健康診断の結果に、性別など新基準範囲 読み解き方は
おはようございます。
ツイてるスマートエイジング実践家・染谷光亨です。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。
健康診断の効果が明らかになってきて心筋梗塞、脳卒中に関しては検診効果はないようです。
公費を無駄にしないように私は検診は数年に一度しか受けませんが、いつもすべてAです。
米国の医学会は自浄作用があって無駄な医療撲滅運動が拡大していますが、日本の医学会は既得権益を守ることには熱心で自浄作用はないようです。
無駄な検診や医療を撲滅できなくても国民医療費を激減させるのは簡単ですが、健康管理を怠り、世界一医療に依存して国民皆保険に甘える国民側も大きな障害になっています。
人間ドック学会が健康診断の判定基準の改訂を発表してから各医療学会、マスコミ、医療現場から患者まで混乱しましたが、いろいろと解説がされています。
また2012年に人間ドックを受けた人は、約316万人で「A(異常なし)」+「B(軽度異常現在心配なし)」を合わせてわずか7.2%でしたが、2013年はさらに悪化して6.8%になりました。
1961年からの国民皆保険制度で発展した日本の西洋医学は国民の健康増進には貢献できていないことがわかりますし、1964年から50年健康増進政策を展開しても国民の健康状態は悪くなる一方という実に情けない厳しい現実があります。
過去の日本の健康増進政策を整理すると、
◆1964年 東京オリンピック
体力つくり国民運動
◆1970年
保健栄養学級の開催
◆1978年
第一次国民健康づくり政策
成人病予防のための1次予防の推進
健康診査の充実
◆1988年
第二次国民健康づくり政策
アクティブ80ヘルスプラン
運動習慣の普及に重点を置いた健康増進事業の推進
◆2000年
第三次国民健康づくり政策
21世紀における国民健康づくり運動 健康日本21
一次予防の重視と健康寿命の延伸、生活の質の向上
・2003年5月
健康増進法施行
・2006年4月
介護保険制度を予防重視へ
・2008年4月
特定健康診査・特定保健指導
5年間の改善成果はわずか0.2%
・2011年4月
スマートライフプロジェクト
健康寿命をのばそう
◆ 2013年
第四次国民健康づくり政策
第2次 健康日本21
健康寿命延伸・健康格差の縮小

・的外れの健康行政
・国民皆保険に甘えてたかる健康オンチな国民
・国民皆保険精度をうまく利用している医療・製薬などの関連産業
などが招いた当然の結果ですが、改善は簡単で日本の健康状態悪化の最大の原因は食・栄養です。
たった1回限りの人生をどう生きるか自分の食事に関わっているほど生きていく上で食べることは決定的に重要ですが、食事の欧米化はさらに進んで脂質摂取が過剰になり、食事がお菓子化しているおかしな国になり、さらに味付けも、食材も甘くなっているので、自業自得の結果としてさらに生活習慣病が増えるのは間違いないです。
また、微量栄養素が足りない新型栄養失調は10年以上前から警告されていましたが、ビタミン・ミネラル不足の栄養素失調死者数は先進29ヶ国中ワースト4位だそうです。
・飽食時代の新型栄養失調 3食きちんと食べても 体だるく、転びやすい
・増えている現代型栄養失調とはどんな状況なのか?
