発酵食品から発見 日本食の健康効果、70年代に特徴
発酵食品から発見 日本食の健康効果、70年代に特徴
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2013年に日本食が世界無形文化遺産に登録されましたが、同様に世界無形文化遺産に登録されている地中海食に比べて、圧倒的に健康効果に関するエビデンスが少ないというのは多くの専門家が指摘する弱点です。
どのような日本食が健康にいいのか、その理由が少しずつ進み始めているそうです。
様々な研究によると、何をいつ、どれだけ食べるかなどの決断は、人の意識や直接的なコントロール以外の微妙な力によって左右され、外部要因のせいで、私達は生物学的、心理学的、社会的、経済的弱点を突かれて過食してしまうようです。
私達日本人の解決策は世界最高の健康食・伝統的日本食をベースに最新の知見を加えることです。
食事をしっかり食べているのに、栄養素が足りない低栄養の状態に陥ることを新型栄養失調と呼び、10年以上前から警告されていましたが、ビタミン・ミネラル不足の栄養素失調死者数は先進29ヶ国中ワースト4位だという情報があり、残念な現実です。
厚生労働省の調べでは、70歳以上の5人に1人が新型栄養失調に該当するそうで、40代や50代の働き盛りや若年層にも増えているようで、平成27年国民健康・栄養調査からもわかります。
2013年3月に世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界5大医学誌の一つ「ランセット」に発表された東京大学の論文によれば、健康寿命を縮めている原因の1位は栄養の偏った不健康な食事です。
1.不健康な食事
2.高血圧
3.喫煙
4.運動不足
5.肥満
日本食は世界無形文化遺産にも登録され、健康的な食事スタイルとして世界的に注目され、日本でも生活習慣病や肥満を予防・改善するために日本食の再評価がはじまっているそうです。
日本食は、「一汁三菜」「主食・主菜・副菜・汁物」といった構成が伝統で、おかずは出汁を活用し、魚が多く使われ、豆腐や納豆などの豆類が多く、野菜が豊富で脂肪が少ないことが特徴です。
そして日本食で大切にされているのは、「季節感を大切にした演出と味わい」「さまざまな食材と調理法」「素材の味を引き出した絶妙な味わい」などがあげられます。
日本は平均寿命こそ世界トップレベルですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201408110000/">健康管理は「何もしない」派が46%</a>もいるそうで、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201507180000/">健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額</a>です。国民皆保険に甘えて世界一医療に依存して健康管理を怠る<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201506260000/">日本人の主観的健康度は主要35カ国中34位(2016年OECD調査)と韓国と同率最下位</a>で、驚くほど低率です。
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2013年に日本食(和食)が世界無形文化遺産に登録されたことは記憶に新しい。また日本人の平均寿命が世界のトップクラスということもあり、ヘルシーな日本食に対する人気は世界中で高まっている。
にもかかわらず、同様に世界無形文化遺産に登録されている地中海食に比べて、圧倒的に健康効果に関するエビデンスが少ないというのは多くの専門家が指摘する弱点だ。
しかし、どのような日本食が健康にいいのか、その理由はなぜかという研究が少しずつ進み始めている。
<B>■1970年代の食事が最も健康的?</B>
食生活が安定した1960年から年代別に、日本で日常的に食べられてきた食事の特徴を分析し、その健康効果を研究しているのが東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授らのグループだ。
