このページは以前に [45) この病気を周りに説明するには 2 ] の一部として記した内容を、作図を追加して新たなページとして分割したものです(2024/05/18)。
[ 45) この病気を周りに説明するには 2 ] の続きとなります。
LP(レイトポテンシャル)値
(心室内遅延電位)
前頁にて記しました 『脱分極異常』 が発生する部位はブルガダ症候群の場合は 『右室流出路』 という所が最も多いそうです。私もEPS検査の際心室細動が起きたのは 『右室流出路』 と確認されました。
『右室流出路』 とは
心臓の右室から肺へ血液を送る
肺動脈の心臓側。
心臓の血液の流れをこの『右室流出路』 を出発点とすると、血液は肺に入って酸素をいっぱいもらって『左房』にもどり『左室』の力で全身へ送られ、酸素を消費した血液が静脈を流れて『右房』へ戻り『右室』の力でまた酸素を取りに肺へ向かうと言う流れのようです。
この『右室流出路』の位置が
12誘導心電図で言う
V1・V2 あたりなので
ブルガダ症候群特有の心電図型が
ここで捉えられると言う事。
人によって心臓の位置はちがうので
心臓の位置が高い人は
通常より一肋間上げたあたりに端子をつけると
はっきりと確認できるそうです。
そしてこの 『脱分極異常』 を引き起こす
電気の流れの遅延は
12誘導ホルター心電図の
レイトポテンシャル(LP)解析
(加算平均心電図解析)
にて確認が出来るそうで、
私の場合このLP値が
夕刻8時過ぎごろから上がり始めて
夜中の2~3時をピークにして
4~5時ごろ正常値に戻っている
というグラフを見せていただきました。
LP値(心室内遅延電位)が陽性とは
電気の流れが遅い部位が
心筋内のどこかに存在してるよ
と言う指標だそうです。
ただしその部位の特定はEPS検査となります。
しかしこのページで記したいことは
通常の健康診断では一肋間を上げての心電図検査は行われない事。ブルガダ症候群をもち、さらに心臓の位置が高い人は一般の検診ではコーブド型は発見されにくい。検診でコーブド型を捉えられると言う事はむしろ運が良いと言う事かもしれません。
次回は このコーブド型を捉えられるかどうかのお話を綴ってみたいと思います。
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毎度になりますが、上述の記事は全て『私の解釈』 となります。間違ったとこや足りないとこがあると思います。どうか正確な情報は先生なり文献なりでお求めください。
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長い文章にお付き合いいただき本当にありがとうございます。
参考にした文献・サイト
埼玉不整脈ペーシング研究会 「発熱時のブルガダ様心電図変化」
Internal Medicine「発熱により誘発されたブルガダ症候群イベント」