そんなことから国は健康な食事に認証制度を検討しているのでしょう。





そして、食事の外部化も進み、おふくろの味は袋の味に変わっています。
「家庭の味」遺産になる? 手作り減少


食育の重要性を訴えている服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應さんは産経新聞の取材で以下のようにコメントしています。
・食育の重要性は1985年頃に気づいた。
・新入学生に1週間の食事日記を提出させたら悪さにビックリ。
・2年間で変えてやろうと、いろいろやって卒業時にまた調査したらわずか6%しか改善していない。
・栄養士や調理師を目指す学生でこれなのに、試験は出来る
・3~8歳の間が特に重要で、厳しくしつけることが肝心。
子供の運命は常にその母が創る(ナポレオン)
8歳までの食暦と躾が人生を決めてしまうわけですね。

2011年国民健康・栄養調査結果の概要
◆国民健康・栄養調査は1948年以降毎年行なわれているが、有益と思われるデータがないため食事の変化が死亡率の増減にどのように影響を与えたか説明できない。
データも利用できない。日本と世界にとって深刻な損失。
ランセット2011年9月日本特集号
(世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つ 出典:ウィキペディア)
◆日本に決定的に欠けているのは、トップランクの大学に「人間栄養学」がないこと。
このままでは、日本人は栄養を通じて健康を保つことはできないだろう。
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野・佐々木敏教授
◆日本は国民の新しい健康課題に効果的に取り組んでいるように見えない。
国民の健康寿命の最大の危険因子は栄養の偏った食事である。
日本人は長く生きた分だけ病気や障害に苦しむ年数も増大している。
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻国際保健政策分野・渋谷健司教授

1977年に発表され、世界の健康政策の原典と言われているアメリカ上院栄養問題特別委員会報告書(通称マクガバンレポート)によれば世界最高の長寿食は、伝統的日本食です。
食事改善のコツはパン→ごはん、ラーメン→そば、スパゲティ→うどん、ケーキ→まんじゅう、ミルク→豆乳のように、カタカナ食品からひらがな食品にすることで、少しもむずかしくありません。
ごはんは、私は玄米ですが好き嫌いがあるので、白米ともち麦を50~20%に混ぜた麦飯をおすすめします。
おかずは、まごわやさしいさにしてよく噛んで楽しく食べたいものです。
ま:大豆、あずきなど豆類のこと。タンパク質、マグネシウムの摂取に
ご:ゴマ ナッツ クルミ アーモンドのこと。不飽和脂肪酸・ビタミンEの摂取に
わ:わかめ コンブ のりなどのこと。ヨード、カルシウムの摂取に
や:野菜、根菜のこと。ベータカロチン、ビタミンCの摂取に
さ:魚のこと。タンパク質、オメガ3系脂肪酸、亜鉛の摂取に
し: しいたけ、しめじなどきのこ類のこと。多糖類、食物繊維の摂取に
い:じゃがいも、さつまいもなどイモ類のこと。食物繊維、炭水化物の摂取に
さ:サプリメントのこと。欧米では総合ビタミン・ミネラル剤はおかずの一つ
食・栄養を改善して腸内環境を整え、必須栄養素の種類と量を理想に近づけて抗酸化力を高めると体調は劇的によくなるので、喜ばれています。
食 関連フリーページ
食生活の改善 (私がめざしている食生活)
食の提言
食育のすすめ -大切なものを失った日本人-
21世紀の知的健康法
『21世紀の子供を守る食育勉強会』と題したボランティア勉強会
****************************【以下転載】****************************
2014年4月に日本人間ドック学会が発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」が話題に。「基準が緩くなった」と早合点した報道も多く、混乱もしたが、学会はすぐに否定。今回の顛末を、健康づくりに生かすには?
報告書の数値について人間ドック学会は「今後の基準づくりの第一歩となる研究成果。病気の治療は今までどおり医師と相談してほしい」と改めて解説したが、いまひとつ分かりにくい。そもそも基準範囲とは?
