ソフトバンクG、医療データをAI解析 米社と国内合弁(24年6月26日 日本経済新聞電子版)

 

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(1)ソフトバンクグループ(SBG)は人工知能(AI)を使って個人の遺伝子情報や医療データを解析するサービスを始める方針だ。

2024年7月にも米医療分野のテック企業Tempus AI(テンパスAI)と合弁会社を設立する。

 

(2)「全国の病院から患者データや病理データを集める」

データは匿名化したうえで分析する。

構築したデータベースを基に日本で1~2年後のサービス提供を目指す。近く孫正義会長兼社長が記者会見を開き説明する。

 

(3)「医療行為は行わず、医療体制などの高度化」

合弁会社の資本金は300億円とし、両社の折半出資とする。

取締役も半数ずつとなる。医療行為などのサービスを直接提供するのではなく、医療体制などの高度化を図る。対象は国内の死因で最も多いがん分野で始め、その後、心疾患や脳神経にも広げる方向だ。

 

(4)「個人の遺伝子情報に基づいて治療法の選択肢を提示するAIシステム」

合弁会社の新サービスは、個人の遺伝子情報に基づいてAIが治療法の選択肢を示すことを目指す。患者の電子カルテや磁気共鳴画像装置(MRI)の画像、病理・臨床細胞などのデータを各病院から集め、病院側で活用しやすい状態にするサービスも検討する。

 

(5)「全国の医療機関から日本人の医療データの収集も行う」

SBGは日本人の医療データの収集も担う意向だ。国からがんゲノム医療中核拠点病院に指定された東大や京大、慶応大をはじめとした全国の医療機関に対して横断的な医療データの連携を呼びかける。日本で実用化したうえで東南アジアなど海外への展開を見込む。