マスターカード、オンライン取引におけるカード番号入力の廃止に注力(24年8月31日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
原題:Mastercard Wants to Get Rid of Card Numbers for Online Shopping(抜粋)
記事(Aisha S Gani)
(1)
- マスターカード、トークン技術の活用を拡大-インドでサービス開始
- オンライン決済での不正行為、28年までに910億ドルを超えると予想
(2)「消費者のカード番号をトークンに置き換え、カード番号を入力しない取り組みを拡大」
米決済処理ネットワーク大手マスターカードは、クレジットカードの不正使用防止に向け、顧客がオンラインで買い物をした際にカード番号を入力しないようにする取り組みを拡大している。
消費者のカード番号をいわゆるトークンに置き換える技術を最初に発表してから10年、マスターカードは現在、この技術を活用した取引を毎週10億件処理していると、マイケル・ミーバック最高経営責任者(CEO)はインタビューで語った。
写真 マイケル・ミーバックCEOSource: Bloomberg
(3)「パスワードのようなセキュリティー手段を指紋や顔のスキャンに置き換える」
ミーバック氏によれば、マスターカードは現在、パスワードのようなセキュリティー手段を指紋や顔のスキャンに置き換えるため、この技術の活用を拡大することを計画している。
金融業界はオンライン決済における不正行為の問題への対応を続けており、マスターカードの取り組みもその一環だ。オンライン決済での不正行為は2028年までに910億ドル(約13兆3000億円)を超えると予想されている。
「パスワードは効果的なセキュリティー対策ではなく、弱点になり始めた」と述べた。
(4)「店舗での不正使用は減少、電子商取引サイトが不正のターゲット」
アップルペイなどの決済サービスの普及もあり、店舗での購入における不正使用は減少した。一方で現在は、消費者が購入の際にカード情報を手動で入力する必要のある電子商取引サイトが不正のターゲットとなっている。
(5)「ワンタイムパスワードがハッカーの標的」
またセキュリティー対策としてワンタイムパスワードを使用することの多いインドなどのウェブサイトがハッカーの標的となるケースも増えている。
ワンタイムパスワードは小売企業や銀行が消費者の身元を確認するために送信するものだが、ミーバック氏によれば、この方法は脆弱(ぜいじゃく)性が高まっているという。
(6)「ワンタイムパスワードを消費者の生体情報に基づくトークンに置き換える」
マスターカードは世界の金融機関や決済業者と提携し、ワンタイムパスワードを消費者の生体情報に基づくトークンに置き換える。インドでは今週、このサービスが導入された。
マスターカードは、欧州では2030年までに全ての電子商取引がトークン化されるとの見通しを発表している。
原題:Mastercard Wants to Get Rid of Card Numbers for Online Shopping(抜粋)