メタボに並ぶロコモの脅威=健康で長生きするために
日本の健康増進政策は、1964年の東京オリンピックから始まりました。
2000年の第三次国民健康づくり政策:健康日本21は「一次予防の重視と健康寿命の延伸」がテーマとなり、2003年5月健康増進法施行、2006年4月介護保険制度を予防重視へ、2008年4月特定健康診査・特定保健指導開始などが行われ、2013年の第四次国民健康づくり政策:健康日本21は「健康寿命延伸・健康格差の縮小」がテーマになっています。
最新の健康寿命は2013年で、女性:74.21歳、男性:71.19歳です。2013年の平均寿命との差となる要介護年数は、女性:12.40年、男性:9.02年で国策テーマにして10年以上経過しても要介護年数は改善していません。
最大の要介護リスクは、運動器障害であり、日本整形外科学会が2007年に提唱したロコモティブシンドローム対策が重要で、高齢者ばかりでなく子供や中年でもリスクがある人が増えているそうです。
・<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201610230000/">小学生の3割に「老化現象」あり!? “子どものロコモ”が引き起こす、学力への悪影響</a>
・<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201504280000/">老化の原因? 10代から始まる 「ロコモ」撃退法</a>
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・<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201401160000/">40代以上の8割が予備軍!寝たきりにも繋がる「ロコモ」予防対策とは</a>
日本は平均寿命こそ世界トップレベルですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201408110000/">健康管理は「何もしない」派が46%</a>もいるそうです。そんなことから日本人の主観的健康度は主要35カ国中34位(2016年OECD調査)と韓国と同率最下位で、驚くほど低率です。
厚生労働省の平成25年国民健康・栄養調査結果によると、30代で運動習慣のある人は12.9%、40代は16.6%、50代は20.7%で、減少傾向にあるそうで、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201507180000/">健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額</a>です。
天皇、皇后両陛下は、皇居御所の庭を約1キロ散策することを日課とされておられましたが、2年ほど前からスローランニングを取り入れられ、50段程度までは階段をお使いになっておられるそうです。
積極的に体を動かすことで病気の回復も早まり、人間の体と頭脳は、たえず動かし続けることで初めて健康が保たれるようにできています。
しかし、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201502010000/">世界23カ国の健康意識調査</a>で、健康的な食生活は23カ国平均は59%が意識しているのに対して、日本は半分以下の29%・最下位で、十分な睡眠をとる:54%(ワースト3)、定期的な運動:39%(最下位)という主要国一の<A href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/4010/">健康オンチ国</A>です。
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ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、脳の血液の流れが良くなり、脳の白質の衰えを抑えることができ、高齢になっての認知能力が衰えを最小限に抑えることができるそうで、スローランニングを加えたインターバルウォーキングはおすすめです。
筋肉は鍛えることで何歳になっても増やせますので、筋力の衰えが進む40代後半、遅くても50代からスローランニングなどを習慣にすると健康・長寿にプラス効果が期待できますね。
定期的な身体活動は、心血管疾患、脳卒中、高血圧、2型糖尿病、骨粗鬆症、肥満、ガン、不安や抑うつのリスクを明らかに軽減し、さらに転倒による負傷のリスクも低減します。
医師が参考にする診療ガイドラインでは、うつ病、不安障害、認知症、慢性的な痛み、うっ血性心不全、脳卒中、静脈血栓塞栓症、腰痛、便秘などの予防における運動の役割を明らかにしています。さらに身体活動が認知障害を阻止または遅らせ、睡眠を改善することが、複数の研究で証明されています。
