パンデミック条約採択見送り、交渉延長 途上国と先進国の溝解消できず WHO総会(24年6月2日 産経新聞オンライン無料版)

 

記事(板東 和正)

 

写真 1日、スイス・ジュネーブで記者会見するWHOのテドロス事務局長(中継映像から・共同)

 

記事【パリ=板東和正】

 

(1)スイス・ジュネーブで開催されていた世界保健機関(WHO)総会は1日、新型コロナウイルス禍を教訓にパンデミック(世界的大流行)対策を強化する国際条約「パンデミック条約」の条文案の採択を見送った。

加盟国間の交渉を最大1年延長する方針を決め、同日に閉幕した。

 

(2)パンデミック条約をめぐっては、ワクチンの分配などで先進国と途上国の格差が露呈した新型コロナ流行時の反省を踏まえ、WHO加盟国が国際的な感染症対策を強化するため2021年末に協議入りを決定した。

 

(3)しかし、加盟国間の条約の交渉では、

  ワクチン開発の技術移転や

  公正な配分で

先進国と途上国間の意見が対立。

5月27日に始まった今回の総会でも意見の隔たりが埋められなかったとみられる。

 

(4)今回の総会は非加盟の台湾のオブザーバー参加が中国などの反対によって認められなかった。

台湾の参加見送りは8年連続だった。