聖ブレイズ(ブラジオ)


セバステのブレイズ(紀元後316年に殉教)は、歴史的に小アルメニア(現在のトルコ、シヴァス)のセバステアの医師および司教であり、キリスト教の聖人及び殉教者として崇敬されています。彼は14人の聖なる助祭の1人として数えられています。ブレイズはカトリック、西方典礼正教会、東方正教会、東方正教会の聖人であり、羊毛梳き師と耳鼻咽喉科の病に苦しむ人々の守護聖人です。ラテン教会では、彼の祝日は2月3日です。東方教会では、2月11日です。聖文書によれば、彼は殴打され、鉄の櫛で拷問され、斬首されて殉教しました。


初期の記録


ブレイズに関する最初の言及は、喉に物が詰まった患者の治療に彼の助けが求められているアエティウス・アミデヌス(紀元500年頃)の医学書です。マルコ・ポーロは、「聖ブレイズ大司教が殉教の栄光の冠を得た」場所、セバスティアについて報告しています。城塞の丘の近くにある神社は、1253年にウィリアム・フォン・ルブルックによって言及されていますが、その遺跡は現在では見る事ができません。


生涯


聖ブレイズは、身体の病気を治す人から魂の専門家になり、暫く洞窟に隠れて祈りを捧げたと言われています。セバスティアの司教として、ブレイズは言葉だけでなく模範によっても人々を指導し、彼の偉大な美徳と神聖さは多くの奇跡によって証明されました。人々は身体と精神の病気を治す為に彼の下に集まったと言われています。彼は、助けを求めて自ら彼の所に来た動物を治し、その動物たちから助けられたと言われています。316年、カッパドキアと小アルメニアの知事アグリコラは、皇帝リシニウスの命令で彼に対する迫害を開始し、ブレイズは捕らえられました。尋問と厳しい鞭打ちの後、彼は投獄され、その後斬首されました。


聖ブレイズの行為


聖ブレイズの伝説的な行為は、彼の死後400年後に書かれた物で、偽書であり、恐らく架空の物です。伝説の物語は次の通りです。


「若い頃に哲学を学んだブレイズは、生まれ故郷のアルメニアのセバスティアで医師として働き、奇跡的な能力、善意、敬虔さをもってその術を駆使しました。その都市の司教が亡くなった時、彼は全ての人々の喝采の内に後継者に選ばれました。彼の神聖さは多くの奇跡を通して明らかになりました。至る所から人々が彼の下にやって来て、精神と身体の治癒を求め、野生動物でさえ彼の祝福を受ける為に群れをなしてやって来ました。316年、カッパドキアと小アルメニアの知事アグリコラは、キリスト教徒を殺害するよう皇帝リシニウスの命令でセバスティアに到着し、司教を逮捕しました。彼が刑務所に連行される時、ある母親が魚の骨で窒息死しそうな自分の1人息子を彼の足元に置いた所、その子はすぐに治った。それでも総督は、ブレイズに信仰を捨てさせる事ができず、棒で彼を殴り、鉄の櫛で肉を裂き、首を切った。総督の部下がブレイズをセバスティアに連れ戻す途中、狼に豚を奪われた貧しい女性に出会った。ブレイズの命令で、狼は豚を生きたまま無傷で持ち主に返した。彼が首都に着き、処刑を待つ為に牢獄に入れられた時、彼が豚を助けた老女が彼に会いにやって来て、暗い独房の陰鬱さを払拭する為に2本の立派な蝋燭を持ってきた。8世紀以前には、西洋には聖ブレイズを称える団体はなかった。」


聖ブレイズの祝福


使徒言行録によると、ブレイズが拘留されている間、一人息子が魚の骨で窒息しそうになっている取り乱した母親が彼の足元にひれ伏し、彼の執成しを懇願した。彼女の悲しみに心を打たれた彼は祈りを捧げ、子供は治った。伝統的に、聖ブレイズは喉の怪我や病気から守ってくれるよう祈願されている。多くの場所で、彼の祝日には聖ブレイズの祝福が与えられる。主の奉献の祝日(聖燭節)に祝福された2本の蝋燭(時には火が灯されている)が、司祭によって信者の頭上に十字架の形で掲げられるか、人々がその蝋燭で喉に触れる。同時に、次の祝福が与えられる。「司教であり殉教者である聖ブレイズの執成しにより、神があなた方を喉のあらゆる病気とその他のあらゆる病気から救い出して下さいます様に」。その後、司祭は信者の上に十字架の印を付ける。