病気の予防や早期発見のための基準範囲づくりには、健康な人、病気の人の区別なく膨大な検査データの分析が不可欠。あいち健康の森健康科学総合センターの津下一代センター長は「日本の健診は米国のデータを流用することから始まったが、1961年に久山町研究という大規模疫学調査が始まり、10年ほど前から日本人に合った基準へと見直されてきた」と話す。見直しは今後も継続される。最近はIT技術の進歩で、国内で行われた健診のビッグデータ解析も行われ、今回の“新基準”も約1万5000人の健常者の解析結果の一つというわけだ(図1)。

図1 人間ドック学会では、ドックを受けた約150万人のうち健常者(条件は後述)と判断された約34万人の中から約1万5000人のデータを抽出。その上限と下限に位置する人のデータを排除した95%の範囲を「基準範囲」とした。この範囲内でも将来起こり得る病気の予防が必要な人はおり、特定健診などでは予防医学的な見地からより厳しい基準を設けている(図:人間ドック学会資料より引用改変)
「基準範囲」と特定健診などの健診の「基準値」の差について津下センター長は、「予防医学では10年後にどんな病気を発症しやすくなるかを予測し、生活習慣改善の提案を目的に基準値を定める」と説明。そのため、6年前に始まった特定健診では、糖尿病などメタボリック症候群の予防につながる基準値は、従来より厳しくなった。
では、今回の騒動を私たちの健康づくりに生かすとしたら? 津下センター長は「健診データは自分の財産。正常、異常で一喜一憂するのではなく、体の状態を読み解くデータとして考えてほしい」と話す。
基準範囲内であっても値が大きく変動したときは不調のサインの可能性があるので医師に相談を。また、従来の基準値は成人男子の結果を中心に設定されていたが、今回の結果で男女差、年齢差も明らかになり、考慮された(表、図2)。今後はこうした“差”に対する理解や対応も変わってきそうだ。

表 今回の「基準範囲」で注目したいのは、数値の男女差、年齢差を発表したこと。27項目のうち年齢差も男女差もなかったのは7項目にすぎず、11項目で男女差が、9項目で年齢差があった。こうした視点を健康管理に役立てたい。表の右の基準値は既存の人間ドック学会の「異常なし」の数値

図2 LDLコレステロール値の状況。男女差、年齢差が大きな項目の一つだ。男性の値がゆっくり下降するのに対し、女性の値は更年期が始まる40代から上昇し、閉経を迎える50代に男性を抜く。(データ:循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 平成24年)
津下センター長は「一度きりの人生をどう健康に過ごすか。女性なら、若いころに筋肉を増やしたり、骨を丈夫にしておくことが、閉経後の健康を守ることにつながる。その指標ともなる健診データをもっと積極的に活用してほしい」と話す。
「基準範囲」の発表結果の健康管理への生かし方
1.自分が分布のどこにいるのかを知る
検査値が正常か異常かだけに注目するのではなく、まずは自分が日本人の検査値の分布の、どの辺に位置するかをしっかり受け止める。
2.正常値内でも変化に注目
毎年の結果の変化に注目を。たとえ正常範囲内でも数値の大きな変化は病気のサインの可能性が。かかりつけ医などに相談を。
3.性別、年齢で基準数値が変わることに留意
今回の調査で明らかになった男女差、年齢差に注目を。自分に起こっている変化が、どれぐらい「自然」なのかを知る手がかりにする。
4.正常値内であっても、複数項目の重なり注意を
検査値が正常の範囲内であっても、境界に近い数値の項目が複数あれば早めに生活改善を。
今回の「基準範囲」の対象になった「健常者」の条件は?