マウスを使った試験では、国民健康・栄養調査をもとに1960年、75年、90年、2005年それぞれの時期の日常食を再現、それを粉末化し、8週間食べさせた。その結果、1975年の食事が最も内臓脂肪がたまりにくく、寿命も長く、認知機能も良好だった[注1]。
この結果を受けて、研究グループは1975年型の日本食を軽度肥満者、健常人がそれぞれ4週間にわたって食べ続ける試験を実施した。すると、同じ期間に現代食を食べた群に比較して、軽度肥満者群ではBMI(体格指数)や体重が減り、血糖値やコレステロール関連指標にも改善が見られ、健常人ではストレスが軽減し、運動機能が向上したという。
では1975年の日常的な日本食の特徴とは何か。
同グループは、食材の多様性、カロリー摂取を抑える調理法などとともに、大豆製品、魚介類、野菜、果物、海藻、きのこ、緑茶などの食材を多くとっていること、だしや発酵調味料を使用して塩分・糖分の摂取量を抑えていることなどを挙げている。
<B>■75年は日本ならではの発酵食の摂取量が多い</B>
アミノ酸の化合物・ペプチドに詳しい京都大学大学院農学研究科の佐藤健司教授は、東北大チームが再現した1975年の食事メニューを分析してあることに気が付いた。「味噌、しょうゆ、日本酒といった麹(こうじ)かび(麹菌)を用いた発酵食品の摂取量がほかの時期の食事に比べて多い。例えば、味噌汁は2005年の週3回に対し、1975年には週7回と倍以上食べていた」(佐藤教授)
麹かびといえば、「かもすぞー」というフレーズとともに有名になった、石川雅之氏の漫画「もやしもん」(コミックは講談社刊、2007年にフジテレビ系でアニメを放映)のキャラクター「A・オリゼー」の三つ編みが5本、頭から出ているような姿を思い浮かべる向きも多いのでは? そのもやしもんに日本食のパワーの秘密があるかもしれないというのだ。
佐藤教授が注目したのは、麹かびの発酵によって増えるピログルタミルロイシン、ピログルタミルグルタミンなどの難消化性ペプチド、総称ピログルタミルペプチドだ。ここでは、由来がわかりやすいように「麹発酵ペプチド」と仮称する。
発酵でできる物質というと、乳酸菌が作る乳酸などの有機酸、アルコールなどはよく知られているが、発酵はそれ以外にもいろいろな物質をつくる。アミノ酸、ペプチド類もその一つだ。
麹かびが作る麹発酵ペプチドの中でも、効能研究が進んでいるのがピログルタミルロイシン(以下pGロイシン)だという。
いくつかの種類の製品を各種発酵食品で調べたところ、日本酒やしょうゆ、味噌に総じてpGロイシンが多かった。
「pGロイシンを体重1kg当たり0.1~1mgほどの少量投与するだけで、大腸炎を起こすマウスの腸内環境が改善したり、高脂肪食をマウスに食べさせても、バクテロイデスという腸内細菌群が増え、体重増加を抑制したりといった効果が得られる。pGロイシンが小腸で抗菌物質を分泌させていることもわかった」と佐藤教授は言う[注2]。
ほかにpGロイシンの肝臓保護作用や抗うつ作用を確認した動物試験もある。
こうした作用は、人に換算すると日本酒200mlに含まれる程度の量で起こる可能性があるという。また、味噌やしょうゆは日本酒ほど一度にとることはないが、濃度的には日本酒を超える量が入っていることが多いようだ。
飲酒習慣のない人でも、1975年当時では、煮物などでの日本酒使用量も多かったため、料理や味噌汁からある程度まとまった量の麹発酵ペプチドをとっていたと考えられそうだ。
麹発酵ペプチドに関するヒト試験の結果が待たれる。
実際、これらの麹かび発酵食品の消費量を見ると、日本酒は1975年をピークに現在では3分の1以下に、味噌も2分の1以下、しょうゆも3分の2程度に減っている。
男女ともに平均寿命が全国1位の長野県は、1人当たりの年間味噌消費量も全国1位で、2015年の家計調査では、全国平均が1.84㎏に対し3.61㎏も消費している。味噌やしょうゆに関しては塩分摂取に注意が必要だが、麹発酵ペプチドの摂取など発酵調味料のメリットについての効果検証も合わせ、適切な消費法を考えていくべきだろう。
<B>■美肌作用で注目されるアミノ酸も</B>
