認知機能低下には筋量より身体機能が関係 | 健康管理・増進、病気予防、抗加齢(若返り)、長寿、豊かさを探求

認知機能低下には筋量より身体機能が関係

将来の認知機能低下には骨格筋量よりも握力や歩行速度のような身体機能が影響する研究が発表されました。

 

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認知症予防には、様々な研究、報告がありますが、認知症予防に効果があると言われているのは、禁煙、運動の習慣化、脳トレ、食事は適度な糖質制限、塩分制限、野菜から食べるベジファースト、品数豊富なバランスのよい和食、社会性、睡眠などのよい生活習慣を総合的に組み合わせることだそうです。中でも効果があると言われているのが息が弾む程度の中強度の有酸素運動です。

しかし、誰もが息が弾む程度の中強度の有酸素運動を習慣にできるわけではなく、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201604200000/">料理教室もおすすめ</a>で、特に料理が得意ではない男性におすすめしたいです。

 

 

日本でも認知症は増加し、厚生労働省の2012年調査では認知症患者は462万人、認知症予備軍の軽度認知障害(MCI)患者は推計400万人、合わせると65歳以上の高齢者の4人に1人でしたが、別の調査では認知症患者の高齢者推計は550万人と65歳以上の18%となり、20年で6倍に増えていました。

2025年には認知症高齢者が700万人(5人に1人)に急増し、軽度認知障害(MCI)患者と合わせると軽く1000万人を超えるわけです。

また64歳以下までの認知症を若年性認知症と呼び、まれに10代後半で発症することもあるそうで、若年性認知症の推定患者数は約3万8000人と言われています。

 

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<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201606010000/">英国では20年前に比べ、1年間に認知症になる人の割合が20%減った</a>そうで、社会全体で健康増進を図れば、認知症の増加が抑えられるようです。

 

 

ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、脳の血液の流れが良くなり、脳の白質の衰えを抑えることができ、高齢になっての認知能力が衰えを最小限に抑えることができるそうで、インターバル速歩やスロージョギング、階段昇降はおすすめです。

筋肉は鍛えることで何歳になっても増やせますので、筋力の衰えが進む40代後半、遅くても50代からインターバル速歩やスロージョギングを習慣にすると健康・長寿にプラス効果が期待できますね。

 

天皇、皇后両陛下は、皇居御所の庭を約1キロ散策することを日課とされておられましたが、2年ほど前からスロージョギングを取り入れられ、50段程度までは階段をお使いになっておられるそうです。

 

また歩きながら計算するとか、頭と体で2つのことを同時に行うデュアルタスク(2重の課題)がよいそうです。

よい知識をつけて出来そうなことから無理なく生活習慣を改善していくことがポイントだと思います。

 

遅発性アルツハイマーの爆心地が青斑核と呼ばれる脳の小さな領域だと分かり、この部位は、高齢者における認知機能の維持に大いに関連しているそうです。

青斑核にある神経細胞は睡眠時間が少ないほど死滅することから、高齢者の脳年齢は睡眠時間が大きく関与しているそうです。

 

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<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201511190000/">全国40~69歳の男女1200人を対象とした「認知症予防に関する意識調査」によると、認知症の予防に役立つ情報に関心がある人は6割近くにのぼり、認知症予防に有効だと思われる食事や運動習慣を改善するための情報を望んでいる</a>そうです。

 

2012年内閣府・高齢者の健康に関する意識調査によると、健康管理の行政への要望の1位が認知症でした。

また50~70代の脳に関する意識調査では、91%が脳の働きに老化を感じていますが、何か対策を講じている人は24%しかおらず、対策をしていない人の85%が対策を知らない・わからないと回答しているそうです。

 

<img style="cursor: pointer; border: none;" alt="アルツハイマー病につながるリスク.jpg" src="http://thumbnail.image.shashinkan.rakuten.co.jp/shashinkan-core/showPhoto/?pkey=b269ec02b7acb3fc7065ad46f6882c392b240dc7.10.2.2.2j1.jpg" />

 

認知症には、アルツハイマー型以外に、血管が破れたり、詰まったりする脳卒中により神経細胞が壊れる血管性認知症も知られています。両タイプの認知症には共通の危険因子として動脈硬化の原因とされるメタボがあり、若年期からのメタボの積極的な管理、予防が、認知症予防に有効だそうです。そのためには、食生活や運動、禁煙など日常の生活習慣を改善することが大切だと言われています。

 

 

最も罹りたくない認知症は何種類かあり、その一つの<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201107040000/">アルツハイマー病は世界経済危機をもたらすと警告</a>されたり、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201312060000/">国際アルツハイマー病協会から認知症増大予測で対策強化の政策提言</a>が出るほど増えていますが、よい治療法がないので高齢化国を悩ませています。最もよい対策は個人が取り組む的を射た認知症予防策の習慣化です。

 

そんなことから厚生労働省は2012年に「<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j8dh-att/2r9852000002j8ey.pdf" target="_blank">認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)</a>」が発表されたり、2013年12月に「主要国(G8)認知症サミット」、2014年11月5日6日には「G8認知症サミットの後継国際会議」が日本で開催され、<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201411230000/">認知症対策は重要な国家戦略</a>として2015年1月に「<a href="http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/01_1.pdf" target="_blank">新オレンジプラン</a>」が発表されています。

 

****************************<b>【以下転載】</b>****************************

 

わが国では超高齢社会を迎え、社会的な関心が高まっている認知症への早急な対策が求められているが、このほど将来の認知機能低下には骨格筋量よりも身体機能が関連するという研究が発表され、話題となった。同研究の主任研究者で東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チームの谷口優氏に、研究の詳細と認知機能を低下させないための方法について聞いた。

 

 

<B>群馬県草津町の在宅高齢者約650名が対象</B>

 

-研究の背景は?

