きょうのことば「GDP」個人消費が5割強(24年5月17日 日本経済新聞電子版)

 

記事

 

(1)▽…一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を指す。

その国の経済規模や景気の状態を総合的に示す指標となる。GDPはGross Domestic Productの略で、日本語は「国内総生産」と呼ぶ。内閣府は四半期ごとに速報値を公表しており、前期比の増減によって景気の良しあしなどを判断する。

 

(2)▽…GDPでは生産面(付加価値)と分配面(所得)、支出面(需要)のいずれから見ても等しくなる「三面等価の原則」が成り立つ。

生産よりも支出の方が迅速に把握しやすいため、今回発表された1~3月期のGDPも個人消費や設備投資などの支出面で算出されている。日本のGDP全体の5割強を個人消費が占める。

 

表 1~3月期の実質GDP成長率と主な要素

GDP 

 1~3月期 ▲0.5(年率換算は▲2.0%)

民間需要

 個人消費  ▲0.7

 設備投資  ▲0.8

 民間住宅  ▲2.5

公的需要

 政府消費  0.2

 公共投資  3.1

海外需要

 輸  出  ▲5.0

 輸  入  ▲3.4

 

 

(3)▽…GDPは日本経済の代表的な指標のため様々な政策判断に用いられる。

例えば2014年に当時の安倍晋三首相はGDP速報値をもとに成長軌道に戻っていないと説明し、消費税増税の延期を宣言した。岸田文雄首相は21世紀前半に名目GDP1000兆円の達成が視野に入ってくると言及した。米欧では一般的に実質GDPが2四半期連続でマイナス成長となった場合、機械的に景気後退とみなす「テクニカルリセッション」となる。