「移民は受け入れない」と言いつつ看板を掛け替え…外国人基本法の制定を(政策シンクタンク代表)原英史(24年5月2日 産経新聞オンライン無料版)

 

写真 原英史氏

 

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(1)外国人の技能実習制度の見直しなどを内容とする「出入国管理法等改正案」の国会審議が始まった。

26日、衆院法務委員会で参考人質疑が行われ、私も参考人の一人として陳述を行った。

(私の述べた意見)

 技能実習など個別制度の手直しの前に、まず「外国人基本法」を制定し、受け入れの戦略を明確にすべきだということだ。

 

(2)「低賃金労働者として外国員受入」

政府は従来、なし崩しで外国人政策を進めてきた。

表向きは「移民は受け入れない」と言いつつ、実態は安価な外国人労働力の受け入れが拡大した。

日本人に十分な賃金を払って人材確保できない企業や業界が、安易に外国人労働者に頼り、入管行政も要望に応えた。「国際協力」が目的の技能実習制度などの悪用を政府が容認してきたのだ。

 

(3)「外国人の違法行為を生み出す要因」

この結果、劣悪な労働環境や失踪などの問題が生じ、外国人による犯罪、社会的トラブルなども広がりつつある。

業界・企業が賃上げせず事業継続する道が用意され、賃金水準低迷の一因となった。

 

(4)今回の改正案はこうした根本問題を解決するものではない。

「技能実習制度の廃止」を掲げ、実態とかけ離れた国際協力の名目を人材育成などに改めてはいるが、実質大きく変わった点といえば、転職を認めた程度だ。看板の掛け替えに近い。(以下有料記事)