自分に最適な運動は運動経験、生活習慣や運動目的・目標などによって異なりますが、よりよい運動効果を望むには年齢、運動経験や体力に合った運動強度と運動量の組み合わせと頻度、休息、的を射たケアそして相応しい食・栄養が重要で、過不足なく習慣にしたいものです。
健康で長生きするための究極の秘訣は、定期的な運動だというエビデンスがあり、要約すると以下のようです。
・有酸素運動を中心に種類は問わない
・1日に30分以上
・週に3~5回実行する
・ロコモ対策のため筋肉トレーニングも取り入れる
普通には動いていても筋肉量は、30歳を過ぎると10年ごとに5%前後の割合で減少していき、60歳を越えると減少率は加速し、20歳の筋肉量・筋力と比べると70歳では50%に、80歳では30%まで落ち込む人もいるそうで、ロコモとなり、要介護・寝たきりになって寿命まで短くなるなるわけです。
アラフォーくらいになると体重は変わらないのにサイズが変わるのは、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201206110000/">「サテライト細胞」と呼ばれる筋肉細胞が脂肪細胞に変化してブヨブヨになる</a>からです。
このような運動不足は、大量の飲酒や肥満に並んで、平均寿命を縮める主な要因だそうで、健康のために運動を習慣として行うことが重要ですね。
高齢になってから運動を始めた人でも、運動がもたらす恩恵は大きいので、気づいた時から行動に移し、遅すぎることはありません。
いつやるか? 今でしょう!!(笑)
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また、<A href="http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/1000research/201406/536904.html" target="_blank">医師の47%は病人</A>(2014年日経メディカル調査)で普通の国民と変らない残念な現実があります。
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・人生で今日が一番若い。
・他人と過去は、変えられない。自分と未来は、変えられる(カナダの精神科医・エリック・バーン)
・予防に1ドル投資すると医療費が3.27ドル減り、生産性が2.73ドル向上する。(ハーバード大学)
・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生)
・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵)
・健康こそ最大の資産であり、史上最高の投資である (リチャード・ブランソン:ヴァージングループ会長)
・健康な身体を維持する意志力がないということは、人生を左右する重要な状況において、積極的心構えを維持する力にも欠ける。(ナポレオン・ヒル)
<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201505190000/">高齢者での研究では、運動強度に関係なく、1日30分の運動を週6日取り入れると、死亡率が40%減少し、さらに週に数回、きつい運動をこなす高齢者は、ほとんど動かない高齢者に比べて寿命が5年も長かった</a>そうです。
また、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201504120000/">健康で長生きの秘訣は何と言っても「日頃の運動」</a>との指摘もあり、毎日の生活の中に運動要素をうまく取り入れたいですね。
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太り過ぎは健康に良くないとするメタボリックシンドローム(メタボ)という言葉は、ほとんどの人が知っている。ただ、健康で長生きをするためには、もう一つのシンドロームに気を付けなければならない。日本整形外科学会が2007年に提唱したロコモティブシンドローム(ロコモ)だ。同学会と関係する医師たちは、ロコモの周知度アップと対策の指導に力を入れている。
<b>◇要介護の一歩手前</b>
「運動器の障害によって運動機能が低下し、要介護のリスクが高まる。動けない、歩けないという一歩手前の状態だ」。目黒ゆうあいクリニック院長で日本整形外科学会専門医の宮島久幸氏は、ロコモを明解にこう定義する。
介護が必要となった主な原因を見ると、転倒・骨折が10・2%、関節疾患10・9%、脊髄疾患は1・8%でこの三つの合計は22・9%と脳血管疾患(脳卒中)の21・5%を上回る。宮島氏は「これらは2010年の数字だ。今はこの三つで25%くらいになるだろう。脳卒中より整形外科疾患の方が要介護状態になることが多い」と強調する。
<b>◇健康寿命こそ大切</b>
寿命には「平均寿命」と「健康寿命」がある。厚生労働省によると、2015年の日本人の平均寿命は男性が80・79歳、女性が87・05歳でともに過去最高を更新した。女性が香港に抜かれ第2位とはいえ、長寿であることは変わらない。一方、健康寿命は医療や介護に頼らず日常生活を送れる期間のことだ。
