「韓国ドラマを見た罪」 北朝鮮、中学生約30人を公開処刑【独自】(24年7月12日 朝鮮日報日本語版無料電子版)

 

記事【TV朝鮮】(アンカー)

 

(1)序

北朝鮮当局は、対北ビラのUSBメモリーに収められていた韓国ドラマを見たという理由で、中学生およそ30人を先週公開処刑しました。

先月には高校生に相当する年齢の青少年およそ30人に無期懲役や死刑を言い渡していましたが、それほどに北朝鮮の青少年の人権はひどいということを、ありありと示しています。ホン・ヨンジュ記者の独自取材でお伝えします。

 

リンク【資料写真】北朝鮮の公開裁判

 

(2)(記者リポート)

 脱北者団体が先月、大型風船を飛ばしている様子です。

ビラと共に韓国ドラマを保存したUSBメモリーも収めましたが、北朝鮮が最近、重い処罰に乗り出したことが分かりました。

韓国政府当局の関係者は「風船からUSBメモリーを拾ってドラマを視聴し、摘発された中学生およそ30人が、先週公開処刑されたことをつかんだ」と伝えました。

 

(3)先月、同じような理由で無期懲役や死刑の宣告を受けた青少年は17歳前後でしたが、今度は中学校に通う年齢の青少年およそ30人が処刑されたのです。

 

(4)(統一部北朝鮮人権映像報告書)

 「あっという間でした。(バン! バン!) 昔であれば教化刑(懲役)1年だったのに、処罰の水準に驚きました」

 

(5)脱北団体が海に浮かべて送り込む「コメのペットボトル」にも、北朝鮮は神経質な対応を見せました。

韓国政府当局の関係者は「ペットボトルを拾ってコメを炊いて食べたという理由で、一部の住民が労働教化刑を受けた」と伝えました。

 

(6)北朝鮮は、対北ビラを通して新型コロナウイルスが流入したとして「発見即焼却」という金正恩(キム・ジョンウン)の指示まで伝えましたが、困難な食糧事情のため、きちんとコントロールされていない状況です。

 

(7)(チャン・セユル/「同族の魂」統一連帯代表)

 「北朝鮮住民全てを殺すことはできない。チャンマダン(闇市)世代が今、(外部情報を)追い求めている状況なので、もう防ごうとしても無理なのではないか」

北朝鮮の極端な恐怖統治にもかかわらず、「チャンマダン世代」と呼ばれる若者層の抵抗は続くだろうとの見方が出ています。TV朝鮮、ホン・ヨンジュがお伝えしました。

 

(2024年7月10日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版

 

 

240発の銃弾で散った肉片を戦車で轢き火炎放射器で焼いた2012年

■「240発の銃弾で身体のみるかけもない遺体をタンクで踏みつぶし火炎放射器で焼き尽くした」

【萬物相】公開処刑を見物させられる北朝鮮の子どもたち(2019/06/30 朝鮮日報日本語版)

 

 

  

 

記事

 

(1)要点

2012年夏のある日の午後、平壌の外れにある姜健総合軍官学校の校庭に平壌市内の大学生たちが集められた。

しばらくすると、目隠し状態で胸に大きな名札を付けた約10人の芸術団員が引かれてきた。

軍人たちが団員たちを一人ずつ木の杭に縛り付けると、すぐに裁判が始まった。「これらの団員は、性に関する動画を視聴し、それを再演する映像を作って流布した。人民の名で処刑する」

 

(2)「240発の銃弾で身体のみるかけもない遺体をタンクで踏みつぶし火炎放射器で焼き尽くした」

高射銃を積んだ車がこれら団員たちの40メートル前方で止まった。「撃て」という合図とともに、口径14.5ミリの四つの銃身が一度に火を噴いた。

銃身一つにつき60発ずつ、一人当たり240発が撃ち込まれたことになる。

処刑が終わると、「このような民族反逆者たちを埋葬する場所など共和国内には存在しない」という言葉とともに、すでにもともとの状態をとどめていない遺体をタンクで踏みつぶした後、火炎放射器で焼き尽くした。当時この現場を目撃していた北朝鮮の大学生が証言した公開処刑のシーンだ。

 

(3)ある国際人権団体が脱北者610人を対象にインタビューを行い、北朝鮮の323カ所に上る公開処刑場を公開した。

咸境道が200カ所と最も多く、平壌にも4カ所存在していることが分かった。

見物人は数百人から多いときで1000人。見物人の最前列には小学生、その後には中・高生、最後列には一般の住民が並ぶという。

脱北者のうち83%が公開処刑を直接見たことがあると回答したほか、見物当時の年齢が7歳だったと答えた脱北者もいた。

 

(4)北朝鮮の一般的な公開処刑では、死刑囚一人につき射撃手3人が3発ずつ計9発を撃つ。

死刑囚の口の中には石や金属などを入れることで、一言も話すことができないようにする。

家族は必ず現場に来なければならないが、悲しんだり泣いたりすれば、この家族も反逆者として処罰される。

むしろ「なぜこいつは党を裏切ったのか」と批判しなければならない。

処刑された死体は家族に返されることはなく、適当に埋葬される。2005年にこうした公開処刑のシーンがひそかに録画され、全世界に公開されてからは、住民たちの携帯電話を全て提出させているという。

当時の動画でも、多くの子どもたちが見物させられている姿が目だった。

 

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員