「ちょっと寝不足」でがんと認知症に 怖い「睡眠負債」を返す正しい熟睡法
睡眠研究の分野では、蓄積した睡眠不足のことを睡眠負債と呼び、ガンや認知症につながる重大な疾患として危険視しているそうで、7~8時間の睡眠がよいようです。
OECDの国際比較調査で日本人の睡眠時間が加盟国中でもっとも短く、最新の厚労省調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合が4割に達しているそうで、生産性の低さにも表れているようですが、睡眠改善は難しくありません。
日本大学医学部が2012年に<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201611290000/">「日中の眠気」による国内の経済損失は、年間3兆5000億円、医療費を含むと全体で5兆円程の大きな経済損失という研究結果を発表</a>し、一大センセーショナルとなりました。、
さらに最近の米国のシンクタンク「ランド研究所」の調査研究によると、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201701080000/">日本人の睡眠不足を原因とした国家レベルの経済的損失は、国民総生産(GDP)の約3%、約16兆円に達し、このGDP比は調査対象5か国の中でも最大である</a>ことが分かりました。
<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201609080000/">睡眠不足は酔っ払っているのと同じくらい生産性が下がる</a>と指摘されていますが、睡眠時間の短い中高年ほど脳の老化が速いことが分かったそうです。
睡眠中はノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互にくり返され、入眠直後から3時間までの間に最も深いノンレム睡眠が訪れ、脳の疲労をとることができるといわれているそうです。その次に体の疲労がとれ、最後に心の疲労がとれる、というように、睡眠のフェーズごとにとれる疲労が違うのではないかという仮説もあり、睡眠時間が短くなると、その分、とれない疲労が残ることになるわけです。
2015年の大規模睡眠調査によると、睡眠は何よりも重要だと87%が思っているのに、睡眠に不満を感じていないのはたった17%、しかも睡眠に不満を感じて睡眠改善のために行動を起こしている人の割合はたった25%で、全体の57%の人は、睡眠を改善できるかもしれない行動を起こしていないことがわかりました。
様々な統計結果や医学的根拠から、人間の最適な睡眠時間は7時間程度で、長くても短くてもよくないそうです。この睡眠時間は1日の活動時間の3分の1程度になり、時間にこだわるだけではなく、質を高くすることが大切だと指摘されています。
普段から生活リズムを整えて、日によって睡眠時間に差がないように、質の良い適度な睡眠時間を確保したいものです。
不眠症に悩む人も年々増加しています。
不眠症の原因には、通常疲れたり、寝不足になると必要な睡眠を得ようとする機能が適切に働かない「恒常性異常」、覚醒状態から睡眠状態に移行する体内時計のリズムが崩れる「リズム異常」などがあります。
最近注目されているのが覚醒システムの不具合で、覚醒を維持するオレキシンという脳内物質が過剰に働きシャットダウンしないことが近年の研究で解明されたそうです。
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私達には体内時計があります。主時計は目から入った光の情報を受け取り、メラトニンを分泌する脳にある松果体へ信号を送る部分です。
さらに体内時計をコントロールする時計遺伝子が発見され、この時計遺伝子は脳の視交叉上核だけでなく、心臓、肝臓、肺、筋肉、皮膚などあらゆる細胞に存在しており、脳の主時計に対して末梢時計と呼ばれています。
最近では細胞だけでなく、約100兆個の腸内細菌までもが、体内時計の末梢時計であることが分かり、腸内フローラが良い状態であることがよい眠りにも大切だそうで、腸内フローラ改善変化はすぐ睡眠に好影響を与えるようです。
睡眠には謎が多く、睡眠中は脳も休んでいると考えられていましたが、起きている間より寝ている間の方が脳は忙しく重要な活動を行っていることがわかってきたそうで、改めて睡眠の重要性がわかりました。
睡眠中の脳の4つの役割
1.有害な毒素を排出する
2.起きている間に得た情報を復習し、記憶させる。
3.バラバラに入ってきた情報をまとめ、整理する。
4.免疫力を高める。
<img style="cursor:pointer;border:none;" src="http://thumbnail.image.shashinkan.rakuten.co.jp/shashinkan-core/showPhoto/?pkey=f11afd70cf46e1e011db433888ea59c1d8f7dab4.10.2.2.2j1.jpg" alt="睡眠時間国際比較.jpg" />
厚生労働省調査では、日本人の5人に1人が不眠に悩んでいるそうですが、2014年11月6日に発表された民間会社の全国20~79歳の男女7,827人の実態調査によると、国際基準「アテネ不眠尺度」で、約4割が「不眠症の疑いがある」、約2割は「不眠症の疑いが少しある」と判定されています。また、睡眠と寝起きに関する実態調査委員会の調査では、寝起きがだるい:48.1%、寝起きの目覚めが悪い:9割を超えています。