1.悪性腫瘍、慢性肝疾患、慢性腎疾患などにかかったことがない人
2.退院後1カ月以上経過している人
3.高血圧、糖尿病、脂質異常症などの薬を常用していない人
4.喫煙していない人
5.飲酒は1合未満の人
今回の基準範囲は“いま健康である人”の範囲を初めて“見える化”したものと考えるといい。今後もデータの積み重ねが必要で、今回の数字は中間発表的な数字。人間ドックの検査基準が、今後この数字になるわけではない。
この人に聞きました
津下一代さん
あいち健康の森健康科学総合センター、センター長。「健診の結果は、病気の早期発見だけでなく、自分が行った生活改善の結果を確かめる『よかった探し』に役立ててほしい。そのことが健康度アップにつながると思います」
(出典:日本経済新聞)
ツイてるスマートエイジング実践家・染谷光亨です。
毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。
健康診断の効果が明らかになってきて心筋梗塞、脳卒中に関しては検診効果はないようです。
公費を無駄にしないように私は検診は数年に一度しか受けませんが、いつもすべてAです。
米国の医学会は自浄作用があって無駄な医療撲滅運動が拡大していますが、日本の医学会は既得権益を守ることには熱心で自浄作用はないようです。
無駄な検診や医療を撲滅できなくても国民医療費を激減させるのは簡単ですが、健康管理を怠り、世界一医療に依存して国民皆保険に甘える国民側も大きな障害になっています。
人間ドック学会が健康診断の判定基準の改訂を発表してから各医療学会、マスコミ、医療現場から患者まで混乱しましたが、いろいろと解説がされています。
また2012年に人間ドックを受けた人は、約316万人で「A(異常なし)」+「B(軽度異常現在心配なし)」を合わせてわずか7.2%でしたが、2013年はさらに悪化して6.8%になりました。
1961年からの国民皆保険制度で発展した日本の西洋医学は国民の健康増進には貢献できていないことがわかりますし、1964年から50年健康増進政策を展開しても国民の健康状態は悪くなる一方という実に情けない厳しい現実があります。
過去の日本の健康増進政策を整理すると、
◆1964年 東京オリンピック
体力つくり国民運動
◆1970年
保健栄養学級の開催
◆1978年
第一次国民健康づくり政策
成人病予防のための1次予防の推進
健康診査の充実
◆1988年
第二次国民健康づくり政策
アクティブ80ヘルスプラン
運動習慣の普及に重点を置いた健康増進事業の推進
◆2000年
第三次国民健康づくり政策
21世紀における国民健康づくり運動 健康日本21
一次予防の重視と健康寿命の延伸、生活の質の向上
・2003年5月
健康増進法施行
・2006年4月
介護保険制度を予防重視へ
・2008年4月
特定健康診査・特定保健指導
5年間の改善成果はわずか0.2%
・2011年4月
スマートライフプロジェクト
健康寿命をのばそう
◆ 2013年
第四次国民健康づくり政策
第2次 健康日本21
健康寿命延伸・健康格差の縮小
・的外れの健康行政
・国民皆保険に甘えてたかる健康オンチな国民
・国民皆保険精度をうまく利用している医療・製薬などの関連産業
などが招いた当然の結果ですが、改善は簡単で日本の健康状態悪化の最大の原因は食・栄養です。
たった1回限りの人生をどう生きるか自分の食事に関わっているほど生きていく上で食べることは決定的に重要ですが、食事の欧米化はさらに進んで脂質摂取が過剰になり、食事がお菓子化しているおかしな国になり、さらに味付けも、食材も甘くなっているので、自業自得の結果としてさらに生活習慣病が増えるのは間違いないです。
また、微量栄養素が足りない新型栄養失調は10年以上前から警告されていましたが、ビタミン・ミネラル不足の栄養素失調死者数は先進29ヶ国中ワースト4位だそうです。
・飽食時代の新型栄養失調 3食きちんと食べても 体だるく、転びやすい
・増えている現代型栄養失調とはどんな状況なのか?
