最近、アメリカで脳科学研究をされている日本人の先生と出会い、その方の講座に参加しています。
驚いたのは、私がこの講座で大切にしている「身体の声が聴けるようになる」というテーマを、その先生も非常に重視されていたこと。
そして、そこで語られていたのが「内受容感覚(interoception)」という概念でした。
内受容感覚とは?
内受容感覚とは、「身体の内部状態を感じ取る感覚」のことです。
心拍、呼吸、消化、体温、血糖値など、私たちの体内で起きている生理的な変化を脳が感知し、意識的または無意識的に認識するしくみです。
この感覚が高まることで、自分の身体を“スキャン”するように状態を把握できるようになります。
そして、それは心身の健康、感情の安定、社会的なつながりにおいて、非常に大きなメリットをもたらします。
内受容感覚が高いことによる主なメリット
1. 自分の体調や感情に気づきやすくなる
- 心拍、呼吸、胃腸の動きなどの変化に敏感になり、「今の自分の状態」を正確に把握できる。
- 体調の変化に応じて行動を調整できる(例:「今日は疲れているから早めに休もう」など)。
2. 感情の認識と調整がしやすくなる
- 感情は身体的変化(心拍の上昇、呼吸の乱れなど)と密接に関係している。
- 内受容感覚が高い人はその変化に気づきやすく、セルフケアや呼吸法などで感情を調整しやすくなる。
3. 社会的な共感力が高まる
- 他人の表情や視線に対する「表情模倣」が起こりやすくなる(例:他人の笑顔につられて笑う)。
- アイコンタクトや非言語的なコミュニケーションに敏感になり、対人関係が円滑になる。
4. 意思決定や直感的判断に役立つ
- 内受容感覚は「ソマティックマーカー仮説」にも関係し、身体の感覚が意思決定の質を高めるとされる。
- 例:「この人とは安心して話せる」「この選択はなんとなく違和感がある」といった直感的判断の精度が上がる。
5. 健康管理や生活習慣の改善に役立つ
- 食事、運動、睡眠などの生活習慣に対する身体の反応を感じ取りやすくなる。
- 体調の変化に応じて行動を調整することで、生活習慣病やストレス関連疾患の予防・改善につながる。
最後に
内受容感覚が高いことは、単なる「感覚の鋭さ」ではありません。
それは、自分自身と深くつながり、心と身体の声に耳を傾ける力です。
この力を育てることは、回復や癒し、そして人とのつながりを豊かにする土台になります。
ぜひ、日々の中で「自分の身体を感じる時間」を持ってみてください。
呼吸、心拍、感情の揺れ──それらはすべて、あなたの内側からのメッセージです。
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