池上彰をかたる投資詐欺 本人がニセモノ直撃 返ってきた1通のメッセージ 池上彰「不思議な日本語だね」(2024年3月22日(金) 16:25 TBSテレビ)
記事
(1)ニセホリエモンにニセひろゆき。有名人をかたる投資詐欺が相次いでいます。ついにはニセ池上彰まで登場。本人の怒りの直撃に、ニセモノの反応は?
一方で、投資ブームに合わせてか、いま急増しているのがSNSを使った投資詐欺。
2023年1年間の被害額は、約278億円に上りました。
(2)中でも最近、インスタグラムやフェイスブックで目にするのが…
堀江貴文さん、前澤友作さんに、ひろゆきさん。さらに、森永卓郎さんや荻原博子さんといった、有名人になりすました「ニセ広告」です。
その手口が…
(60代女性)
「私は、本を送られてきた。僕の本ですから送りますと。ホンモノだったのかな?という風に(思った)」
「グループメンバーの方を見ていると、豪華な暮らしとか。ホンモノでこんな凄い世界があるんだって思って、どんどんお金をかき集めて入金した」
本人と信用させた上で、FX投資の偽サイトにさらに誘導。
そこで現金を入金させられたあと、ニセサイトは閉鎖され、連絡も取れなくなったというのです。
(3)池上彰さんに、「ニセ池上広告」を見てもらうことに。
(ホンモノ池上さん)
「許せないですね。本当に許せないですね。犯罪ですからね、これね」
(ニセ池上彰の広告)
「池上彰投資クラブは現在無料で参加できます」「『秒速で1億円稼ぐ男』池上彰」
(ホンモノ池上さん)
「ニセモノで、大変な名誉毀損ですよね」。
ニセモノの存在は、友人からの連絡で最近知ったということです。
「友人から『お前こんな投資を指導するみたいなこと始めたのか?』と。びっくりして。『いや、そんなことやってないよ。もし、そんなのがあれば絶対ウソで詐欺だから。他の人にもやらないように、呼びかけてくれ』って返事をしたのが最初でしたね」
(4)記者がこのニセ広告をクリックすると…
「池上 彰」と表示されたアカウントに誘導されます。
そして…
(池上彰さんを名乗るアカウント)
「こんにちは、池上彰です」「お会いできてうれしいです」
早速、「池上彰」と名乗る人物からメッセージが!
(5)この“ニセ池上”のアカウントは番組が確認しただけでも、全部で9つ。
名前は
池上彰のほか、
池上彰【公式】、
池上-彰、
池上彰「LINE」、
「池上教授」
などと微妙に変えています。
(6)
(ホンモノ池上さん)
「これもテレビ東京の私がやっていた番組シリーズのスタジオの写真ですね」
「真ん中のネクタイしているこれ。東京工業大学の写真です」
「びっくりしました。こんなに沢山、ニセ池上がネット上に氾濫しているのか?っていうのは驚きですしね」
(7)さらに、このグループラインに登場するのが…
アシスタントを名乗るアカウント
(アシスタントを名乗る女性)
「はじめまして。池上先生のアシスタントです」
(記者)
「池上さんのアシスタントやられているんですね?」
(アシスタント)
「ある日の野球会で池上さんと知り合うことが出来ました。池上さんについて投資の勉強をします」
本人もアシスタントもデタラメ。
(8)そこで、記者が“ニセ池上彰”の一人に「本当に池上さん本人なのか?」と尋ねてみると…ある音声が送られてきました。
(送られてきた音声)
「私にどのように証明して欲しいですか?この要求には、結構失礼だと思います」
ホンモノの池上さんと比べてみると…
(ホンモノ池上さん)
「私にどのように証明して欲しいですか?この要求は結構失礼だと思います」
「声の質は、私にそっくりですね。ただ、日本語として変ですよね。『私にどのように証明してほしいですか?』日本語としておかしいですよね。明らかにこれ、生成AIを使っていますね」
(9)声まで本人になりすまし、投資を呼びかけるニセ池上彰。
そこでついに、ホンモノがニセモノを直撃!!記者が入っているグループラインに「横に本物の池上彰さんがいて、大変憤っている」と送ると。
1分後…
(番組スタッフ)「削除されましたね、いま」
(ホンモノ池上さん)
「まずいと分かると、さっさと追い出しちゃう訳ですね」
(10)池上さんのことをよく知るというアシスタントを名乗る女性に、こんなメッセージを送りました。
(記者のメッセージ)
「池上さんはどの野球チームのファンですか?」
(アシスタント)
「先生が東京読売ジャイアンツを好きだと聞いていますが」
(ホンモノ池上さん)
「私、ジャイアンツのファンじゃないんですが…私のこと、ちょっとでも知っていれば、ジャイアンツファンではないことが分かります。本当にニセモノだと、これで分かりますね」
(11)そこで、ニセ池上彰9人全員にライン電話をかけてみると…
全員が電話には出ませんでしたが、ニセモノの一人からこんなメッセージが。
(ニセ池上彰)
「何か用事がありますか?」
(ホンモノ池上さん)
「何か用事がありますか?不思議な日本語だね」
どういうことか「説明してください」と改めて送りましたが、連絡はありませんでした。
(12)ホンモノ池上さんは、プラットフォーム側のメタ社に対して、ニセ広告の削除を要求しているほか、被害者の会も、弁護士に相談して、今後の対応を協議しています。
投資ブームにつけ込む、有名人をかたる投資詐欺。
情報が本当なのか、見極める慎重さも求められています。