きょうのことば「シニア雇用」1400万人就業、若手に肉薄(24年5月20日 日本経済新聞電子版)

 

記事

 

(1)▽…60歳以上のシニア雇用の存在感が高まっている。

(総務省の労働力調査)

60代以上の就業者数は2023年に1468万人だった。就業者全体に占める比率は21.8%で、データのある1968年以来過去最高を更新した。

20~34歳までの就業割合である23.2%に肉薄する。

 

(2)▽…シニア自身の就労意欲も高まっている。

日本経済新聞社が23年11月までに実施した郵送世論調査で何歳まで働くつもりかを聞いた。「70歳以上」との回答が39%を占め、18年の調査開始以来過去最高となった。意欲が高く働くシニアが増えるにつれ、待遇面での不満が顕在化しつつある。

 

(3)▽…パーソル総合研究所によると、60歳以降に転職した人の理由は「給与に不満がある」が23年に18.3%となり、「倒産・リストラ・契約期間満了」(10.9%)を逆転した。厚生労働省の調査で定年制がある企業の比率は96%に上る。再雇用後は給与水準が下がる場合が多い。シニアが貴重な戦力となるなか、企業は人材のつなぎ留めに向けて待遇向上や就労環境の整備が欠かせない。