階段昇り降り・20分間連続歩行できない高齢者、3年以内に要介護認定の可能性増大
2007年に日本整形外科学会がロコモティブシンドロームという概念を発表し、2013年度から第2次健康日本21が健康寿命の延伸を強調してからロコモや運動、筋肉トレーニング関連記事が増え、中高年向け女性誌にも筋トレ特集があるのがめずらしくなくなっています。
現実には、世界保健機構(WHO)によると、15歳以上の日本人の65%が運動不足だと言われています。WHO定義の運動不足とはジョギングなどの適度な運動をする時間が1週間に30分未満の状態だそうです。
筋肉量は20歳頃に増加のピークを迎え、後は年に1%ずつ減っていきます。
筋肉は鍛えることで何歳になっても増やせますので、筋力の衰えが進む40代後半、遅くても50代から下半身の筋トレをすると健康・長寿にプラス効果が期待できますね。
定期的な身体活動は、心血管疾患、脳卒中、高血圧、2型糖尿病、骨粗鬆症、肥満、大腸がん、乳がん、不安や抑うつのリスクを明らかに軽減し、さらに転倒による負傷のリスクも低減します。
医師が参考にする診療ガイドラインでは、うつ病、不安障害、認知症、慢性的な痛み、うっ血性心不全、脳卒中、静脈血栓塞栓症、腰痛、便秘などの予防における運動の役割を明らかにしています。さらに身体活動が認知障害を阻止または遅らせ、睡眠を改善することが、複数の研究で証明されています。
天皇、皇后両陛下は、皇居御所の庭を約1キロ散策することを日課とされておられましたが、2年ほど前からスロージョギングを取り入れられたそうです。
自分に最適な運動は運動経験、生活習慣や運動目的・目標などによって異なりますが、よりよい運動効果を望むには年齢、運動経験や体力に合った運動強度と運動量の組み合わせと頻度、休息、的を射たケアそして相応しい食・栄養が重要で、過不足なく習慣にしたいものです。
健康で長生きするための究極の秘訣は、定期的な運動だというエビデンスがあり、要約すると以下のようです。
・有酸素運動を中心に種類は問わない
・1日に30分以上
・週に3~5回実行する
・サルコペニア、ロコモ対策のため筋肉トレーニングも取り入れる
普通には動いていても筋肉量は、30歳を過ぎると10年ごとに5%前後の割合で減少していき、60歳を越えると減少率は加速し、20歳の筋肉量・筋力と比べると70歳では50%に、80歳では30%まで落ち込む人もいるそうで、ロコモとなり、要介護・寝たきりになって寿命まで短くなるなるわけです。
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alt="サルコペニア肥満.jpg"
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アラフォーくらいになると体重は変わらないのにサイズが変わるのは、<a
href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201206110000/">「サテライト細胞」と呼ばれる筋肉細胞が脂肪細胞に変化してブヨブヨになる</a>からです。
このような運動不足は、大量の飲酒や肥満に並んで、平均寿命を縮める主な要因だそうで、健康のために運動を習慣として行うことが重要ですね。
高齢になってから運動を始めた人でも、運動がもたらす恩恵は大きいので、気づいた時から行動に移し、遅すぎることはありません。
いつやるか? 今でしょう!!(笑)
日本は平均寿命こそ世界一ですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると<a href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201408110000/">健康管理は「何もしない」派が46%</a>もいるそうです。そんなことから<a
href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201506260000/">日本人の主観的健康度は主要36カ国中36位(2015年OECD調査)と最下位</a>で、驚くほど低率です。
健康的な生活習慣を無視して好き放題の人は、やらない理由を探すのが得意だったり、「一寸先は病み」の現代で将来の健康がいかに蝕まれるかの想像力が乏しいとか、根拠のない自信を持ち過ぎの傾向などがあるようです。
<a
href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201502010000/">世界23カ国の健康意識調査</a>で、健康的な食生活は23カ国平均は59%が意識しているのに対して、日本は半分以下の29%・最下位で、十分な睡眠をとる:54%(ワースト3)、定期的な運動:39%(最下位)という世界一の<A href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/4010/">健康オンチ国</A>です。
厚生労働省の調査によれば、運動など健康増進の習慣がある人は男女とも3割にとどまり、<a
href="http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/diary/201507180000/">健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額</a>です。