<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201505250000/">睡眠障害による国内の経済損失は3.5兆円</a>にもなり、睡眠障害が引き起こす健康被害の損失は含まれていないので、これを加えたらさらに巨大な損失になるそうです。
睡眠の生活パターンで一番よいのは、早寝早起き型で、週末の朝寝坊は時差ボケという意外な落とし穴を生むので、平日との差は1時間以内までがよいそうです。
体内時計は24時間よりも少し長めなので、このズレを修正してくれるのが、朝に浴びる太陽光と起床後1時間以内の朝食だそうです。
<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201506200000/">睡眠コーチとして活躍されている雨晴クリニック副院長の坪田聡先生は、「10分の2度寝」と「20分の昼寝」が仕事の効率をグイッと上げると提唱</a>されています。
不眠症患者の半分は、最低6時間の通常の睡眠時間を取っているが、不眠症患者の42%は、睡眠時間を1時間以上少なく見積もっていたり、眠っていたのに起きていたと勘違いすることがあるそうです。
不眠症は睡眠が少なすぎるのではなく、脳の動きが活発すぎると研究者は指摘しています。
日本人は、睡眠の不満は多く、最新の調査では<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201502120000/">半数以上が睡眠に不満、約9割が快眠のために現状改善を希望</a>しているそうで、日本人のガンが減らない一因だと思います。
<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201501140000/">不眠症の本質的な問題は睡眠状態誤認である</a>ことを世界に先駆けて喝破したのは日本人研究者だったそうです。不眠症は実際よりも睡眠時間を短く、寝つきを長く感じているそうです。
2014年3月に<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201405050000/">厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」</a>を発表しています。
2014年厚生労働白書によれば20~39歳の若い世代でも「睡眠で休養がとれている」と思う人は半数だそうですが、年齢に関係なく疲れ知らずになるのは簡単なので、喜ばれています。
・「<A href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html" target="_blank">健康づくりのための睡眠指針2014</A>」 厚生労働省
~睡眠12箇条~
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
睡眠の問題を抱えている方は、睡眠調節機能を整えることが大切で、(1)朝きちんと目覚めるために太陽光で目が覚まし、(2)日中脳と身体を適度に動かすことが大切だそうです。
****************************<B>【以下転載】</B>****************************
「ふわわ~、眠いな~」と大あくびをしたアナタ。単なる「寝不足」と侮ってはいけない。いま睡眠研究の分野では、この「蓄積した睡眠不足」のことを「睡眠負債」(Sleep Debt)と呼び、がんや認知症につながる重大な疾患として危険視しているのだ。
ある研究では、毎日6時間の睡眠が2週間続くと、2晩徹夜したのと同じ脳の衰えの状態になることも判明、交通事故の隠れた原因になっている。睡眠の「負債」をしっかり返済し、健康を取り戻す正しい睡眠方法を探る。
<b>寝不足の蓄積で前立腺がん4割・乳がんが7割増</b>
番組では冒頭、20~70代の男女10数人に「睡眠負債」の実験をしてもらった。全員、睡眠には自信がある人ばかり。ホテルに泊まり、まず一泊目は普段と同じように就寝する。翌朝、いつもどおり出勤。翌日は土曜日で休日。さあここから「睡眠負債」実験の本番だ。ホテルの部屋の窓に目張りをして暗くする。時計も外す。腕時計やスマートフォンなど時刻がわかる物も預かる。時間を気にせず心置きなく翌朝まで寝てもらった。この状態で普段より多く眠った分が「睡眠負債」、つまり本当に寝たいのに眠れていない分なのだ。そして、8人の初日と2日目の睡眠時間を比較すると――。
全員、睡眠時間が増加していた。2時間未満が40%。2~3時間が33%、3時間以上が27%。いつもより2時間以上眠る人が「睡眠負債」といわれるから、6割の人が「睡眠負債」だ。中には5時間という人もいた。
「睡眠負債」が進むとどうなるのか。まず、がんの発症リスクが高くなる。前立腺がんでは38%増、乳がんでは68%増になることが東北大学の研究でわかっている。番組では「睡眠負債」研究の第一人者、シカゴ大学のデービッド・ゴザル教授が行なったマウスの実験を紹介した。がん細胞を移植したマウスを、普通に睡眠をとるグループと、2週間「睡眠負債」の状態にしたグループの2つにわけた。すると、わずか2週間で「睡眠負債」のマウスのがん細胞は、十分睡眠をとったマウスの2倍近くの大きさにふくれあがった。
ゴザル教授「睡眠負債に陥ると、本来ならがん細胞を攻撃するはずの免疫細胞が、眠った状態になるのです。結果として、がん細胞の増殖の手助けをするような働きに転じるのです。睡眠と免疫システムは密接な関係にあり、睡眠不足になると免疫システムに悪影響をおよぼす可能性があるのです」
