発表があるので出来るだけ早く起きなければなりません。

 さぁ、起きるぞ! 結構寝てるわりに眠いけど起きるぞ!

 私は勢いよく身体を起こしました。

 


 

 ……ここで突然話が変わりますが、人間の身体というものは、非常に弾力に富んでいます。

 特に私なんかうら若き17歳。17歳にしては全くハツラツとしていませんがとにかく17歳。

 昔流行ったスーパーボールのごとく弾力ありまくりな訳です。


 

 

 その時私は、ちょうどうつ伏せの状態で寝ていました。

 そして、起きるぞー! と勢いよく頭を上げたわけです。

 物凄いパワーを伴って持ち上がる私の頭。


 さてそのすぐ頭上に、そのパワーに真っ向から抵抗する何か、

 たとえばとっても低い天井、

 とかが待ち構えていたとしたら。



 

 初撃。脳天に鈍い音が響きます。

 しかし勢いのついた頭部はまだまだ上がろうとします。

 とはいえそこには天井。

 ここで私のうら若きスーパーボール的弾力を持った頭は下へと打ち返されます。


 2撃目。顎を痛打。

 この時点でようやく痛みが神経から悩へと伝達。

 痛い痛い痛い。

 もがいた末に頭をもう一度勢いよく上げました。


 ……こうして私は一瞬の間に頭を2回、顎を1回思い切り打ち付けたのでありました。

 めでたしめでたし。別にめでたくもなんともありませんが。


 

 

 私は両手で頭と顎を押さえて必死に痛みをこらえました。

 ちょうど猿がうきーとやっていそうな感じの体勢です。

 こんな時に人と猿との共通点が判明するとは意外です。



 

 ……というか、だ。

 なんで私はこんな異常に天井の低い場所にいるんだ?


 疑問浮上です。


 ……はっ。

 もしや寝ている間に悪の組織にさらわれたとか……!

 ははー、まさかね。

 なんかもう痛みのあまり馬鹿なこと考えちゃったあははー。

 

 馬鹿な考えはスルーに限ります。


 

 

 ……しかしその時、

 どこからともなくカチッとスイッチらしき音がして、頭上からぷいーんと謎の音が。

 吹きかかる微風。

 

 じょ、冗談のつもりだったのに、まさか組織は私を毒ガスか笑気ガスか何かでじわじわ殺そうと……!

 恐怖に身体がこわばります。痛いような気さえします。


 

 

 沈黙の数秒。


 

 

 突然、

 暗闇の中にぱっと光が差し込みました。

 まぶしさに顔をしかめる私。

 眩んだ目が少しずつ落ち着くとそこに見えたのは、


 何故か究極に呆れた様子の父の顔。


 微風を受ける私の頭は、少しずつ熱を帯びていきました。





 結局の所、何故私がコタツの中で一夜を明かしたかというと、

 それは昨日の夜がとても寒かったことと、私が閉所好きであったことに起因します。


 いや、好きなんですよ、狭い所。狭くて暗い所。

 たぶん私の前世はハムスターですね。あるいはモグラ。


 というかこんな出来事をこんな長々と語るなんて、

 私はやっぱり馬鹿かもしれない。

 書き始めて早3時間。なんなんだこれは。