<独自>台湾の頼清徳氏、中台「現状維持と平和追求」主張へ 20日総統就任演説の内容判明(24年5月20日 産経新聞オンライン無料版)

 

頼清徳氏=台北(共同)

 

記事【台北=西見由章】

 

(1)20日に台湾の新総統に就任する与党・民主進歩党の頼清徳主席(64)が、同日の就任式で行う演説の概要が19日判明した。

頼氏は対中関係について「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」との立場を表明し、「台湾独立」に向けた動きを事実上封印する。

中国の習近平政権は頼氏を「独立派」とみなしており、自ら独立路線を否定することで対中関係を安定させ、武力侵攻の口実を与えない考えだ。

 

(2)頼氏は演説で、台湾海峡の平和は「全世界の安定的な発展に不可欠の要素だ」と強調。

「台湾の民主と平和的繁栄の現状」を引き続き推進することが「自らの任務」だと主張する。

 

(3)台湾の高度な半導体産業などを念頭に「台湾は世界の経済と地政学的な安定に不可欠な役割を果たしている」とし、「両岸(中台)がともに平和と共栄を追求すること」を訴える。

 

(4)一方、中国からの統一圧力を踏まえ、台湾の防衛力強化や経済安全保障の強化などを含む「平和のための四大柱」の具体化に向けた行動を起こすと表明する。