ルペン氏、マクロン氏と協力する意向表明-投資家や穏健派にアピール(24年6月17日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Samy Adghirni、Angelina Rascouet)

 

(1)要点

  •     「私は制度を尊重している」-フィガロ紙とのインタビュー
  •     ルペン氏率いるRN、支持率35%で首位-最新世論調査

 

Marine Le Pen, leader of National Rally Photographer: Nathan Laine/Bloomberg

 

(2)(フランスの極右政党・国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン氏)

国民議会(下院)総選挙で自身が勝利しても、マクロン大統領を追い出すつもりはないと述べた。穏健派や投資家にアピールする狙いがある。

  

(3)「私は制度を尊重し制度のカオスは求めない。共生だ」

ルペン氏は仏フィガロ紙とのインタビューで、「私は制度を尊重している。制度のカオスを求めているわけではない」と発言。「共生するだけだ」と述べた。

  

(4)次期議会で過半数獲得を目指すルペン氏は、主流派有権者に訴えかけようとしている。

RNが過半数議席を獲得すれば、欧州政治に激震をもたらす結果となり得る。

RNは既に下院の最大政党となる勢いで、投資家やフランスの国際的パートナー、仏国民の一部に警戒感を与えている。

 

リンク フランスでルペン氏の極右政党に反対する大規模デモ-総選挙控え

  

(5)「マクロン氏こそカオスだ」とルペン氏。「社会的な混乱、安全保障問題での混乱、移民問題での混乱、そして今は制度的な混乱だ」と続けた。

写真 ルペン氏(左)とRNのバルデラ党首Photographer: Julien De Rosa/AFP/Getty Images

  

(6)(仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD))

16日掲載されたIfopの世論調査によると、RNは6月30日の第1回投票で35%の支持を獲得する勢い。左派系連合「人民戦線」の支持率は26%で2位。マクロン氏率いる与党「再生(RE)」は19%で3位。10日と11日に実施された前回の調査とほぼ一致している。

 

原題:Le Pen Says She’ll Work With Macron in Pitch to French Moderates(抜粋)

 

<私見:

今回の選挙で国民連合(RN)が取り上げた争点は、EUの環境規制が国民に重い負担になっていること、EUの移民寛容政策によるマクロン政権の移民寛容政策で国内犯罪や福祉が増え国民に重い負担になっている、インフレに有効な政策が打てないなどだったと思います。

これらの主張は「極右」や「ポピュリズム」とは言えない。

確かに国民連合(RN)の根っこにはEU離脱国家主義(フランス伝統の個人主義よりも、国家、伝統、フランスらしさを取り戻そう。そのためにはEU官僚が各国の事情を無視した規制を行っているEUからの離脱も主張する)などがあるかもしれない。

しかし、政党の基本的理念と選挙で掲げる政策と派別。

自民は本来、保守政党だが政策はリベラル、

共産党は革命政党(目標は委員長が言明するように共産主義社会。でもそこに至る手段として議会重視。そのためには有権者に喜ばれる政策を掲げる)

などを区別することは必要でしょう。自民を「リベラル政党」、共産を「民主主義政党」と読んでいる新聞、マスコミはない>