<b>働き盛りの寝不足が30年後のアルツハイマー病</b>
もう1つ怖いのが、認知症の中で最も多いアルツハイマー病の発症リスクが高まることだ。米スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所長の西野精治教授はらは、マウスを使った実験で、睡眠中にアミロイドベータと呼ばれる「脳のゴミ」が排出されることを突き止めた。アミロイドベータはアルツハイマー病の原因物質といわれている。発症の20~30年前から毎日少しずつ蓄積する。日中の活動を通じて「ゴミ」が脳に産生される。「ゴミ」は夜寝ている間に掃除されるが、睡眠が足りないと「ゴミ」が残ってしまう。これが長年溜まり続けるとアミロイドベータの塊(かたまり)になり、脳神経を傷つけ、アルツハイマー病になるのだ。
西野教授「だから、働き盛りの30~50代に十分な睡眠をとっていないと、数十年先に認知症になるリスクを高める可能性があるのです」
「睡眠負債」は病気以外に日常生活でも重大な危険につながる。たとえば、交通事故がそれだ。米ペンシルバニア大学の研究チームが面白い実験を行なった。被験者を(1)2晩徹夜したグループと、(2)睡眠時間を推奨される7~8時間より1~2時間少ない6時間のグループに分け、注意力と集中力のテストを行ってどう変化するか調べた。徹夜組は初日、2日目で成績が急落した。
一方、6時間睡眠組では、最初の2日間はほとんど変化がなかった。しかし、その後徐々に脳の働きが低下し、2週間後には徹夜組の2日目と同じレベルの成績に下がった。つまり、「6時間睡眠を2週間続けた脳は、2晩徹夜したのとほぼ同じ状態になる」といえる。しかも驚いたことに、6時間睡眠組は脳の働きの衰えを自覚していなかった。徹夜と比べ、わずかな睡眠不足がじわじわ蓄積した場合、なかなかその影響を自覚できない。同大学の研究者は「交通事故の原因の多くに、運転手の睡眠負債が隠れているといってよいでしょう」と指摘する。
<b>しっかり寝たバスケ選手はシュート成功率アップ</b>
逆に睡眠時間を増やして成功した例を紹介した。米のバスケットボールのあるチームが選手たちの睡眠時間を調査すると、平均6時間半だった。みんな睡眠は十分だと言っていた。そこで実験で好きなだけ寝てもらうと、いつもより2時間多く眠った。1ヶ月間8時間半睡眠を続けさせると、3ポイントシュートの成功率が上がり、ダッシュのタイムも上がった。「睡眠負債」の返済をしっかり行なうと、脳や筋肉の動き、やる気までアップするのだ。
ここで番組では、自分に「睡眠負債」はあるかどうか手軽にチェックする方法を紹介した。過去1か月間のことについて、下の8つの質問に回答する。「問題なし」が0点、「少し悩む」が1点、「かなり悩む」が2点、「深刻な問題」が3点だ。これに年齢や性別などの問いがあるので、一概には言えないが、10点以上はリスクが高く、6~9点はリスクが中等度、5点以下はリスクが低い。
(1)寝つきはいいか?
(2)夜間、睡眠途中で目が覚めることがあるか?
(3)希望する起床時刻より早く目覚め、それ以上眠れないことがあるか?
(4)ここ1か月の総睡眠時間は十分か?
(5)全体的な睡眠の質に満足しているか?
(6)日中の気分で滅入ることはないか?
(7)日中の活動(身体的および精神的)の気分はいいか?
(8)日中に眠くなることがあるか?
それにしても、「睡眠負債」を解消するにはどうしたらよいか。番組では、ゲストたちが睡眠の専門家、睡眠評価研究機構代表・白川修一郎教授、東京医科大学の井上雄一教授らに質問をぶつけた。
タレントの陣内智則「いったい、1日に何時間眠ればいいのですか」
白川教授「人によって違いますが、7~8時間は必要です。4~5時間では危険です。ただし、高齢者は睡眠時間が減るので、必ずしも7~8時間寝る必要はありません。『8時間寝なければ』と意識しすぎると、かえってストレスになり、不眠につながります」
<b>「寝だめ」と「寝酒」がいけない理由</b>
タレントの優木まおみ「私、忙しくて4~5時間しか眠れなくて、休みの日にガバーっと寝ちゃいますが、寝だめはいいのですか? まとめて睡眠負債を返済するわけだから」
井上教授「寝だめはオススメできません。普段の生活が乱れ体内時計が狂いますから、別の健康への悪影響が出てきます(ええっ~!とスタジオからブーイングの声)。睡眠負債はまとめて返さず、毎晩の睡眠を増やして少しずつ返すのがいいのです」
MCの寺門亜衣子アナ「主婦の中には昼寝でカバーしている人もいます」
白川教授「やはり生活のリズムが崩れます」
お笑い芸人の尾形貴弘「僕は5時間ですが、寝酒を飲んで熟睡しています」
白川教授「寝酒は絶対にやめてください。結果的に睡眠を浅くして、睡眠負債をどんどん増やしているようなものです」
尾形「......(ショックで口がきけない)」
結局、日々の生活の中で時間をやりくりして、夜の睡眠時間を1~2時間増やしていくしかないという。「早めに寝床に着いても、なかなか眠れない」という悩みを持つ人も多いだろう。そんな人の対策として番組では、「ベッドでのスマホは厳禁」「上を向いて歩こう(午前中に太陽光を視野に入れる)」という2つを「眠りの極意」として紹介した。スマホを見ていると、脳の感情部位が働き、睡眠ホルモンの分泌が止まるからだ。また、わずか15秒太陽光を浴びるだけで、体内時計がリセットされる効果があるという。
(出典:J-CAST ヘルスケア)