米国債の買い推奨、インフレは想定以上のペースで鈍化へ-モルガンS(24年5月7日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
記事(Nazmul Ahasan)
(1)要点
- 米国債利回り、景気後退なくても低下すると予想ーストラテジスト
- コアPCE、3カ月・6カ月の年率換算ベースで急速に低下する公算
(2)「インフレ統計は過熱気味の時期を過ぎたことを示す」
米銀モルガン・スタンレーは、4月に月間ベースで今年最悪のパフォーマンスとなった米国債の買いを推奨している。
(同行のストラテジスト、マシュー・ホーンバック、ジェームズ・ロード、アンドルー・ワトラス各氏)
「インフレ統計は過熱気味の数字が永遠に続くと確信している向きを失望させ、景気が悪化しなくても国債利回りは劇的に低下する可能性がある。債券を買うべきだ」と、4日付けのリポートで指摘した。
(3)「米国債の買いを推奨 コアPCE価格指数の伸びは年率換算で急速な鈍化予想」
買いを推奨する要因の1つとして、通常の季節調整が行われた後でも経済データに影響を与えると考えられている統計的なゆがみ「残余の季節性」に言及。
この現象を個人消費支出(PCE)価格指数インフレの予測に反映させたところ、現時点で市場が織り込んでいるよりも急速に低下する可能性が示されたという。
その結果、モルガン・スタンレーではコアPCE価格指数の伸びは3カ月および6カ月の年率換算ベースでいずれも急速に鈍化すると予想。「年末にかけて投資家の目が開かれるはずだ」と記述した。
(4)「年内に0.25%の利下げが3回と予想、25年も0.75%の利下げを予想」
実際にそうなれば、市場の利下げ観測は同行の予想に沿った形で見直される可能性がある。モルガン・スタンレーのエコノミストは目下、年内に3回の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げが行われると予想。これに対し、スワップ市場が織り込む年内の利下げ予想幅は約50bpだ。
また2025年についても、現時点で75bp余りの利下げ予想が見直され、一段と大幅な緩和サイクルを市場が織り込む可能性があるとしている。
原題:Morgan Stanley Says Buy Bonds in Bet That Inflation Will Retreat(抜粋)