 

今回の研究のきっかけとなったのは、高齢者では一見体格がしっかりしている方でも、身体機能のパフォーマンスが悪い人がけっこういることに疑問を持ったからです。これまで、高齢者において骨格筋量が少ない人や身体機能が低い人では認知機能も低いことが分かっていましたが、それらが将来の認知機能低下の指標となるかははっきりしていませんでした。

 

そこで本研究では、身体機能、骨格筋量、および身体機能と骨格筋量の組み合わせで判断するサルコペニアの3つの項目について、これら3つの項目と認知機能との関連を調べ(横断的な関連)、続いてこれら3つの項目が将来の認知機能低下の指標となるかを検討しました(縦断的な関連)。

 

-今回の対象と方法は?

 

対象は、2008~11年に群馬県草津町の高齢者健診を受診した地域在宅高齢者で、各年に身体機能、骨格筋量、認知機能などの評価を行い、その後2012年までに認知機能の追跡調査可能であった649名を解析しました。

 

身体機能は握力と通常歩行速度で評価し、骨格筋量は多周波数生体電気インピーダンス測定装置InBody720を用いて測定しました。サルコペニアはAsia Working Group for Sarcopenia(AWGS)の定義に従い、低身体機能1) かつ低骨格筋量2)に該当する者としました。

 

認知機能低下については、Mini-Mental State Examination(MMSE)の年平均変化量が0.5点以上の低下を示した者と定義しています。

 

 

<B>低身体機能×骨格筋量正常が最も高リスクに</B>

 

-結果は?

 

身体機能、骨格筋量およびサルコペニアと認知機能との横断的な関連について調べたところ、いずれも有意な関連が見られました(それぞれP0.001P0.014P0.001)。これは、従来いわれてきたように身体機能が低い、骨格筋量が少ない、あるいはサルコペニアの高齢者では認知機能が低い傾向にあることを意味します。

 

一方、身体機能および骨格筋量と認知機能低下との縦断的な関連を見ると、握力と歩行速度で評価した身体機能得点は将来の認知機能低下と有意な関連が見られたものの(P0.01)、骨格筋量と認知機能低下の関連については有意差が見られませんでした。つまり、身体機能が低い高齢者では将来認知機能低下を来しやすいものの、骨格筋量と将来の認知機能低下には有意な関連がないことを意味します。

 

さらに、将来の認知機能低下の発生について、AWGS基準による身体機能と骨格筋量の組み合わせで定義されるサルコペニアに注目して分析を行いました。年齢や性などの重要な交絡因子を調整した上で解析した結果、身体機能と骨格筋量がいずれも正常な群を基準とすると、サルコペニア群(低身体機能かつ低骨格筋量)のリスクは1.6倍でした。最も大きなリスクを示したのは、低身体機能かつ骨格筋量正常群の2.1倍で、将来の認知機能低下と有意な関連があることが分かりました(図)。

 

. 身体機能と骨格筋量の組み合わせ別に見た 認知機能低下との縦断的な関連

 

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-この結果をどのように解釈すればよいか?

 

本研究のデータを収集した健診に来る方は、心身ともに状態が良く、積極的な方がどうしても多くなります。そのため、データにバイアスがあることは否定できませんが、それでも現在見た目は体格がしっかりしている高齢者でも、身体機能が低下していれば将来的に認知機能低下を来すリスクが高いことを示唆しているといえるでしょう。

 

身体機能が表す筋力の大きさは、動員される運動単位の数と、それらのインパルス発射頻度に依存します。本研究で骨格筋量と認知機能低下との間に有意な関連が見られなかったことから、運動単位の活動性が低下している高齢者の中には、脳からの情報伝達が障害されている場合があり、将来の認知機能低下につながると考えられます。

 

<B>-臨床で身体機能や認知機能の低下を見抜くヒントは?</B>

 

握力であれば、日常生活の中で「買い物袋を持ち歩くのが困難になった」「ペットボトルのキャップが開けにくくなった」などがサインとなります。また、横断歩道に設置されている信号機は、正常な歩行速度であれば問題なく横断できるように時間が設定されています。歩行速度は見た目では判断しづらいので、「信号が青に変わってから赤になるまでに無理なく横断歩道を渡れますか?」などの問診により、ある程度はスクリーニング可能でしょう。

 

認知機能を測定には、MMSEの得点が世界的にも使われていますが、これまでMMSEを用いた認知機能低下の定義については、統一したものがありませんでした。われわれは最近、MMSEの得点の年平均変化量が0.5点以上の低下を認知機能低下と定義することが妥当であると報告しています(日老医誌 2015; 52: 86-93)。MMSEは1点刻みですので、われわれの考えでは2年間で1点以上の低下があれば認知機能低下と定義します。こういった指標も参考にしていただければと思います。

 

-どう介入すればよいか?

 

認知機能低下は認知症の前駆段階ですので、認知症への進展を防ぐことが可能です。認知症予防には、運動により脳に酸素を供給するとともに、十分な栄養を取ることが大切です。軽度認知障害(MCI)でも3~4割程度の方は正常な状態に回復するといわれており、生活習慣の改善は重要です。

 

運動や栄養の状態を見直し、生活習慣の改善を図ることは、若年者と同様に高齢者においても有効です。理想的な生活習慣を身に付けることに年齢は関係ありませんが、歳を重ねるに従って痛みや痺れを感じる頻度は増すことが考えられます。そのため、若いころから中程度の負荷がかかるような運動を日常的に行う習慣を身に付けておくことで、高齢期への蓄えをつくっておくことが有効でしょう。

 

(出典:Medical Tribune