そんなことから国は健康な食事に認証制度を検討しているのでしょう。



そして、食事の外部化も進み、おふくろの味は袋の味に変わっています。
「家庭の味」遺産になる? 手作り減少

食育の重要性を訴えている服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應さんは産経新聞の取材で以下のようにコメントしています。
・食育の重要性は1985年頃に気づいた。
・新入学生に1週間の食事日記を提出させたら悪さにビックリ。
・2年間で変えてやろうと、いろいろやって卒業時にまた調査したらわずか6%しか改善していない。
・栄養士や調理師を目指す学生でこれなのに、試験は出来る
・3~8歳の間が特に重要で、厳しくしつけることが肝心。
子供の運命は常にその母が創る(ナポレオン)
8歳までの食暦と躾が人生を決めてしまうわけですね。
2011年国民健康・栄養調査結果の概要
◆国民健康・栄養調査は1948年以降毎年行なわれているが、有益と思われるデータがないため食事の変化が死亡率の増減にどのように影響を与えたか説明できない。
データも利用できない。日本と世界にとって深刻な損失。
ランセット2011年9月日本特集号
(世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つ 出典:ウィキペディア)
◆日本に決定的に欠けているのは、トップランクの大学に「人間栄養学」がないこと。
このままでは、日本人は栄養を通じて健康を保つことはできないだろう。
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野・佐々木敏教授
◆日本は国民の新しい健康課題に効果的に取り組んでいるように見えない。
国民の健康寿命の最大の危険因子は栄養の偏った食事である。
日本人は長く生きた分だけ病気や障害に苦しむ年数も増大している。
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻国際保健政策分野・渋谷健司教授
1977年に発表され、世界の健康政策の原典と言われているアメリカ上院栄養問題特別委員会報告書(通称マクガバンレポート)によれば世界最高の長寿食は、伝統的日本食です。
食事改善のコツはパン→ごはん、ラーメン→そば、スパゲティ→うどん、ケーキ→まんじゅう、ミルク→豆乳のように、カタカナ食品からひらがな食品にすることで、少しもむずかしくありません。
ごはんは、私は玄米ですが好き嫌いがあるので、白米ともち麦を50~20%に混ぜた麦飯をおすすめします。
おかずは、まごわやさしいさにしてよく噛んで楽しく食べたいものです。
ま:大豆、あずきなど豆類のこと。タンパク質、マグネシウムの摂取に
ご:ゴマ ナッツ クルミ アーモンドのこと。不飽和脂肪酸・ビタミンEの摂取に
わ:わかめ コンブ のりなどのこと。ヨード、カルシウムの摂取に
や:野菜、根菜のこと。ベータカロチン、ビタミンCの摂取に
さ:魚のこと。タンパク質、オメガ3系脂肪酸、亜鉛の摂取に
し: しいたけ、しめじなどきのこ類のこと。多糖類、食物繊維の摂取に
い:じゃがいも、さつまいもなどイモ類のこと。食物繊維、炭水化物の摂取に
さ:サプリメントのこと。欧米では総合ビタミン・ミネラル剤はおかずの一つ
食・栄養を改善して腸内環境を整え、必須栄養素の種類と量を理想に近づけて抗酸化力を高めると体調は劇的によくなるので、喜ばれています。
食 関連フリーページ
食生活の改善 (私がめざしている食生活)
食の提言
食育のすすめ -大切なものを失った日本人-
21世紀の知的健康法
『21世紀の子供を守る食育勉強会』と題したボランティア勉強会
****************************【以下転載】****************************
2014年4月に日本人間ドック学会が発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」が話題に。「基準が緩くなった」と早合点した報道も多く、混乱もしたが、学会はすぐに否定。今回の顛末を、健康づくりに生かすには?
報告書の数値について人間ドック学会は「今後の基準づくりの第一歩となる研究成果。病気の治療は今までどおり医師と相談してほしい」と改めて解説したが、いまひとつ分かりにくい。そもそも基準範囲とは?