様々な食品に含まれるが、特に発酵食品に多い「D体」のアミノ酸、D-アミノ酸でもユニークな発見が相次いでいる。
そもそもD体のアミノ酸とは何か。たんぱく質を構成するアミノ酸20種類のうち、グリシンを除く19種類には「L体」「D体」という2つのタイプがある。食品に含まれるのはほとんどがL体、人体を構成するたんぱく質もL体でできているので、これまで微量にしか存在しないD体にはあまり日が当たることがなかった。
しかし、資生堂と九州大学のチームは、皮膚の表面をおおう角層中にD体のアミノ酸が存在することを発見した。同チームは、加齢とともに角層から減少するD-アスパラギン酸に注目し、このアミノ酸に肌のハリを支えるコラーゲン線維の産生能があること、このアミノ酸を多く含む食品を2カ月間とり続けることで角層中のD-アスパラギン酸量が増えることを明らかにした。またD-アミノ酸を多く含む食品(黒酢)を3カ月間とり続けたところ、皮膚の角層でD-アラニンの量が増え、保水量が増加することを示した研究もある。
つまり、食品で摂取したD-アミノ酸は皮膚に届いて、潤いやハリを維持する美肌作用を発揮するらしいのだ。
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D-アスパラギン酸は良質な睡眠に導くホルモン「メラトニン」や男性ホルモン「テストステロン」の産生にかかわること、D-セリンは脳内で神経伝達を促すことなどもわかっている。
さらに、慶應義塾大学を中心とするチームは、腸内細菌が作るD-アミノ酸が過酸化水素に分解され、感染症を引き起こす病原菌を殺菌する仕組みを解き明かした。D-アミノ酸を過酸化水素に分解する酵素が作れないマウスはコレラ菌に1000倍も感染しやすくなったという[注3]。
機能性だけではない。D-アミノ酸は、少量でも甘みやまろやかさを増す、食品のおいしさの元でもある。
その証拠に、D-アミノ酸は黒酢やバルサミコ酢、チーズ、日本酒、ワインといった、発酵・熟成が進み、うまみを増した発酵食品に多い。乳酸菌をはじめとする微生物がL体のアミノ酸から作りだしているようだ[注4]。
黒酢では、屋外で壺を用いて醸造される鹿児島県福山町の伝統的な黒酢や熟成期間が長いバルサミコ酢、エメンタールチーズ、蔵に棲(す)みつく乳酸菌の力を利用して作られる生酛(きもと)造りの日本酒などで多量のD-アミノ酸が検出されている。
手間をかけた日本酒を楽しんで、前述の麹発酵ペプチドもD-アミノ酸もたっぷりとれるとすればうれしさも増す。
お酒の機能性というと、赤ワインに多いレスベラトロールといったポリフェノールが話題になることが多いが、日本酒でも新たな機能性の可能性が見えてきた。
<B>■納豆、しょうゆ、味噌には長寿関連物質も多い</B>
納豆やしょうゆ、味噌からは、原料に含まれる食材のアミノ酸から作られ、私たちの細胞の分解と再生を促して、疾患を予防し老化を抑制する注目のアンチエイジング成分、ポリアミンもとれる。
このように、しっかりと熟成させた、風味やうまみも豊かな伝統的な発酵食には、未発見のアミノ酸やそれが集まったペプチド、アミノ酸から作られるポリアミンなどの「お宝効能成分」が隠れていたことが明らかになってきた。
日本酒は飲みすぎに、味噌やしょうゆは塩分のとりすぎに注意する必要はあるが、しっかりだしをとるといった日本食の調理の基本を大事にすれば減塩につながり、適量を上手にとることができそうだ。またいろいろな種類の発酵食をとることで、各種のアミノ酸類をとることができ、美肌やダイエットから腸の健康まで広い健康効果が期待できる。
そもそもだしも、昆布のグルタミン酸、キノコ類のグアニル酸、肉類のイノシン酸といったうまみアミノ酸が働いている。
そう考えると、日本食のおいしさも健康効果も、独自に育まれた「アミノ酸使い」にあるといえるかもしれない。
このところ、3大栄養素の中では、糖質制限といった食事法が話題になっている「炭水化物」、DHA・EPA・α‐リノレン酸といったオメガ3脂肪酸入りの油や食品が世界的な関心を集めている「脂質」の2大栄養素が目立っていたきらいがあるが、伝統的な発酵食品の分野から「たんぱく質(アミノ酸)」をキーワードにしたヒット商品が生まれる土壌が、今、かもされつつある。
(出典:日本経済新聞)