問題は二つの寿命の差で、「不健康な期間」を意味する。厚労省が関係した研究によると、2010年における平均寿命と健康寿命の差は男性9・13年、女性12・68年だった。
「女性の平均寿命が香港に抜かれ2位になったが、長ければ良いというものではない。元気で身の回りのことが自分でできる健康寿命の方が大事。平均寿命と健康寿命との差の期間に、要介護になったり、中には寝た切りになったりする人がいる。この差を短くすることが一番良い」
<b>◇地域でロコモ啓蒙</b>
宮島氏は地域の人たちを対象としたロコモのセミナーを開催、3年目を迎えた。東京都臨床整形外科医会の理事も務め、「ロコモの概念を広めるためにはどうしたらよいか」を考えた。結論は身近な所でやる地域密着型の活動だ。「自分たちがロコモの対象なのだと肌で感じてもらいたい。それには、そのためには私たちが地域で活動していかなければならない」と、宮島氏は言う。
総務省によると、2015年に65歳以上の高齢者は3384万人で総人口の26・7%を占める。2025年には、高齢者の割合が32%になる社会の到来が予想されている。一方、日本人の平均寿命は長いが、健康を損ねて長生きするのもつらい。健康で長生きするためには、自身のロコモ度をチェックするとともに、予防するトレーニングが重要だ。
<b>◇判定テストは二つ</b>
「自分は大丈夫」と思っている人も多いだろうが、油断は禁物だ。日本整形外科学会などではロコモかどうかを確かめる方法として、ロコモ度テストと25項目のチェックリストから成るロコモ25を推奨している。ロコモ度テストは二つ。高さ10~40センチの台を用意し、まず両脚で立ち上がる。それができたら、次は片脚でトライする。どちらかの片脚で40センチから立ち上がれない場合は、ロコモ度1.両脚で20センチの高さから立ち上がれなかったら、ロコモ度2だ。
もう一つのテストが「2ステップテスト」。スタートラインを決め両足の爪先を合わせる。できる限り大股で2歩歩き、両足をそろえる。次にスタート地点から着地点までの距離を測る。2歩の幅(センチ)を身長(センチ)で割ったのが、2ステップ値だ。これが1・3未満ならロコモ度1、1・1未満であればロコモ度2とされる。記者も試したが、完全なロコモ度2だった。
<b>◇日常生活からチェック</b>
ロコモ25は、「腰・肩・腕・手のどこかに痛み(しびれも含む)があるか」「背中・腰・お尻のどこかに痛みがあるか」「ベッドや寝床から起きたり、横になったりするのはどの程度困難か」「ズボンやパンツをはいたり、脱いだりするのはどの程度困難か」―など25の質問に答えてもらう。五つの選択肢は点数化され、7点以上はロコモ度1、16点以上はロコモ度2と判定される。
より簡便でロコモの目安となるのが、ロコチェックだ。日常生活に関し、「片脚立ちで靴下がはけない」「家の中でつまずいたり滑ったりする」「階段を上るのに手すりが必要」「横断歩道を青信号で渡り切れない」「15分くらい続けて歩けない」「2キロ程度の買い物をして持ち帰るのが困難」「掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど家のやや重い仕事が困難」―の7項目中、一つでも当てはまればロコモの心配がある。ちなみに記者は、五つが当てはまる完全なロコモだ。
<b>◇四つのロコトレ</b>
東京都臨床整形外科医会はパンフレットを作成し、ロコモを予防するために四つの運動を勧めている。
まず、バランスの練習である「片脚立ち」。机に手を突いて片足を床に突かない程度に上げる。左右1分間ずつ1日3回行う。「スクワット」は下肢の筋肉を付ける運動だ。肩幅より少し広めに足を広げて立ち、爪先を30度ほど開く。膝が爪先より前に出ないように注意しながら体を沈める。5~6回が1セットで、1日3回。スクワットができないときは、椅子に腰掛け机に手を突いて、立ち座りの動作を繰り返す。
ふくらはぎの力を付けるのが「カーフレイズ」。両足で立った状態からかかとを上げ、ゆっくり下ろす。1セット10~20回で、1日に2~3セットが目安だ。立ったり歩いたりすることが不安定な人は、椅子の背もたれなどに手を突いて行う。「フロントランジ」は下肢の柔軟性向上などにつながる。腰に両手をあて立った状態から片脚を大きく前に踏み出す。太ももが水平になるくらいに腰を下げた後、体を上げて踏み出した脚を元に戻す。1セット5~10回で、目安は1日2~3セット。
目黒ゆうあいクリニック院長の宮島久幸氏は「ロコトレを続けると、段々楽にできるようになり、運動効率が下がる。回数を増やしたり、違う運動を加えたりしてレベルを上げる必要がある。この四つは入り口だ」と指摘する。記者は通勤電車の座らず、かかとを上げるくらいが精いっぱいで先は長い。
宮島氏は「最初はそれでもよい。理想は日常生活の中に運動が組み込まれ、習慣化することだ」と励ましてくれた。
(出典:時事メディカル)