病気の予防や早期発見のための基準範囲づくりには、健康な人、病気の人の区別なく膨大な検査データの分析が不可欠。あいち健康の森健康科学総合センターの津下一代センター長は「日本の健診は米国のデータを流用することから始まったが、1961年に久山町研究という大規模疫学調査が始まり、10年ほど前から日本人に合った基準へと見直されてきた」と話す。見直しは今後も継続される。最近はIT技術の進歩で、国内で行われた健診のビッグデータ解析も行われ、今回の“新基準”も約1万5000人の健常者の解析結果の一つというわけだ(図1)。
図1 人間ドック学会では、ドックを受けた約150万人のうち健常者(条件は後述)と判断された約34万人の中から約1万5000人のデータを抽出。その上限と下限に位置する人のデータを排除した95%の範囲を「基準範囲」とした。この範囲内でも将来起こり得る病気の予防が必要な人はおり、特定健診などでは予防医学的な見地からより厳しい基準を設けている(図:人間ドック学会資料より引用改変)
「基準範囲」と特定健診などの健診の「基準値」の差について津下センター長は、「予防医学では10年後にどんな病気を発症しやすくなるかを予測し、生活習慣改善の提案を目的に基準値を定める」と説明。そのため、6年前に始まった特定健診では、糖尿病などメタボリック症候群の予防につながる基準値は、従来より厳しくなった。
では、今回の騒動を私たちの健康づくりに生かすとしたら? 津下センター長は「健診データは自分の財産。正常、異常で一喜一憂するのではなく、体の状態を読み解くデータとして考えてほしい」と話す。
基準範囲内であっても値が大きく変動したときは不調のサインの可能性があるので医師に相談を。また、従来の基準値は成人男子の結果を中心に設定されていたが、今回の結果で男女差、年齢差も明らかになり、考慮された(表、図2)。今後はこうした“差”に対する理解や対応も変わってきそうだ。
表 今回の「基準範囲」で注目したいのは、数値の男女差、年齢差を発表したこと。27項目のうち年齢差も男女差もなかったのは7項目にすぎず、11項目で男女差が、9項目で年齢差があった。こうした視点を健康管理に役立てたい。表の右の基準値は既存の人間ドック学会の「異常なし」の数値
図2 LDLコレステロール値の状況。男女差、年齢差が大きな項目の一つだ。男性の値がゆっくり下降するのに対し、女性の値は更年期が始まる40代から上昇し、閉経を迎える50代に男性を抜く。(データ:循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 平成24年)
津下センター長は「一度きりの人生をどう健康に過ごすか。女性なら、若いころに筋肉を増やしたり、骨を丈夫にしておくことが、閉経後の健康を守ることにつながる。その指標ともなる健診データをもっと積極的に活用してほしい」と話す。
「基準範囲」の発表結果の健康管理への生かし方
1.自分が分布のどこにいるのかを知る
検査値が正常か異常かだけに注目するのではなく、まずは自分が日本人の検査値の分布の、どの辺に位置するかをしっかり受け止める。
2.正常値内でも変化に注目
毎年の結果の変化に注目を。たとえ正常範囲内でも数値の大きな変化は病気のサインの可能性が。かかりつけ医などに相談を。
3.性別、年齢で基準数値が変わることに留意
今回の調査で明らかになった男女差、年齢差に注目を。自分に起こっている変化が、どれぐらい「自然」なのかを知る手がかりにする。
4.正常値内であっても、複数項目の重なり注意を
検査値が正常の範囲内であっても、境界に近い数値の項目が複数あれば早めに生活改善を。
今回の「基準範囲」の対象になった「健常者」の条件は?
1.悪性腫瘍、慢性肝疾患、慢性腎疾患などにかかったことがない人
2.退院後1カ月以上経過している人
3.高血圧、糖尿病、脂質異常症などの薬を常用していない人
4.喫煙していない人
5.飲酒は1合未満の人
今回の基準範囲は“いま健康である人”の範囲を初めて“見える化”したものと考えるといい。今後もデータの積み重ねが必要で、今回の数字は中間発表的な数字。人間ドックの検査基準が、今後この数字になるわけではない。
この人に聞きました
津下一代さん
あいち健康の森健康科学総合センター、センター長。「健診の結果は、病気の早期発見だけでなく、自分が行った生活改善の結果を確かめる『よかった探し』に役立ててほしい。そのことが健康度アップにつながると思います」
(出典:日本経済新聞)