睡眠不足はほろ酔い同然 疲れ解消に必要な睡眠時間 | 健康管理・増進、病気予防、抗加齢(若返り)、長寿、豊かさを探求

睡眠不足はほろ酔い同然 疲れ解消に必要な睡眠時間

欧米先進国と比べて日本人の睡眠時間は短く、2014年のOECD報告で、男性はワースト3位、女性は最下位で、日本の生産性が低い要因の一つかも知れません。

<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201609080000/">睡眠不足は酔っ払っているのと同じくらい生産性が下がる</a>と指摘されていますが、睡眠時間の短い中高年ほど脳の老化が速いことが分かったそうです。

 

睡眠中はノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互にくり返され、入眠直後から3時間までの間に最も深いノンレム睡眠が訪れ、脳の疲労をとることができるといわれているそうです。その次に体の疲労がとれ、最後に心の疲労がとれる、というように、睡眠のフェーズごとにとれる疲労が違うのではないかという仮説もあり、睡眠時間が短くなると、その分、とれない疲労が残ることになるわけです。

 

 

2015年の大規模睡眠調査によると、睡眠は何よりも重要だと87%が思っているのに、睡眠に不満を感じていないのはたった17%、しかも睡眠に不満を感じて睡眠改善のために行動を起こしている人の割合はたった25%で、全体の57%の人は、睡眠を改善できるかもしれない行動を起こしていないことがわかりました。

 

 

様々な統計結果や医学的根拠から、人間の最適な睡眠時間は7時間程度で、長くても短くてもよくないそうです。この睡眠時間は1日の活動時間の3分の1程度になり、時間にこだわるだけではなく、質を高くすることが大切だと指摘されています。

普段から生活リズムを整えて、日によって睡眠時間に差がないように、質の良い適度な睡眠時間を確保したいものです。

 

 

不眠症に悩む人も年々増加しています。

不眠症の原因には、通常疲れたり、寝不足になると必要な睡眠を得ようとする機能が適切に働かない「恒常性異常」、覚醒状態から睡眠状態に移行する体内時計のリズムが崩れる「リズム異常」などがあります。

最近注目されているのが覚醒システムの不具合で、覚醒を維持するオレキシンという脳内物質が過剰に働きシャットダウンしないことが近年の研究で解明されたそうです。

 

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私達には体内時計があります。主時計は目から入った光の情報を受け取り、メラトニンを分泌する脳にある松果体へ信号を送る部分です。

さらに体内時計をコントロールする時計遺伝子が発見され、この時計遺伝子は脳の視交叉上核だけでなく、心臓、肝臓、肺、筋肉、皮膚などあらゆる細胞に存在しており、脳の主時計に対して末梢時計と呼ばれています。

最近では細胞だけでなく、約100兆個の腸内細菌までもが、体内時計の末梢時計であることが分かり、腸内フローラが良い状態であることがよい眠りにも大切だそうで、腸内フローラ改善変化はすぐ睡眠に好影響を与えるようです。

 

 

睡眠には謎が多く、睡眠中は脳も休んでいると考えられていましたが、起きている間より寝ている間の方が脳は忙しく重要な活動を行っていることがわかってきたそうで、改めて睡眠の重要性がわかりました。

 

睡眠中の脳の4つの役割

1.有害な毒素を排出する

2.起きている間に得た情報を復習し、記憶させる。

3.バラバラに入ってきた情報をまとめ、整理する。

4.免疫力を高める。

 

 

<img style="cursor:pointer;border:none;"  src="http://thumbnail.image.shashinkan.rakuten.co.jp/shashinkan-core/showPhoto/?pkey=f11afd70cf46e1e011db433888ea59c1d8f7dab4.10.2.2.2j1.jpg" alt="睡眠時間国際比較.jpg" />

 

厚生労働省調査では、日本人の5人に1人が不眠に悩んでいるそうですが、2014年11月6日に発表された民間会社の全国20~79歳の男女7,827人の実態調査によると、国際基準「アテネ不眠尺度」で、約4割が「不眠症の疑いがある」、約2割は「不眠症の疑いが少しある」と判定されています。また、睡眠と寝起きに関する実態調査委員会の調査では、寝起きがだるい:48.1%、寝起きの目覚めが悪い:9割を超えています。

 

