ハンドメイドのもの


    
結び目を解く聖母

結び目を解くマリアはマリア崇敬、及びそれを表現したバロック絵画である。1700年頃に描かれたヨハン・ゲオルク・メルヒオール・シュミットナーの絵はドイツのババリア地方アウクスブルクのペルラハ聖ペトロ巡礼教会(ペルラハ教会)にある。博士論文を書く為にドイツに来ていたイエズス会士ベルゴリオ神父(後の教皇フランシスコ)はこの絵を見て、この信仰をラテン・アメリカへ導入した。 このバロック様式の絵画は、1700年にアウクスブルクの聖ペテロ修道院の司祭であった地元貴族出身のヒエロニムス・アンブロシウス・ランゲンマンテル(1641–1718)が「良き助言者の聖母マリア」の祭壇の為に、地元の画家ヨハン・ゲオルク・メルヒオール・シュミットナーに依頼した物である。 そこには、悪魔の象徴である蛇の頭部を足で押さえながら、白く長いリボンの結び目を解いている黙示の日の聖母が描かれている。また、蛇の姿は聖母が手に持つリボンの結び目とも対応している。聖母は12人の小天使と2人の大天使、7つの六芒星からなる輪に囲まれている。 聖母の頭上には聖霊が鳩の姿で降臨し、彼女が聖霊の花嫁である事を暗示している。 ヨハネの黙示録(12.1)に記されている様に、聖母は太陽を纏っている。

三日月の下にかなり小さく天使と人間、犬が描かれているが、これは大天使ラファエルがニネベのトビアにエクタバナのサラを娶るよう促し、仲人として共に旅をするシーンであると解釈されている(トビト記5.17、6.10-13、11.4)。

聖書に基づく2つの図案、そして「良き助言者の聖母」の祭壇に捧げられている事には、別の意味も持たされている。これはこの絵を寄進したランゲンマンテルの家族の身に起きた出来事に由来している。 彼の祖父ヴォルフガング・ランゲンマンテル(1586-1637)は、妻ソフィア・レンツ(1590-1649)との離婚の危機に瀕した時、インゴルシュタットのイエズス会士ヤーコプ・レム司祭を訪ねた。 絵の中で旅人が右手を挙げた天使に導かれるが如く、遠くの教会を目指したのである。 レム司祭はマリア像に祈りを捧げ、「この祈りにより、結婚の絆が深まり、結び目を解く様に2人の間の問題が解決されます様に」と執成しを願った。 すると、彼らの離婚の危機は去り、その仲は平穏な物となった。 後に聖職に就いたランゲンマンテルは、その事を記念する為に絵の中に織り込んだのである。 黙示の日の聖母も、天使に導かれる旅人も、バロック様式に沿った表現となるよう注意が払われている。

これらの背景から、聖母マリアは2人の旅人の様に「結び目の様に複雑で困難な問題」に助けを与える者だと解釈されている。即ち、聖母は人生の伴侶を見つける事、そして結婚生活における問題を解決する事の助けを与える者と解釈されている。乳癌を患う女性に対する理解と支援を促すシンボルとしても結び目(ピンクリボン)が用いられる。アレクサンダー大王がゴルディアスの結び目を力をもって切り解いたのとは異なり、聖母は共感をもって解くのである。

 世界への広がり 
 
『結び目を解くマリア』の図像は現在、世界の多くの国で見る事ができる。多くの場合、それは教会や礼拝堂で象徴的な物となっているが、宗教的ではない施設にも安置されている。アウクスブルクの『結び目を解くマリア』は現在も崇敬を集めている。また、バチカンのサン・マルタ館にも飾られている。

南アメリカ
南アメリカでは元々マリア崇敬が盛んであったが、近年では『結び目を解くマリア』の図像を目にする機会が増えている。この火付け役は教皇フランシスコである。 1986年、ザンクト・ゲオルク神学院で研究をしていた折に、自らが所属するイエズス会のコミュニティをアウクスブルクに訪ねた所、この絵に出会い、絵葉書を母国アルゼンチンに送ったのである。 彼は同僚の聖職者・神学生にこの絵葉書をもってブエノスアイレスのスラムを訪ねる様に、またアイヒシュテット=インゴルシュタット・カトリック大学の交換留学生たちには可能なら精確な複製画を作る為に絵の詳細なディテールを書き送る様に頼んだ。

その後、ブエノスアイレスには画家アナ・ベタ・デ・ベルティ(マルタ・ベティ) による複製画が届けられ、無原罪のマリアの祝日である1996年12月8日にサン・ホセ・デル・タラー教会で公開された。その後、毎月8日に公開されており、その度に数千の信徒が訪れている。 現在では、さながら宗教テーマパークの様な様相を呈している 。

