コネクテッドテレビ 過去の番組も手軽に(24年6月8日 日本経済新聞電子版)
記事(大谷真幸)
(1)要点
最近、広告業界を中心に「コネクテッドテレビ」という言葉が広がっている。本体の機能や外付け機器などを使いインターネットに接続したテレビを意味する。地上波と同じようにYouTubeやTVerをテレビ画面で楽しめるので、CMを出稿する広告主などに注目されているのだ。
写真 過去に遡れる番組表を搭載するパナソニック「TV-55Z95A」
(2)実際、最近ではネット動画をテレビで見るのは当たり前になっている。
REVISIO(東京・千代田)とクロス・マーケティング(東京・新宿)が発表した「コネクテッドTV白書2024」
コネクテッドテレビを利用している世帯での平均視聴時間で、YouTubeは日本テレビ以外のテレビ局を超え、Prime Videoはテレビ東京に迫る。
先日、話を聞いた20代の女性は「ドラマは倍速視聴ができるTVerで見ることにしている」と言っていた。
(3)過去放映の番組表「放送か通信かでなく何が見たいかを重視」パナソニック
テレビ本体も地上波という「放送」とネット動画という「通信」を同じように楽しめるように工夫を凝らす。放送と通信の一体化ということで印象に残っているのは、パナソニックの電子番組表だ。
同社の電子番組表は過去に遡れるのだ。
外付けハードディスクレコーダーなどに録画されている番組ではなくても、TVer、TELASA、Hulu、FODというネット動画サービスが配信していれば、電子番組表の番組欄をクリックすると視聴できるアプリアイコンが表示され、その番組を見ることができる(サービスによっては契約が必要)。
パナソニック側は「放送か通信かではなく、何が見たいかが重要。放送とネットをシームレスにする機能を常に考えている」と説明する。
(4)7月26日に開会式が行われるパリ五輪は、テレビ放送されない競技も含めてTVerで配信されることが発表されている。五輪のタイミングで新しいテレビに買い替えようとしている人は、ネットの機能もよく調べたほうがいい。
(日経エンタテインメント!編集委員 大谷真幸)