きょうのことば「集合知」検索エンジンにも応用(24年6月17日 日本経済新聞電子版)

 

記事

 

(1)▽…多人数の知識を蓄積し、体系化して目標達成や問題解決に役立てる概念。

インターネットの登場で、人々が知恵を持ち寄って新たな知を生み出すことが容易になった。特に掲示板やブログ、SNSを通じて個人が情報を発信するようになった2000年代半ばから広く定着した。

 

 

(2)▽…ウェブ百科事典「ウィキペディア」はネット時代の集合知の代表例だ。

2001年の運用開始以来、ボランティアによって書かれた記事の数は英語版だけで700万本近くに達した。著名なウェブサイトにリンクなどが載っているコンテンツを「信頼性が高い」とみなす米グーグルの検索エンジンも集合知を応用したサービスの一例だ。

 

(3)▽…ネットを介して幅広い人々の知識や技能を活用する「クラウドソーシング」や、企業が外部の知見を取り入れて製品やサービスを開発する「オープンイノベーション」など、集合知の発想を取り入れる試みはビジネスの現場にも浸透する。

一方で集合知を促進する役割が期待されたSNSは偽情報の拡散や社会の分断を招くなど、負の側面が問題視されている。