万博11館、月内めどに移行・撤退判断へ 建設業者未定の国 協会、敷地返還要請も(24年6月26日 日本経済新聞電子版)

 

記事

 

(1)要点

パビリオンの建設遅れなど、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)開幕に向けた課題が山積する中、「国際参加者会議(IPM)」が25日、奈良市で始まった。

建設事業者がなお決まらない11カ国は月内にも出展形式の移行や撤退判断の物理的な期限を迎える。

日本国際博覧会協会は7月以降の敷地返還要請も視野に入れ、準備を加速する考えだ。

 

 

(2)参加国が独自でパビリオンを建てる「タイプA」

当初約60カ国が計画していたが、資材価格や人件費の高騰を背景にゼネコンとの交渉が難航。25日にはアルメニア、イスラエル、パキスタンの3カ国が辞退し、協会が建設した施設を複数国で使う共同利用型「タイプC」に移行することが分かった。

協会によると、希望する国は51カ国に減り、うち建設事業者未定は11カ国となっている。秋には会場内の舗装工事が始まるため、重機を使う柱や壁面などパビリオンの主要構造体の工事は10月までに完了する必要がある。

 

(3)協会幹部は「(建設が開幕に間に合う)物理的な限界。今月中にも決断してもらう」と強調する。

タイプAの予定区画が空き地になることを避けるには、建設メドが立たない国に引き渡した敷地を返還してもらう必要がある。

協会は7月以降、返還要請することも含め、慎重に検討を始めた。

 

(4)

政府関係者は「(11カ国のうち)半数は事業者が決まらず、タイプAを諦めるしかないのでは」と指摘する。

タイプAを断念した場合の選択肢は

 1)別の出展形式に移行

 2)参加自体を取りやめる――

の2つに限られる。

 

(5)「移行もスムーズにはいかないのが現状」

協会は23年7月、準備が進まない国に向けて、共同利用型「タイプB」「タイプC」より、各国の独自色が強く打ち出せる簡易型「タイプX」を提案。

「受け皿」になると期待し、あらかじめ25カ国分の資材を先行発注したが、反応は鈍く、実際の着工は9棟にとどめた。

 

(6)「各国の独自色が強く打ち出せる簡易型「タイプX」」

タイプXへ移行した国はアンゴラ、ブラジル、トルコの3カ国。加えてイランが意向を示すが、それを含めてもまだ5棟の入居者が決まっていない。

関係者によると、移行が進まなかった場合、建設費の建て替え分や休憩所への転用費用など、数十億円単位の負担が発生するという。

 

(7)「共同利用型「タイプB」「タイプC」」

スロベニア、ナイジェリア、アルメニア、イスラエル、パキスタンの5カ国はタイプCに移行した。

大阪・関西万博には161カ国・地域と9の国際機関が参加を予定する。各国の情勢などを背景に、これまでロシア、メキシコ、アルゼンチン、エストニア、ニウエが参加を断念。

一方でバルバドスとシエラレオネが新たに参加表明し、最終的な参加数は流動的となっている。

 

 

■なぜ万博会場からメタンガス?夢洲に眠る大量の一般ゴミや粗大ゴミ・・・ 万博協会がメタンガスに関する安全対策を発表 (24年6月24日 newsYahoo! ABCニュース)

 

(1)24日、万博協会は3月に起きた「メタンガス」の爆発事故を受けて、メタンガスに関する開催期間中の安全対策について発表しました。

メタンガスは毒性はなく、空気よりも軽いために、本来であれば空気中に拡散します。

しかし、屋内などでたまってしまうと爆発のリスクがあります。

 

リンク 大量の一般ゴミや粗大ゴミなどの最終処分場として埋め立てられたのが夢洲です

 

(2)「なぜ夢洲でメタンガスが発生するのか」

1970年代、大阪市ではゴミの処分場不足のために、家庭から出される大量の一般ゴミや粗大ゴミなどの最終処分場として埋め立てられたのが夢洲です。

1983年、埋め立て中の夢洲を調査すると地中からガスが吹き出していることが分かりました。

 

◆建設現場で爆発事故 万博への子ども無料招待「延期」の声も

 

リンク 3月、溶接作業中にでた火花がメタンガスに引火して爆発する事故が発生

 

(3)3月、万博会場西側の建設中のトイレで、溶接作業中にでた火花がメタンガスに引火して爆発する事故がありました。この事故でけが人はいませんでしたが、トイレ約100㎡が破損しました。

 

 この事故を受けて会場の測定記録を調べ直したところ、パビリオン等の施設が集まる万博会場東側の4ヵ所で低濃度のメタンガスが検出されていたことが判明しました。さらに24日新たに1ヵ所で検出されたことが分かりました。

 

(4)「組合は学校単位での招待事業の「中止」を訴える」

(大阪府の教職員組合)

 府内に住む4歳から高校生までの子供たちを万博に無料で招待する事業について、学校単位での招待事業の「中止」を訴えるなど、安全性への懸念が広がっていました。

 

◆来場者の安全を守るのが主催者の義務。信じて来て楽しんでほしい。

 

(5)協会は「ガス侵入の抑制 侵入したガスの適切な換気」

24日、万博協会は開催期間中の安全対策について発表ーーーーーーーーー

・ガス侵入の抑制

・侵入したガスの適切な換気

・ガス検知器の設置

・ガス濃度測定を継続的に実施

・博覧会協会HPにて測定値を毎日お知らせすることを検討

 

(6)教会は「メタンが出た=危険と言うことではない」

万博協会はーーーーーーーーーー

「メタンが出た=危険と言うことではない」

「来場者の安全を守るのが主催者の当然の義務開催の前提になるのでそこは信じて来て頂いて楽しんでください」

 

(『newsおかえり』2024年6月24日放送分より)