西側兵器使ったウクライナのロシア領内攻撃、NATO事務総長が支持(24年5月26日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
記事(Ros Krasny)
(1)要点
NATO加盟国は制限解除を検討すべきだ-ストルテンベルグ氏
「軍事的で正当な標的」への攻撃は自衛-エコノミスト紙に発言
(2)(ストルテンベルグ事務総長)
北大西洋条約機構(NATO)加盟国はウクライナがロシア領内の軍事標的を攻撃できるよう、供給する兵器の利用に関する制限を緩和するべきだと、ストルテンベルグ事務総長が英誌エコノミストとのインタビューで語った。
(3)「米や独は自国提供の兵器がロシア領内攻撃に利用されることに消極的」
「ウクライナに兵器提供に際して課した制限について、一部を解除すべきかどうかNATO加盟国が検討するべき時がやって来た」とストルテンベルグ氏は述べた。
発言の中で、同事務総長は特定の国を名指しすることはなかった。
だが、ロシア領内の攻撃への供給した兵器の利用には、米国やドイツなどが消極的な姿勢をとり続けている。
(4)「自衛権の支持には「それが軍事的で正当な標的であるならば、ロシア領内を攻撃する能力も含まれるべきだ」との認識」
ロシア国境に近いウクライナのハルキウで戦闘が起きている中でウクライナがロシア領内を攻撃する権利を否定されれば、ウクライナは自国の防衛が難しくなるとストルテンベルグ氏は指摘。自衛権の支持には「それが軍事的で正当な標的であるならば、ロシア領内を攻撃する能力も含まれるべきだ」との認識を示した。
(5)「西側の兵器を使ったロシア領侵攻とはいえない」(ゼレンスキー大統領)
ウクライナに提供された兵器を使ったロシア領内の標的に対する攻撃を容認するよう、支援国に働き掛けていた。
「西側の兵器を使ってロシア領を侵攻するのではないのだから、いかなる制限も課せられるべきではないと思う。これは国防だ」とゼレンスキー氏は今月、記者団に述べていた。
(6)(ロシア外務省のザハロワ報道官)は激しく反発。
同報道官は25日、「(6月半ばに予定されるウクライナ問題についての)『平和会議』とされるものに招待された人は全員、(ストルテンベルグ氏の発言を)知っておくのは有用だろう」とテレグラムで皮肉った。
原題:NATO Chief Backs Use of Western Weapons to Hit Russian Targets(抜粋)