テスラ、人気車種のSUVで大幅値引き-過去最大の在庫一掃狙う(24年4月6日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Craig Trudell)

 

(1)要点

  •     モデルYのうち長距離走行可能な高機能版は5000ドル以上の割引
  •     1-3月生産台数、納車台数を4万6561台上回る

 

(2)電気自動車(EV)大手の米テスラが、最も売れている車種で大幅な値引きを実施する。過去最大に積み上がった在庫を一掃する狙いだ。

 スポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」の後輪駆動型

  新たにカスタムオーダーするよりも4600ドル(約70万円)安くする。

  モデルYのうち航続距離が長く高機能のバージョンは5000ドル以上割り引く。

 

(3)「1~3月生産台数は納車台数を4万台上回った」

テスラの1-3月(第1四半期)の生産台数は納車台数を4万6561台上回り、かつてない水準に在庫が膨らんでいる。

 

(4)

同社はセダン「モデル3」のアップグレード版生産に向けたカリフォルニア工場転換やドイツ工場の操業停止が販売台数減少の一因だと主張しているが、一部のアナリストは納得していない。

 

(5)「テスラ株の投資判断は「売り」だ 目標株価は115ドル」

(JPモルガン・チェースのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏)

  1-3月の生産台数と納車台数の差は「需要ではなく供給が何らかの形で制約されたとの考えを打ち消す」ものだと指摘。同氏は3日付のリポートで、テスラ株の投資判断を売り相当とした。

さらに目標株価を130ドルから115ドルに引き下げ、1-3月の売上高と1株利益の予想もそれぞれ引き下げた。

 

(6)「フリーキャッシュフローの予想は「流入」から13億ドルの「流出」に変更」

完成品の在庫は過去最大規模で増加すると同氏は見込み、フリーキャッシュフローは従来の3億ドル余りの流入から、13億ドルの流出へと予想を修正した。

 

グラフ Tesla Production Keeps Exceeding Deliveries

Output topped sales in seven of the last eight quarters

 

原題:Tesla Offers Steep Discounts on SUVs Piling Up in Inventory (1)(抜粋)