聖ブレイズの崇拝


14人の聖なる助っ人の内の1人である聖ブレイズは、中世で最も人気のある聖人の1人となりました。11世紀と12世紀にはヨーロッパで信奉者が広まり、13世紀の黄金伝説にその伝説が語られています。聖ブレイズは野獣の聖人です。彼はアルメニアの聖ブレイズ修道会の守護聖人です。イタリアではサン・ビアージョとして知られています。スペイン語圏の国ではサン・ブラスとして知られ、多くの場所に彼の名前が付けられています。ポルトガルとブラジルの幾つかの場所にも彼の名前が付けられており、そこではサン・ブラスと呼ばれています。ドイツの多くの教会、例えば黒い森の旧聖ブラシウス修道院やバルヴェ教会は、聖ブレイズ/ブラシウスに捧げられています。


クロアチア


聖ブレイズはドゥブロヴニク市の守護聖人で、かつては独立したラグーサ共和国の守護者でした。ドゥブロヴニクでは毎年2月3日に聖人の祝日が祝われ、聖人の聖遺物、頭蓋骨、喉の骨の一部、右手と左手が聖遺物箱に入れてパレードされます。祭りは前日のキャンドルマスに白い鳩が放たれるところから始まります。ラスティックやランジナなどのドゥブロヴニクの年代記作者は、聖ブレイズがドゥブロヴニクで崇拝されたのは、971年にヴェネチア人による差し迫った攻撃を住民に警告する幻視があったためだとしている。ヴェネチア人のガレー船は、表面上は水を補給する為、密かに街の防衛を偵察する為にグルジュとロクルム付近に錨を下ろしていた。聖ブレイズ(ブラシウス)は、聖ステファン大聖堂の聖職者ストイコに彼らの悪質な計画を明かした。元老院はストイコを召喚し、彼は聖ブレイズが長い顎髭を生やし、司教のミトラと杖を持った老人として彼の前に現れた経緯を詳しく語った。この姿で、ブレイズの肖像はナポレオン時代までドゥブロヴニクの国章と貨幣に残っていた。世界中のクロアチア人は毎年聖ブレイズの祭りを祝っている。


イギリス


コーンウォールのセントブレイジーの町とセントブレイズの教区は彼の名前に由来しており、教区教会は今でも聖ブレイズに捧げられています。1222年のオックスフォード会議は、聖ブレイズの祝日に全ての仕事を禁じました。ニュートンアボット近くのデボン州ハッコム村落に聖ブレイズに捧げられた教会があり、ワイト島のシャンクリンにも1つ、オックスフォードシャーのアビンドン近くのミルトンにも1つあり、イギリスで最も小さな教会の1つです。この教会は、沈没時にメアリーローズ号に乗っていた海軍中将の子孫であるカリュー家の家族の家であるハッコムハウスの隣にあります。この教会は、珍しい事に「大司祭」の職を保っています。ロンドンのブロムリーにはセントブレイズの井戸があり、その水には薬効があると考えられていました。 聖ブレイズは、ランカシャーのストレトフォードとも関連があります。2月3日にはロンドンの聖エセルドレダ教会とドイツのバルヴェで喉の祝福の儀式が行われます。この祝福は多くのカトリック教区教会で、多くの場合朝のミサの終わりに行われます。ブリストルのブレイズ城とその近くのブレイズ村は、かつて鉄器時代の砦とローマの神殿があった場所に建てられた、聖ブレイズに捧げられた13世紀の礼拝堂に因んで名付けられました。ウェストヨークシャーのブラッドフォードでは、聖ブレイズに因んで名付けられたカトリック中学校が1961年から1995年までリーズ教区によって運営されていました。この名前は、ブラッドフォードと毛織産業との繫がりと、聖ブレイズが毛織物で殉教した方法に因んで選ばれました。再編により、カトリックの中学校が段階的に廃止された時に学校は閉鎖され、建物は焼失した別の地元の中学校の代わりの宿泊施設としてブラッドフォード議会に売却されました。数か月以内に、セントブレイズ学校も火事で大きな被害を受け、建物の残骸は取り壊されました。その土地には新しい小学校が建設され、広大な敷地の大部分は住宅用に売却されました。キングストン・アポン・テムズのマーケットプレイス近くにあるオールセインツ教会には、14世紀のセントブレイズの壁画があり、14世紀と15世紀のマーケットタウンの経済拡大における羊毛貿易の重要性を示しています。