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alt="機能・気力・体力・活力の変化1410.jpg"
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また、<A
href="http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/1000research/201406/536904.html"
target="_blank">医師の47%は病人</A>(2014年日経メディカル調査)で普通の国民と変らない残念な現実があります。
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運動不足を感じている人は日常生活の中にトレーニング要素を入れることをおすすめしますが、やるかやらないかだけで、やらない理由は見つけにくいと思います。
****************************<B>【以下転載】</B>****************************
人生後半は病気と共生して生き抜かなければならない。これが現実と理解したほうがいい。治療と管理が必要な病気と共生しなければならない事態になったら、病気治療の職人である医師としっかり付き合うことが肝要である。
人生後半の健康づくりのメインターゲットはメタボリックシンドロームをはじめとする病気ではなく、高いレベルの生活運営能力である「手段的自立」「知的能動性」「社会的役割」であり、国際的な共通認識である。
ところが巷は、健康づくりといえば病気を標的にした手立てばかりである。健康状態の総合指標である余命は、糖尿病や高血圧症など生活習慣病の罹患状況の影響を酌量しても、人間の品性の中核能力である知的能動性によって規定される。
この研究結果は、病気の管理や予防は必要ではあるものの、知的能動性をはじめとする高いレベルの生活運営能力を維持することが、人生後半にとって最も大切な健康目標であることを如実に示している。シニア世代の健康問題を医療技術のみで対処できないのが超高齢社会である。医療技術を進歩させるだけでは、人の健康は守れない時代がきている。
この高いレベルの生活運営能力に障害をもたらす真の原因を見つけ出した研究を紹介しよう。
<B>歩行と老化の関係</B>
超高齢社会の健康施策に寄与・貢献する健康科学の研究は、病気のリスクファクター(危険要因)を探索する研究とは趣を異にする。
地域で元気で暮らしているシニアの方々約1000名(平均年齢70歳)を追跡調査して、約3年以内に軽度の要介護認定を受けるかを予測するための項目を探し出した研究である。
ここでいう軽度の要介護認定とは、ひとりで買い物に行ってはみたものの買った荷物を持ち帰れないために、買い物支援サービスが必要というレベルの障害である。介護保険の「要支援」サービスの対象を指す。生活の総合運営能力である手段的自立が障害が出始めている状態で、同時に知的能動性や社会的役割の能力にも障害が生じていることがとても多い。まさに高次の生活運営能力に障害が出始めた段階である。もっとも施設入所などはまったく必要なく自宅で過ごす生活機能は十分ある。
さて、この状態になることを予測していた調査項目は、「2階までの階段の昇り降りができますか」と「1km休まずに歩き続けられますか(20分間続けて歩けますか)」であった。3年以内に要支援の認定になってしまう危険度は、いずれの項目も「できる」と回答した高齢者グループを基準としたとき、どちらか一方できないと回答した高齢者グループでは男性が7.22倍、女性が2.3倍という結果となった。また、両方ができないと回答した高齢者グループでは、男性は6.14倍、女性は3.28倍となった。
ここで重要なのが、この関係は年齢や脳卒中、心臓病、高血圧、あるいは糖尿病など、いわゆるメタボ対策の病気に罹っているかどうかを十分考慮してもまったく変わらないことである。そして、この関係が誤りである確率は1%未満である。
この2つの質問項目には、からだの老化の進行程度が直接、かつ鋭敏に反映されている。このどちらかができなくなることは、老化が許容限界の範囲を超えたことを意味する。
歩行速度は40歳半ばから遅くなり始める。厄介なのが、最大歩行速度から落ち始めるため、若い頃は気づきにくいという点だ。40代になったら、前を歩く若者を余裕をもって歩いて追い越せるか試してみるとよい。50歳ごろから余裕度はなくなってくる。
<B>老化そのものの脅威</B>
このように、超高齢社会の健康目標である高次の生活運営能力の自立性に障害をもたらす最大の原因は、からだの“老化そのもの”である。気になるメタボのみに目を奪われその手立てをただ足し合わせて健康づくりに励んでも、セカンドライフは楽しい時間にはならないことを銘記すべきである。
老化そのものは今のところ医療技術では制御できないが、老化を遅らせる手段はある。
高齢期の健康指標である地域で元気に暮らすための総合力は、罹っている病気とは無関係にからだの老化そのものによって脅かされることがわかる。とかく関心が向かいがちの病気が犯人ではない。歩行能力は地域で元気に暮らすための十分条件であり、加齢に伴い最も速く歩いたときの速度と普通に歩いたときの速度の差はなくなっていく。
老化とは、人を歩いて追い越せなくなるとても厄介な変化なのである。高齢期の健康づくりの目的は、病気の予防ではなく老化を遅らせることにある。
(出典:ビジネスジャーナル)