きょうのことば「データセンター」市場規模、28年に66兆円(24年4月10日 日本経済新聞電子版)
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(1)▽…大型のサーバーや通信装置を多数設置するデータ処理の専用施設。
各種のクラウドサービスの運用や企業のデータ保管、人工知能(AI)の開発など幅広い用途に使う。ドイツの調査会社スタティスタによると世界の市場規模は拡大傾向が続き、2028年には4386億ドル(約66兆円)と23年から33%伸びる。
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(2)▽…近年、国内外で大型の投資計画を表明しているのがアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)とマイクロソフト、グーグルの米国勢だ。3社は高い技術力を背景に、日本政府や自治体が使う「ガバメントクラウド」でもいちはやく事業者認定を受けた。重要な情報を扱うためデータ処理を国内で完結させたいという企業も多い。
(3)▽…生成AIは開発時に膨大なデータの学習が必要で、運用時にも文章や画像を生成するには大規模な計算能力が欠かせない。
膨大な情報を高速処理するため、大規模なデータセンターを活用するケースが多い。データセンターの消費電力は拡大の一途で、国際エネルギー機関(IEA)は26年の消費電力量が22年の最大2.3倍になると試算する。
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◆◆データセンターを選ぶポイント
ここからは、データセンターを選ぶ際に注目しておきたいポイントを紹介していきます。
◆立地
データセンターを選ぶ際の注意点としてまずはじめにあげられるのが、データセンターの立地です。
データセンターがどこに所在するのかは、サーバーやデータの安全性を考える上で非常に重要なポイント。なぜなら、地震や台風などといった自然災害が頻繁に訪れるエリアの場合、IT機器やデータをきちんと守れない可能性があるからです。
そのため、オフィスから気軽に向かうことのできる都市近郊のデータセンターとあわせて、災害復旧対策も考慮し、災害発生率の低いエリアのデータセンターを利用しましょう。
◆施設の構造や設備
データセンターを選ぶ際には、データセンターにどのような設備が備わっているのかも非常に重要なポイントです。
先ほど、災害復旧対策も考慮し、都市近郊以外の災害発生率の低いエリアのデータセンターを選ぼうと述べましたが、いくら災害発生率が低いとしても、災害が起こらないとは言い切れません。万が一の事態に備えるために、震度6~7レベルまで耐えられる耐震・免震構造となっているのか、火災対策や気温・湿度対策なども万全かなどを入念にチェックしておきましょう。
◆電源の確保
データセンター選びにおいて、電源がいかに確保されているのかも前もって確認しておきたいポイントです。
台風や地震などといった自然災害が起こってしまった場合、そのエリア一帯が停電となってしまうことも少なくありません。電力の供給がないと、データセンターは稼働を停止してしまい、利用している数多くの企業やwebサービスなどに多大なる影響をもたらすでしょう。
そのような事態を防ぐためにも、非常用電源設備がきちんと備わっており、48時間ほどであればカバーできるデータセンターを選ぶべきです。
◆空きスペースや空きラックの有無
データセンターを選ぶ際に意外にも見落としがちなのが、空きラックがあるのかというポイントです。
データセンターで自社サーバーの運用管理を任せている場合、サーバーを増設する、あるいは移行するなどといったシーンも当然発生します。しかし、いざ増設・移行するという場面で空きラックやスペースがないと気づいた場合、他のデータセンターを利用せざるを得ません。そのタイミングでサーバートラブルがあった場合、非常に厄介なことになってしまいます。
このような事態を避けるために、前もって空きラックの状況は確認しておきましょう。
◆セキュリティ
データセンター選びにおいてもっとも重要と言っても過言ではないのが、セキュリティ対策が万全かどうかです。
プライバシーマークやISMSの認証を取得しているのかどうかはもちろんのこと、フラッパーゲートやDC受付、生体認証、ICカード、サークルゲートなど、実際の対策具合もきちんと確認しておきましょう。
サーバールームにたどり着くまでにどれほどセキュリティ対策がなされているのかが、安心して利用できるかどうかに繋がるのではないでしょうか。
◆サービスやサポート体制