ブレイズとジャージーのブラシウス


18世紀と19世紀のイギリスでは、特にエセックス、ヨークシャー、ウィルトシャー、ノーリッチで、ブレイズは羊毛職人のパレードのマスコットとして採用されました。この聖人に対する人々の熱狂は、ブレイズが羊毛の梳き方をイギリス人に教える事で、イングランドに繁栄(ウールサックに象徴される)をもたらしたという信念によって説明されます。印刷された新聞に記録された伝承によると、ブレイズはチャンネル諸島のジャージーから来ました。ジャージーは確かに羊毛製品の輸出の中心地でした(羊毛織物のジャージーという名前からもそれが分ります)。然し、この伝説は恐らく、別の聖人、カイザリアのブラシウス(カイザリアはジャージーのラテン語名でもあります)との混同の結果です。


アイスランド


ブレイズはアイスランド、特に南西アイスランドで有名で、奇跡を起こす力があるとされていました。聖ブレイズはアイスランドの守護聖人トルラク・トールハルソンに関するアイスランドのサガ、Þorláks saga helgaで言及されています。


インド


インドのゴア州サン・ブラスにある聖ブレイズ教会は、1541年に村に定住したクロアチアの船乗りと商人によって建てられた小さな礼拝堂です。1563年に教区教会に昇格しました。この教会はドゥブロヴニクの教会のレプリカで、街の守護聖人である聖ブレイズに捧げられています。


イタリア


イタリアでは、聖ブレイズの遺骸は、聖ブレイズの名を冠した山、バジリカータ州マラテアの町の上にあるサンビアージョ山のバジリカに安置されています。この山は、イサウリアのレオ3世による偶像破壊の迫害の際に、セバスティアからヨーロッパへ向かう最初の航海の途中で難破しました。カンパニア州の小さな村シチリアでは、聖ブレイズの祝日は2月3日と5月14日です。地元の人々は、彼に捧げられた聖堂に敬意と信仰を示す為だけでなく、特別な祈りが必要な病気の人を癒す為に助けを求める為にも訪れます。


図像学


図像学では、ブレイズは交差した2本の蝋燭を手に持っている姿(聖ブレイズの祝福)や、知事のハンターによって発見された様に、野獣に囲まれた洞窟の中にいる姿で表現されています。 彼は殉教の道具である鋼鉄の櫛を携えて描かれる事が多い。この拷問道具が羊毛の櫛に似ている事から、彼は特に羊毛櫛職人の、そして羊毛取引全般の守護聖人として採用された。彼は交差した蝋燭を携えて描かれる事もある。この様な交差した蝋燭は、彼の祝日である2月3日、一般ローマ暦の聖燭節の翌日に当たる日に喉を祝福する為に使用される。ブレイズは伝統的に喉の病気、特に喉に刺さった魚の骨の場合に仲裁すると信じられている。また、睡眠中に喉の組織が呼吸を妨げる閉塞性睡眠時無呼吸症の予防にも役立つとされている。(OSA以外の睡眠障害は、より神経学的な性質である為、通常は聖ディンプナの仲裁によって呼び出される。)


聖遺物


様々な教会や礼拝堂に、聖ブレイズの遺物が複数あり、その中には複数の全身、少なくとも4つの頭と複数の顎、少なくとも8本の腕などが含まれています。


「少し調べてみると、聖ブレイズが寓話の巨人のように100本の腕で武装している事がわかります。この巨大な聖人の指、歯、足は散らばりすぎていて、集めるのは困難です。— コリン・ド・プランシー、1822年」



