2023年度の東京都の新採用教員の4.9%が1年目で退職したそうです。

 

 

 

ちなみに1年前のデータですが、厚労省の出している新規学卒者の離職状況によると、1年目の離職者は全体の12%ということなので、教員は全体の半分以下の離職率ということになります。

 

 

 

終身雇用制度が崩壊しつつある現代において、転職という選択肢が以前より一般的になっていっていることもあり、離職率が上昇すること自体は自然なことかなと思います。

 

しかし、離職がステップアップなどの、本人にとってポジティブな理由であればよいですが、今回の東京都の教員の例では離職理由の約半数が「病気」となっています。

 

病気にも色々ありますし、内訳は分かりませんが、職場環境が原因で病気になってしまったケースは少なからずあると思います。

こうした離職については、職場の環境改善によって防げたものもあったのではないでしょうか。

 

 

これは、「人権」と「経営」の2つの面で問題があると言えます。

 

 

人が人によって追い詰められ、ネガティブな要因で離職に追い込まれるようなことがあれば、それは「人権」問題です。

また、人材を生かすことができない、”人を選ぶ職場”であるとしたら、経営手腕に問題があります。人材は無限ではなく、むしろ今は人手不足ですから、人を選びすぎる職場は経営が立ち行かなくなります。

 

そして学校について言えば、その被害を被るのは最終的には子どもたちになるわけです。

 

 

離職者のデータは経営改善にとって大変貴重なものです。これを「近頃の若者は・・・」

という話で終わらせるのではなく、要因分析をして、職場の環境改善にしっかりと繋げていかなければ、人材不足による破綻を迎える可能性もあるということを意識していってほしいと思います。

 

 

引用>

条件付採用教員のうち、正式採用とならなかった人の割合は、19年度は3.7%、20年度は2.8%、21年度は4.2%、22年度は4.4%、23年度は4.9%と推移しており、過去5年間の中で最も高く、3年連続で増加している。

 169人の内訳は「年度途中の自己都合退職者等」が最も多く159人。そのうち約半数は病気が理由で、約3割が転職、約2割が介護などその他の理由だった。