横浜「KANNAI」へ大変貌(上) 関内駅前に超高層ビル群 「新旧融合」国際交流の場に(24年3月29日 日本経済新聞電子版)

 

開発計画

(4)港町地区「170mの複合施設 商業施設・オフィス・住宅機能」

(5)北口地区「120mの高層複合施設は29年度営業開始 オフィス、商業施設、住宅」

(6)旧市庁舎跡地の再開発「170mの高層タワーは26年春に開業 商業施設・常設型ライブビューイングアリーナ」

 

記事

 

(1)要点

横浜市臨海部の関内・関外地区に大きな変化の波が押し寄せている。

JR関内駅周辺では再開発が本格化。2030年までに超高層ビル3棟が相次いで整備され、ホテルやスポーツ観戦ができる施設が誕生する。

隣接するみなとみらい(MM)21地区の開発が佳境を迎える中、横浜の「旧市街」が新たな国際交流やビジネスの拠点に生まれ変わろうとしている。

 

 

 

(2)関内・関外地区は江戸時代末期に横浜港が開港して以来、横浜の行政・経済の中心地だった。

横浜市の旧市庁舎や神奈川県庁のほか、周辺には横浜中華街、元町、伊勢佐木町、野毛など個性的な街がひしめく。ただ横浜駅周辺やMM21地区の開発が進み、相対的に地盤沈下を招いた。

 

(3)「まず玄関口となるJR関内駅周辺の大改造が始まる」

 駅北口の商業施設「セルテ」を含む「北口地区」と「港町地区」の計2.2ヘクタールを対象とした再開発の都市計画の具体案が示され、今春にも決定する。

 

(4)港町地区「170mの複合施設 商業施設・オフィス・住宅機能」

 三菱地所などが新たに高さ170メートル(地上32階)、延べ床面積9万7200平方メートルの複合施設を整備する。

 低層部に商業施設、中層部にオフィスを設け、高層部は同地区で制限していた住宅機能を規制緩和した上で導入する。

 「グローバル企業の誘致にあたり、需要が大きい高級賃貸マンションを整備する」(横浜市)

 

(5)北口地区「120mの高層複合施設は29年度営業開始 オフィス、商業施設、住宅」

 高さ120メートル(地上24階)、延べ床面積3万4500平方メートルの複合施設を整備し、オフィス、商業施設、住宅が設けられる予定だ。

 25年度末ごろ着工し、29年度の供用開始を目指す。

 

(6)旧市庁舎跡地の再開発「170mの高層タワーは26年春に開業 商業施設・常設型ライブビューイングアリーナ」

 両地区に先行して22年7月から整備が始まっている。

三井不動産など8社による事業で高さ170メートル(地上33階)、延べ床面積12万8500平方メートルの大規模複合施設が26年春に開業する。

 低層部には商業施設に加え、3000平方メートルの常設型ライブビューイングアリーナを開く。スポーツや音楽などエンターテインメントが楽しめるようにする。

 星野リゾートは建築家・村野藤吾が手掛けた旧横浜市庁舎を活用し、「OMO」ブランドでホテルを運営する。

 高層タワーにはオフィス、大学のほか横浜最大の新産業創造拠点を設置。

 ライフサイエンス分野などで活躍が期待される次世代の研究者の発掘や支援、投資家や産業界との交流の場を設ける予定だ。

 三井不動産は「新旧融合が特色。多様な人材の交流を促し、イノベーションを巻き起こす拠点にしたい」と意気込む。

 

(7)横浜港が開港して以来、関内・関外地区は外国人が行き交い世界の最先端の技術や文化を受け入れてきた。

今度は世界へイノベーションを輸出できるか。

令和のまちびらきが近づく。