「性別は自分で決めていい」 過度な性自認尊重教育に潜む危惧(24年4月1日 産経新聞オンライン無料版)

 

記事(編集長ピックアップ 牧野克也)

 

(1)文部科学省が令和7年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表し、LGBTなど性的少数者に関する記述が増加することが判明しました。

近年のマスコミ報道は性的少数者に強く理解を示す傾向にありますが、教科書にも及んだ格好です。

 

(2)「生まれつきの自分の性と心が一致しないトランスジェンダー」

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そして生まれつきの自分の性と心が一致しないトランスジェンダーの頭文字をとった略称です。

本紙記事は、こうした記述が増加した背景には性的少数者に対する理解増進法の制定もある、という文科省教科書課の分析を報じています。

 

リンク ▼LGBTに関する記述が増加 学習指導要領範囲外の「性の多様性」教科を横断

 

写真 「男女」という生物学的性別を自認する性などと同列に説明する教科書も目立った

 

(3)理解増進法は性的少数者への差別をなくし、理解を深めようというのが趣旨。

国民の理解増進に向けた施策の推進をうたっています。

差別が許されないのは当然です。

 

(4)「キリスト教圏やイスラム教圏では迫害」

ただ、欧州のキリスト教圏にはかつて同性愛などを犯罪として扱った国が少なくなく、中東・アフリカのイスラム教圏では今も罰する国があります。

それらに比べ、日本は歌舞伎や大衆芸能の女形にみられるように文化的、歴史的にも性的少数者に寛容な国柄です。

 

(5)立法化の必要性についてそもそも疑問がありました。差別の定義があいまいな上、特にトランスジェンダーに関し、女性だと自称する男性が女性用のトイレや浴場など女性専用スペースに入ることを正当化しかねない-といった懸念が浮かんだのは記憶に新しいところです。(以下会員記事)

 

■同性愛

新約聖書のパウロ書簡では、「偶像崇拝や婚前性交渉、魔術や占いをする者と共に『男色する者』は神の国を相続しない」と第一コリント6章9-10節にある。 これに対し、同性愛を受容する人々は、イエスは特には言及していないことを受容論の根拠とする例がある。 否定論を唱える人々は、旧約聖書、新約聖書の一貫性や聖書無謬論に立つ。

旧約聖書では創造神ヤハウェは、「男と女が結ばれるべきだ」と命令している。

現代

1)2009年には、アメリカ合衆国・マンハッタンで、福音派教会、正教会、カトリック教会の指導者は、共同声明マンハッタン宣言を発表した。結婚は「生命の創出と繁栄と保護」と「一組の男女間で結ばれる契約」であり、健康、教育、富を維持する制度であることから、同性愛間の結婚の反対を宣言している[7][8]

2)同性愛者の人権は尊重するが同性愛行為は罪であり認められないとする立場もある[9]

カトリック教会もカテキズムにあらわされた公式の教えとしては「同性愛行為に及べば宗教上の罪となるが同性愛の欲求を持っているというだけでは罪ではなく、むしろ尊重されるべき」という立場である。

就任後の教皇フランシスコも同趣旨の発言を行っている[10]

3)教会として同性愛を宗教上の罪(sin)とみなしこれに反対するものの、同性愛者に対する迫害・差別については認めないとするモスクワ総主教キリル1世のような見解もある[11]

 

<私見:

特にトランプ政権は、「米国福音派の支援を受けて大統領になった」と言われるくらい影響され、その支持を取り付けるために福音派の教義を政策や法律に反映しようとしている。

そこでバイデン大統領は、トランプとは逆の政策を強調し、駐日大使を通して、日本政府にもLGBT法の強行成立を促したとされる。>

 

■(本年1月)トランプ氏は福音派が待望の政策実現 アイオワ州のキリスト教福音派牧師(24年1月15日 産経新聞オンライン無料版)

 

記事【デモイン(中西部アイオワ州)=渡辺浩生】

 

(1)人工中絶や同性婚を容認しない保守的な信条で知られるキリスト教福音派は15日に共和党の党員集会が開かれるアイオワ州の最大勢力だ。

デモイン市内の福音派教会で牧師を務めるマイケル・ディマスタス氏(53)が取材に応じ同派の投票行動は今大統領選でも決定的な影響を与えると語った。

 

(2)近年、米国の保守政治への影響力を強めてきた福音派について、ディマスタス氏は「聖書的な世界観を持ち、政治や事象などを聖書の言葉に沿って解釈するキリスト教徒」と定義する。過去の党員集会では約3分の2の参加者が出口調査に福音派と回答。

候補者にとりその支持は「勝利に通ずる道」。

 

(3)昨年6月、トランプ前大統領はアイオワ州内の50人の牧師と会合をもち、ディマスタス氏も参加した。

支持率でトランプ氏が首位を保つのは、連邦最高裁判事の保守化を進め、人工中絶の憲法上の権利を認めた「ロー対ウェード」判決を覆すなど「福音派の待望した政策を実現させた」と指摘する。

 

(4)被告として法廷に立ち、コロラド州などで予備選出馬を禁じる決定を受けたトランプ氏を「迫害された殉教者」と多くが受け止めたことも大きな要因という。

 

(5)ディマスタス氏は投票について「発言、実績、人柄」の3要素を重視すると強調。トランプ氏よりも同州の活動に力を入れてきたデサンティス・フロリダ州知事やインド系実業家のラマスワミー氏の善戦を期待するとし、「天候は(トランプ氏の支持層に多い)高齢者の外出に影響を与える。15日夜は驚きがあるかもしれない」と予測した。