奈須さんの言葉がすべてだと思います。

 

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奈須正裕座長代理(上智大学教授)は「状況の変化に伴って上乗せしなければならないものが出てくると、カリキュラム・オーバーロードの問題が出てくる。情報活用能力の育成に(週1時間で)年間35時間の授業時数を充てることは決して法外な量ではない。ただ、そのときに既存のカリキュラムも従来のやり方でやる必要があるのかを考える必要がある。カリキュラム全体で何を実現するのかという目的合理性に沿って、教育課程全体を見直す時期がきている」と指摘し、情報活用能力の時間を特設する場合には教育課程全体のスクラップ・アンド・ビルドを考える必要があるとの見解を示した。<

 

 

 

教育新聞の記事は「情報活用能力の育成、教育課程にどう盛り込むか 文科省検討会」

というタイトルですが、各論として「〇〇教育が大切だ」という主張そのものは理解できるものの、それを言い出すと大切なものだらけで、授業時間も教員の授業準備や授業の質もパンクしてしまいます。

 

こうした「カリキュラムオーバーロード」にならないように、優先順位と劣後順位をつけていく必要がありますが、どうしてもスクラップが進みません。

 

結果として、授業時間を5分短縮して時間を生み出そうとか、従来の教科の中に盛り込もうといった方法で詰め込まれていきます。

でも、このようなやり方では限界がありますし、既に毎日朝から夕方まで勉強しっぱなしの子どもたちにとって、学校は本当に豊かな時間を過ごす場になっているのかどうか、よく考える必要があります。

 

教育基本法には「人格の完成を目指して〜」とありますが、子ども基本法には「幸福な生活を送ることができる社会の実現」とあります。

 

 

学校で過ごす時間が、成長に繋がるかどうかという視点と同じように、子どもたちが幸福であるかどうかもしっかりと考えて、学校教育を設計する必要がありますね。