<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201505250000/">睡眠障害による国内の経済損失は3.5兆円</a>にもなり、睡眠障害が引き起こす健康被害の損失は含まれていないので、これを加えたらさらに巨大な損失になるそうです。 

 

睡眠の生活パターンで一番よいのは、早寝早起き型で、週末の朝寝坊は時差ボケという意外な落とし穴を生むので、平日との差は1時間以内までがよいそうです。

体内時計は24時間よりも少し長めなので、このズレを修正してくれるのが、朝に浴びる太陽光と起床後1時間以内の朝食だそうです。

 

<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201506200000/">睡眠コーチとして活躍されている雨晴クリニック副院長の坪田聡先生は、「10分の2度寝」と「20分の昼寝」が仕事の効率をグイッと上げると提唱</a>されています。

 

不眠症患者の半分は、最低6時間の通常の睡眠時間を取っているが、不眠症患者の42%は、睡眠時間を1時間以上少なく見積もっていたり、眠っていたのに起きていたと勘違いすることがあるそうです。

不眠症は睡眠が少なすぎるのではなく、脳の動きが活発すぎると研究者は指摘しています。

 

 

日本人は、睡眠の不満は多く、最新の調査では<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201502120000/">半数以上が睡眠に不満、約9割が快眠のために現状改善を希望</a>しているそうで、日本人のガンが減らない一因だと思います。

 

<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201501140000/">不眠症の本質的な問題は睡眠状態誤認である</a>ことを世界に先駆けて喝破したのは日本人研究者だったそうです。不眠症は実際よりも睡眠時間を短く、寝つきを長く感じているそうです。

 

 

 

 

2014年3月に<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201405050000/">厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」</a>を発表しています。

2014年厚生労働白書によれば20~39歳の若い世代でも「睡眠で休養がとれている」と思う人は半数だそうですが、年齢に関係なく疲れ知らずになるのは簡単なので、喜ばれています。

 

・「<A href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html" target="_blank">健康づくりのための睡眠指針2014</A>」 厚生労働省

 

~睡眠12箇条~

 1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。

 2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

 3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

 4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

 5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

 6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

 7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

 8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

 9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

11.いつもと違う睡眠には、要注意。

12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

 

睡眠の問題を抱えている方は、睡眠調節機能を整えることが大切で、(1)朝きちんと目覚めるために太陽光で目が覚まし、(2)日中脳と身体を適度に動かすことが大切だそうです。

 

 

****************************<B>【以下転載】</B>****************************

 

毎日の睡眠で上手に疲れた脳を休ませてリカバリーしていくことが、長期的には、疲れない脳をつくり、高いパフォーマンスを発揮することにつながるという。そこで、疲れた脳を休ませる上手な睡眠のとり方について聞いた。

 

 

<B>■十分な睡眠時間をとることは、やっぱり重要</B>

 

組織の第一線で忙しく活躍しているビジネスパーソンの中には、「睡眠時間が6時間未満と短くても、睡眠の質を高めれば大丈夫」と思っている人も多いのではないだろうか。しかし、その睡眠の質を保つためには、最低限必要な睡眠時間があることは理解しておきたい。

 

どのくらいの睡眠時間が適切かについては個人差も大きいが、厚生労働省のガイドラインによると25~45歳で約7時間、45~65歳で6時間半、65歳以上は6時間くらいが目安とされている。

 

睡眠時間は認知機能の低下と関係しており、たとえば、睡眠時間が6~8時間だった人が、その後の5年ほどそれより睡眠時間の短い生活を続けると、認知機能の低下につながった。睡眠時間の変化の影響の大きさは4歳から7歳分の老化に匹敵していた、という研究結果もある。短期的に見ても睡眠不足が脳に与えるダメージは大きく、「睡眠不足がたまると、認知機能はほろ酔い状態と同じ程度になることを示唆する報告もある(西本さん)そうだ。

 

また、睡眠中はノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互にくり返されているが、入眠直後から3時間までの間に最も深いノンレム睡眠が訪れ、脳の疲労をとることができるといわれている。その次に体の疲労がとれ、最後に心の疲労がとれる、というように、睡眠のフェーズごとにとれる疲労が違うのではないかという仮説もあり、睡眠時間が短くなると、その分、とれない疲労が残ることになる。