これはデータセンター選びに限った話ではありませんが、提供しているサービスやサポート体制の充実度は非常に重要です。それぞれのデータセンターによって提供しているサービスは異なるため、利用したいサービスが提供されているかどうかをきちんと確認しておきましょう。
運用は自社で行うという場合であればハウジングサービスやコロケーションサービスで事足りますが、運用管理までまとめて依頼したい場合にはマネージドサービスを依頼しなければなりません。IT機器の貸与の有無なども関わってきます。
前もって、どのようなサービスを導入したいか社内で整理しておくことも重要ではないでしょうか。
◆料金
データセンターを選ぶ際に重要なポイントとして最後にあげられるのが、利用料金についてです。
データセンターの利用料金は、基本的にはラックやスペースのレンタル料金やマネージドサービスの月額料金などがメイン。1年以上の契約となるのがスタンダードなので、何年間契約するのかを前もって整理しておきましょう。
オプションの有無によっても料金が大きく変わってくるため、運用を依頼するとしてもどの範囲までかなどもまとめておく必要がありそうです。
◆◆データセンターを導入するメリット
最後に、データセンターを導入するメリットを改めて確認しておきましょう。
◆地震や災害などへのリスクを低減できる
データセンターは、耐震・免震構造などが施されているだけでなく、火災対策や停電対策、浸水対策などがなされた施設です。そのため、IT機器やデータを万が一の事態から守ることができるのが最大のメリットといえます。
データセンターを利用したからといって、地震や火災、台風などから確実に守れるというわけではありませんが、自社オフィスで管理するよりも圧倒的に安全性が高いでしょう。
◆電力や通信の安定性
オフィスビルなどより電力供給やネットワークの安定性が高いのも、データセンターを利用する大きなメリットといえます。オフィスビルよりも通信インフラが整理されていることため、継続して安定した稼働を行うためには非常に役立つのです。
また、グリーンエナジーを活用した空調設備や、予備用電源装置などといった安全対策が徹底されて施されており、万が一電源設備に障害が発生しても問題ありません。IT機器が停止してしまうといった最悪の事態を防ぐためにも、データセンターを活用するべきでしょう。
◆プロフェッショナルによる管理
データセンターを利用すれば、保守・運用に特化した専門エンジニアに運用をまとめて任せることができます。24時間、365日体制でモニタリングしてもらえるため、万が一のトラブル発生時においても、スピーディに対応してもらうことが可能です。
サーバーが停止してしまうと、その後に発生する影響は計り知れないもの。なるべく早く復旧させるためにも、データセンターで徹底管理してもらうが吉でしょう。
◆費用の削減
データセンターを利用すると、自社オフィスでIT機器を管理する場合と比較して、コストダウンに繋がります。
自社でサーバーを管理するとなれば、サーバーを設置するためのスペースや、それを管理するためのスタッフも確保しなければなりません。場所代・人件費などさまざまなコストがかかることが考えられます。しかし、それらをまとめてデータセンターに任せることによって、さまざまな面でのコストダウンに繋がるでしょう。
◆セキュリティ対策
データセンターは、普通のオフィスビルとは異なりセキュリティ対策が万全です。そのため、IT機器やデータをよりセキュアな状態で守ることができます。
生体認証やICカード認証、サークルゲートなどといった物理セキュリティ対策のみならず、エンジニアの24時間監視による情報セキュリティ対策も万全。自社オフィスでのセキュリティ対策よりもレベルの高い対策を実施していることは確実です。自社で管理するよりも格段に安全性が高いといえるでしょう。
企業集団SBI(3)会長自らのヘッドハンティング「生え抜き社員にも目を配る」
迫真 異形の企業集団SBI(3) 中途を重用「人材のるつぼ」(24年4月10日 日本経済新聞電子版)
記事の概要
(1)「会長自らのヘッドハンティングで「人材のるつぼ」に」
(2)「功ある者には禄(ろく)を与え、良識・見識ある者には地位を与える」
(3)「生え抜き社員にも目を配る」
(4)「回転ドアでなく「金融庁OBクラブ」政官界とのパイプ狙いだとの批判も」
(5)「金融庁とSBIは「監督する側」と「される側」、さて元部下との付き合い方は」
写真 SBI新生銀行の会長には元金融庁長官の五味氏(右)が就いた
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(1)「会長自らのヘッドハンティングで「人材のるつぼ」に」
「うちに来ないかね」