聖ブラジオのチャプレット(再掲載)


このチャプレットは、聖ブラジオのメダイと二つの小珠、環状部分は、一連が一つの大珠と五つの小珠からなる四連によって構成されています。


始めに(メダイがあればメダイに接吻して)、「十字架の印」を行います。


次の小珠で、祈りを唱えます。


「全能永遠の天主、生ける信仰と敬いとをもちて御身の御神性を称え奉らん。我は御前に己が身を伏さしめ、御身のこの上なき御恵みと、御憐れみへの、子たるに当然なる信頼をもちてこい願い奉らん。我がこのノベナの内に光栄を帰し奉らんとす、聖人の大徳と御功力とを黙想し奉りて、彼の御身の御子の御生涯を模範として学び給いし如くに従わしめ、御身の天の光明の筋もてわが知性の暗きを照らし、天主の御愛の火もてわが心を燃やし給え。更に我は、この力強き助け手の御功力と御執成しとによりて、彼によりて我がへりくだりて御前に置くこの請願を慈悲深く聴き容れ給え。敬虔を保たん。"御旨が天に行わるる如く、地にも行われん事を"もしこれが御身のより大いなる誉れと、わが救霊とならば、いみじくも、これを慈悲深く聴き容れ給え。アーメン。」


次の小珠で、祈りを唱えます。


「ああ天主、御身の聖なる司祭殉教者なるブラジオの御執成しによりて、霊肉の一切の悪と、殊に喉の病より我らを救い給え。更に、御身の御赦し得るの信頼の希望の内に善き告解をなす為の聖寵と、御身のいと聖なる御名を相応しき唇で常に称えるの聖寵とを与え給え。我らの主キリストによりて。アーメン。」


(中心のメダイで祈ります)


「聖ブラジオ、人類の守護者にして、堅忍と服従とによりていと数多の責め苦を忍び給いし天主の忠実なる下僕よ。我は御身の力強き御執成しをこい願い奉る。霊肉の一切の悪より我を守り給え。喉の病に苦しみを助く為の特別なる聖寵もて天主が御身に授け給いし大なる功力あればなり。それらより我を救い、守り給えば、我は常にわが務めを全うするを得、天主の聖寵の御助けによりて善行をなすを得らるればなり。我が告解の聖なる秘跡における正直なる罪の告白と、それらの赦しとを得んと、我は霊魂の特医の如くに御身の助けをひとえに願い奉らん。我は御身の慈悲深き御執成しに、告解において罪を隠す相応しからざる者をも委ね奉らん。彼らの為に、彼らのなしたる涜聖の告解と聖体拝領において、これまでに犯したる一切の罪を隠さんとす罪の内に、正直にして痛悔する、己を責む為の聖寵を与え給え。然して彼らが天主の聖寵なる赦しを得、永久の罰を免れん事を。アーメン。わが主、わが天主よ。我は御子イエズス・キリストの苦き御死苦との一致の内、彼の無原罪の祝せられし御母、終生童貞なるマリアと諸聖人、殊にこのノベナの内に我が光栄を帰し奉れるこの聖なる助け手の御功力と、共に、わが請願を御身に捧げ奉らん。我をみそなわし給え。慈悲深き主よ、御身の聖寵と御愛とを我に与え給い、慈悲深くわが祈りを聴き容れ給え。アーメン。」


各小珠で「天使祝詞」を、各大珠で「主祷文」を祈ります。



出典元・Wikipedia(英語版・Google翻訳)、信心の園










サムネイル

おはようございます。先日、AliExpressで注文してた「聖霊のセンターメダイ」が、我が家に到着しました。海外からの発送にも拘らず、1週間以内に我が家に到着…メチャクチャ早いです。なので、昨日は届いたばかりの聖霊のセンターメダイを使って、「聖ブラジオのチャプレット」専用ロザリオをリメイクしました。写真下の左側が、リメイク前です。


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