 

私たちは、忙しいから睡眠時間が短くなると考えがちだが、実際には必ずしもそうではなく、睡眠時間が短いから、仕事のパフォーマンスが下がっていて、かえって忙しくなっている人も多いかもしれない。そう考えると、やはりまずは十分な睡眠時間を確保する努力をしたい。

 

 

<B>■睡眠不足を見極める方法</B>

 

では、日ごろ十分な睡眠がとれているかは、どう見極めればよいのだろうか。

 

「一つの目安は、昼食後に眠くなるかどうか。昼食後は血糖値がいったん上がった後に下がりますし、バイオリズムやホルモンの働きからも眠くなるようにできているのですが、十分な睡眠がとれていれば、耐えられないほどの眠気にはなりません」(西本さん)

 

昼食後に耐えられないほど眠い場合は、睡眠不足か何らかの睡眠障害の可能性がある。睡眠時間を長くするか、20分以内の短い昼寝をとるなど、生活を見直す必要がありそうだ。それでも昼間の眠気が解消されない場合は、医療機関を受診しよう。

 

 

<B>■睡眠の質を高めるためにできる工夫</B>

 

十分な睡眠時間が大切とはいえ、もちろん睡眠の「質」も重要であることに変わりはない。質を高めるためには、次のような工夫をするとよいという。

 

(1)休日に寝だめをしない

 

 起きる時間が日によってまちまちだと、体内時計が整わず、起床を準備するホルモンや自律神経がうまく働かなくなるため、すっきりと起きられない。休日と平日の時間帯の間で“社会的時差ぼけ”といわれる状態に陥ってしまう。平日の起床時間に対して、休日もプラスマイナス1時間くらいの差に抑えるほうが、結果的に1週間を楽に過ごせるという。

 

 「休日、もし、起床後まだ眠ければ、一度起きたあと、明るい場所で二度寝などをして調整しましょう」(西本さん)。後述するように、体内時計の主時計は明るさで調整されているため、せっかく朝起きて一度リセットされた体内時計を暗い場所で寝ることで乱さないようにしたい。

 

(2)朝起きたら太陽の光を浴び、朝食を食べる

 

 体内時計には「主時計」と「末梢時計」の2種類があることが、最近の研究から分かってきた。主時計は光によって調節される、1日のリズムを刻む体内時計だ。末梢時計は、主時計の指示を受けながら、食事による刺激で調節され、体内の代謝リズムをコントロールしている。

 

 睡眠の質を高めるためには、この2つの体内時計を同調させてリズムを刻むことが大切だ。そのためには、朝起きたときに太陽の光を浴び、それに合わせて朝食を食べることで、2つの体内時計に1日の始まりを認識させることができる。

 

(3)入眠までの儀式的な行動を規則正しく行う

 

 決めた就寝時刻の2~4時間前に夕食を済ませ、1時間前に軽いストレッチや入浴をすると眠りにつきやすくなる。人間は体温が下がっているときに眠気を生じるのだが、就寝1時間前に一度体温を上げておくと、ちょうど寝る頃に体温が下がってくるからだ。

 

 また夕方以降は、覚醒作用のあるカフェインを控え、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を妨げる強い光をできるだけ避けることも、スムーズに入眠するためには大切だ。

 

 

<B>■「休む力」を身につけよう</B>

 

1日の約3分の1の時間を占める睡眠を見直そうとすると、1日のスケジュールを根本から立て直す必要が生じてくる。

 

「私たちはよく“きょう寝る時間も決められない人が、何を決められるのか”と言っています(笑)。脳を疲れにくくする時間管理術を考えるなら、まず寝る時刻と起きる時刻を優先的に確保すべきです」(西本さん)

 

睡眠リズムが乱れるにつれ、疲れがたまって、脳のパフォーマンスも落ちる。情報過多の今、疲れた脳を上手に休ませる力も、効率よく仕事を進めるために必要な能力といえるだろう。

 

 

■この人に聞きました

西本真寛(にしもと・まさひろ)さん

Campus for H リサーチマネージャー・公衆衛生学修士。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は組織における健康づくり、特にメンタルヘルス(精神保健)。キャンパスフォーエイチはマインドフルネスのアプリ「MYALO」もリリース。

 

(出典:日本経済新聞)