7月18日 ベルの最期の日。
彼の私たちへの最期の気遣いのお話です。
****** 2022年7月18日 ******
月曜日(祝) 天気は晴れ
18日の朝 おかーさんの膝の上で・・・
昨日までの雨もあがり晴れ間が見えてきました。こよみは祝日。朝10時頃にはデッキも乾いてきたので、パラソル広げてキャンピングテーブルとイスを出して
! 『おうちでピクニック』 !
ほぼ目を閉じた状態で力なく伏せている。でもさいわいなことに咳もなく呼吸も整っているのでとても静かな寝顔。それだけが救いでした。
何をするでもなくただベルと一緒の時間を過ごしたい。あわよくばこの時間が明日も来月も来年も永遠に続いてほしいとの思いを抱いてしまいました。
午後には部屋に入りましたが、窓の外を眺める感じで同じ姿勢のまま過ごしていました。やっぱり目だけででもお庭のパトロールをしたいのでしょう。
庭に咲くベルの大好きなラベンダーの花
妻がドライフラワーにして窓の外につるしてみました。
ベルはお花をクンクンするのが大好き!
でも今思うに花の香を楽しんでいるのではなく
そこに集まる虫君達と遊びたかったのかもしれません。
庭のラベンダーに集まるハチ君たち
6月、結石手術の抜糸後にデッキで 「クンクン!」
寝返りをうてないので体が熱くなるのでしょう。たまに手足の関節を伸ばそうとしているので、ベルを抱えて反対向きに体を返してあげて・・・・・・
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そんなベルが夕方4時頃、突然体を動かして必死に立とうとしている!!!!!でも思うようにならない。腰が立たないので前足立ち状態で窓の方を見ている。慌てて近寄って体をもちあげてやると窓の方へ体を進める。どうも庭に出たいらしい。抱えて出してあげた。
立っているだけでも体がふらふらしている。そのまま様子を見ていたら、お仕事(うんち)をしたくて庭に出たのがわかった。でもこの数日間はほぼ何も口にしていなかったのでもうお腹の中には出すものなど何もないはず。それにそれほどの力ももう残ってないはずなのに。
とにかくお仕事終わってすっきりしたのでしょう。2歩程前に足を運んだのですが、やはりもう体がふらついて危ないので抱えて部屋にもどりました。
後に思ったことですがこのお仕事の時すでに死を悟っていたのでしょう。逝くときに部屋を汚してはいけないと思い最後の力でお仕事をしてくれたのだと思います。どこまでも私たちに気を使ってくれていました。
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そしてまた伏せて
目を閉じて・・・・・・・・・
たまに顔の向きを変える時に目を開けるのですがまた同じように伏せて・・・・・
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5時半ごろ妻が夕飯の支度をしようと立ち上がって台所へ行くとそれを待っていたかのように目をあけて妻の方をずっと見ている。
ストーカーベル健在!
妻がもっとよく見えるところへベルの体を移動させてあげました。目だけはしっかり妻をロックオン!まだ意識ははっきりしているのでしょう。
午後7時少し前
妻がゴハンの支度が出来たことを居間にいた私に告げに来てテーブルをふく布を私が受け取った時妻も私も一瞬ベルが視界から消える体勢になりました。
その瞬間おやつをおねだりする時の「ク~んク~ん」という鳴き声を二人とも耳にしました。あわてて振り返ってみると、目をとじながらも鳴き声だけあげているベルがいました。
あわてて二人ともベルに近寄りましたがもうその鳴き声も弱々しくなり大きく息をする状態でした。
ついにその時が来てしまったことを悟りました。
妻が抱きかかえ私も顔を支えてみましたが、もう体の力が全て抜けていました。一度だけ目を一瞬薄く開けましたがそれを最後にお母さんの胸に顔をうずめるようにして息をひきとりました。
妻が何度も絶叫していた言葉
「もう行っちゃうの!もう行っちゃうの!」
「もう少しもう少し・・・」 が
ベルがこう言っているように聞こえて
なりませんでした。
「僕、もう行くね!」
「かーちゃん」
「とーちゃん」
2022年7月18日午後7時ちょっと前
13歳と7ヶ月
ベルはワンコの国へたびたちました。
調理が終わり居間に来る妻をベルは待っていたのでした。しかも3連休の最終日。平日は二人ともいない日が週3日はあるので、ベルひとりお留守番はどうしようかと話していました。これもベルに気を使わせる結果となってしまったかもしれません。
昨年来の私自身の病気の対応でベルへの対処が遅れてしまったことに対してもベルは大きな気遣いをしてくれました。私の夜の発作を防ごうとしてくれたこと、疾病要因免停の解除を待って逝ってくれたこと、彼の最期のお仕事のこと、逝くタイミングのこと。単に私の思い込みなのですがそれでもベルは何かを私たちに言いたかったのでしょう。彼は本当に最期まで私達に気を使いながら自分の人生を全うしました。
亡くなる3時間前のベル。
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カメラ目線だけは忘れてない・・・
三連休初日の朝不思議な出来事が。バッテリーの寿命で十年近くほうっておいたソニーの一眼レフカメラがなぜか充電が復活。広角望遠ズームが特にお気に入りの機種。そんなに撮ってほしかったのかい?
本日(12月17日)朝、本当の意味でベルとお別れをする時と思い以前にお葬式をあげていただいたお寺の動物合祀塔へベルの遺骨を納めてまいりました。
彼の誕生日は12月15日、どうしても14才の誕生日を自宅で三人で迎えたくて最後の我がままをベルにお願いして今日までいてもらいました。
2021年12月15日 ベル13才の誕生日
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「今切るからね」
「なんでもいいから早くしてよ~~~!」
「ちょ~っとまってて!」
この13年間
ベルと一緒に過ごした
キラキラとした時間が
私たちの大きな宝物です。
皆様にはこんなベルの物語にお付き合いいただき本当にありがとうございました。折に触れ励ましやお心遣いをいただきまして、感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ最後に私人間の勝手なたわごとと知りつつのおはなしです。
今回ベルには2回の大きな手術をしてもらいましたがその彼の頑張りのおかげで最後の3日はとても穏やかな時間をすごせました。ケンの時は全身のリンパ腫癌だったので手の施しようがありませんでした。最後の一週間は 「もういいよ。もう楽になってくれ」 と言ってあげたほど苦しんでいました。ベルに肺腺癌の病巣が残ったままだったらあのむせるような惨い咳で辛かったことでしょう。結石の手術をしなかったら尿毒症・敗血症により高熱をだして苦しんだことでしょう。それだけでも彼が楽になってくれたことが私たちの唯一の慰めです。
あの二度の大手術を
乗り越えてくれたことこそが
彼の一番の心遣いだったことを
ベルがいなくなった今感じています。
ベルには本当に感謝しかありません。
皆様
短い期間ではありましたが
ベルのお話にお付き合いいただきまして
本当にありがとうござうました。
このあたりでベルの物語を終わりにいたします。
でも今後の記事の中でたまに顔をだした時には
また遊んでやって下さい。
ありがとうございました。
そして今
静かに病気と闘っている全ての仔たちが
大好きなご家族との楽しい生活を
一秒でも永くおくれるよう
お祈りいたします。
ベルより 
ケンより 