ブラジルにはBourgerie夫妻が紹介したとされている が、アウクスブルクの聖マリアの星修道院の修道女たちも『結び目を解くマリア』の絵をもたらしている。

教会、及び礼拝堂
『結び目のマリア』を崇敬する教会または礼拝堂は世界各地に存在している。

聖母は罪や病、誘惑や悲苦などの結び目を解かれるとされます。 

 【結び目を解く聖母のチャプレット】
このチャプレットは、結び目を解く聖母のメダイと、一連の小珠が3つと1つの大珠からなる7連で構成されています。

 最初にメダイで、次の祈りを唱えます。 

「聖なるマリア、 結び目を解き給う生涯に渡り、御父の聖なる御旨と我らの主イエス・キリストなる御子の遺産とを、大いなる謙遜によって受け取り一生の内に、天主の現存に満たされし者よ。悪は決して御身を巻き込まざれば
御子と共に単純さと忍耐とをあげて、我らの困窮に対し、執成し給え。
御身は我らの一生を巻き込む結び目を、解き戻す方法を教え給う。
我らの御母の現存によって 滞りなく、明瞭に我らの主に結び付けられん事を。御身の守護の外套によって、我らを覆い御身の愛ある母的守護、平安、調和と清浄を我らに体験せしめ給え。」 

 1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 
 
■第一の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。 
 「我らの試みにおいて、我らを守り給え。」 

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 


 ■第二の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。 
 「我らの罪において、我らを救い給え。」

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 



■第三の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。
 「我らの苦悩において、我らを助け給え。」 

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 


 ■第四の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。
 「我らの悲しみにおいて、我らを慰め給え」 

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 



 ■第五の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。 
 「我らの恐れにおいて、我らを勇ませ給え」

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 



 ■第六の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。
 「我らの病において、我らの苦痛を減じ給え。」 

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 



 ■第七の結び目(大珠)に対して、次の祈りを唱えます。 
 「我らの弱さにおいて、我らを強め給え。」 

1つ目の小珠で「主祷文」を唱えます。 
 2つ目の小珠で「天使祝詞」を唱えます。 
 3つ目の小珠で「栄唱」を唱えます。 



 ■このチャプレットの締め括りに、次の祈りを唱えます。 
「聖なるマリア、天主と我らの御母よ。 御身の母なる御心をもって、我らの一生を巻き込む結び目を解き戻し給え。
我らは御手にこれを受け取り給い(個人的な祈願を述べる)
このもつれより、我らを解き給わん事を。

祝せられし童貞女マリアよ、御身の聖寵と御執成しと御身の模範とによって、我らを天主との一致を妨ぐる者と悪より救い給いて、我らが万有の中に主を見出し、
我らの心の中に主を有し
常に主に仕えるを得しめ給え。アーメン。」

解結の聖母(結び目を解く聖母)

<解結の聖母のチャプレット> 

 このチャプレットは、解結の聖母(結び目を解く聖母)のメダイと
一連が三つの小珠からなる三連と十字架の御像によって構成されています。 

 始めに(メダイで)祈ります。 
「御父の聖なる御旨と 我らの主イエズス・キリスト、御子の遺産とを大いなる謙遜によりて受け給い、
生涯の間、天主の御臨在に満ち給いき聖なるマリア。
悪は決して、あえて混乱をもって御身に纏わりつく事なし。
爾来(じらい)御身あらゆる単純さと堅忍とをあげて我らの煩瑣 (はんさ)なる人生の内に、解結を為す術の模範を与え給い、我らの困窮の一切の為に執成し給う。永久に我らの御母として在し給うにより、我らの主に向かいて我らを解かしめ、道を整え 明らかなる者となし給え。

聖なるマリア、天主と我らの御母よ、
我らの人生を覆し得る御身の母的解結の御心に、御手に受け取り給わん事を願い、
(ここで願う)
また、かつて我らを留め立てし連結と混乱より我らを救い給わん事を、御身に願い奉る。

祝せられし童貞マリア、御身の聖寵と御執成しと、御身の模範とによりて、
悪とその結びより我らを救い、天主との解結を防ぎ給いて、速やかに、あらゆる混乱と誤りより救われ、
万有において主を見出し、我らの心に主を有し、我らの兄弟姉妹の内に 常に主に仕えるを得しめ給え。
善き勧めを給う御母よ、我らの為に祈り給え。アーメン。」 
 
第一連の三つの各小珠で「主祷文」を唱え、

第二連の三つの各小珠で「天使祝詞」を唱え、

第三連の三つの各小珠で「栄唱」を唱えます。 



おはようございます。昨日は「結び目を解く聖母のチャプレット」専用ロザリオを、製作しました。この写真では分り難いかもだけど、結び目を解く聖母のイメージで、チェーンとセンターメダイはゴールドにして、小珠は「黒⚫」と「白⚪」のニューカットビーズで纏めてみました。







 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する