(2月)「少子化は偶然ではない」 仏紙ル・モンド、韓国のノーキッズゾーンを批判(24年2月25日 朝鮮・中央日報日本語版無料電子版)

 

記事

  

▲ソウル市内にある「ノーキッズゾーン」カフェと飲食店。/朝鮮DB

 

(1)要点

少子化問題が深刻な韓国で「ノーキッズゾーン(No Kids Zone、子どもお断り)」が広がりを見せる中、こうした現状を批判的に見詰める海外メディアの報道が飛び出した。

 

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(2)「韓国は子どもがいるだけで疲れてくる 少子化は必然だ」ル・モンド

1)フランス紙「ル・モンド」は19日(現地時間)「韓国社会が少子化にあえいでいるのは偶然ではない。子どもがいるということだけでも疲れてくるからだ」として、韓国の「ノーキッズゾーン」を紹介した。

 

2)同紙は、

  済州研究院が昨年5月に発表した資料ではノーキッズゾーンが韓国全土に542カ所、

  ネットユーザーがグーグルマップで検索したノーキッズゾーンも459カ所

あると報じた。

 

3)その上で「人口が減少している国で、このような現象は心配だ」とつづった。

 

4)「集団間の排除、他人に対する理解を拒否する傾向が強まっている」(韓国中央大のイ・ミンア社会学科教授)の分析を紹介。

 

(3)

1)韓国にノーキッズゾーンができ始めたのは2010年代初め

 

2)ノーキッズゾーンができた理由

  店の中で安全事故が発生すれば、店側の責任になってしまうという、企業の法的責任に関連していると説明。

 

3)「ホテルや飲食店などで子ども関連の事故があると、ほとんど会社の管理責任者が有罪に」

同紙は韓国消費者院の調査結果として、2018年から23年にかけて、ホテルや飲食店などで子どもに関連する事故が2943件発生し、ほとんどの管理者らが有罪判決を受けたと紹介した。

 

4)「飲食店で、熱湯を運んでいた店員とぶつかった10歳の子どもがやけど」

その上で、11年に釜山市内の飲食店で、熱湯を運んでいた店員とぶつかった10歳の子どもがやけどを負い、裁判所が飲食店オーナーに対し4100万ウォン(約460万円)の賠償金を被害児童に支払うよう命じる判決を下したことを例として挙げた。

 

(4)「高級日本食店で、騒いだり食べ物を投げたりする子どもが多かったのでノーキッズゾーンにした」

同紙は、ソウル市内の高級日本食店のオーナーが自身の店をノーキッズゾーンに変更した理由についても紹介。

このオーナーは「以前は乳幼児用の椅子を置いていたが、子どもたちが騒いだり食べ物を投げたりするなど問題があまりにも多かった」として「そのような振る舞いは、高い料金を払ってそれに見合ったサービスを期待する他のお客さまに迷惑となる恐れがある」とコメントした。

 

(5)「子どもの面倒をまともに見られない親の入店禁止の店も」

ル・モンドは、韓国社会でノーキッズゾーンの運営を巡って論争が起きていることも紹介。

「営業の自由」と「子ども差別」という意見が対立している現状を説明した。

その上で、一部の飲食店はノーキッズゾーンの代わりに、「子どもの面倒をまともに見られない親」の入店を禁止するという意味で「悪い父母の入店禁止」といいう表現を使っていることも紹介した。

 

(6)ル・モンドのまとめ

同紙は「ノーキッズゾーン現象は、さまざまなカテゴリーの集団にレッテルを貼る幅広い動きの一つだ」と指摘。

その上で、特定層の入場制限が「カコン族(カフェで勉強する人たち)」や高齢者層まで拡大しているとして「こうした現象は、互いに対する理解や世代間の交流増進にとって役に立たない」と続けた。

 

キム・ジャア記者

 

<私見:

ル・モンドも記事は必ずしもフランス人いっぱんのかんがえとも思えない。いま、フランスには海外から移住してフランス人になった人が大勢います。

だから「フランス人」といっても「出自」はまちまちで、フランスの個人主義や家父長制家族などが共存するフランス文化の中で育ったフランス人と、フランスで個人主義だけを目当てに移住してきたフランス人がいるはずです。

その結果、今回の五輪の開会式の出し物を「ヘンだ」と思わないのが「フランス人」的だと思われてしまいます。

まあ、フランス人の個人主義には「人と違うことに価値がある」という面もありますけど。

 

この新聞記者の「出自」は判りませんが、家庭のしつけの問題を無視して「相互理解や世代間交流」など「多様性」につなげることで「価値がある記事」になるという思考方法を学んできたと思います。

つまり子供は産まれた瞬間から親の責任のない世界に放り出される世界を「進歩的」とみているように思われます。

これは国連の「子ども権利条約」の不確かな理解のためだと思います。