やせ薬「オゼンピック」メーカーの悩み、社員がストレス過多で疲弊（24年３月22日 ブルームバーグ日本語電子版無料版）
記事（Naomi Kresge）
（１）要点
- デンマークのノボ、全社員の14％が昨年ストレス症状を報告
- 社員数がかつてないペースで増加、イーライリリーなどとの競争激化
（２）糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」のメーカー
デンマークの医薬品メーカー、ノボ・ノルディスクはダイエット効果のある新世代薬で大ヒットを飛ばしているが、社員はストレス過多で疲弊している。
同社最高経営責任者（ＣＥＯ）の悩みだ。
ノボは世界的な注目を浴びている糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」から最大限の収益を得るべく、事業活動を行っている。
（３）「社員対象の会社調査によると社員の14％が昨年、ストレス症状」
同社が社員を対象に実施した調査によると、全体の14％が昨年、ストレス症状を報告していた。ラース・フルアーガー・ヨルゲンセンＣＥＯにとって、これは高過ぎる数字だ。
写真 ラース・フルアーガー・ヨルゲンセンＣＥＯPhotographer: Carsten Snejbjerg/Bloomberg
「従業員の10％超がストレスに悩んでいる状況で企業経営はできない」。
ヨルゲンセンＣＥＯは21日の年次株主総会で語った。
（４）「就業時間や休暇消化は良好」
ワークライフバランスはノボの企業文化の重要な部分だ。
就業時間は柔軟で、７月には多くの社員がバケーションを楽しむ。
（５）ストレスの原因
ノボの従業員がストレスにさらされている理由
１）ノボの親会社ノボ・ホールディングスは２月上旬、医薬品受託製造の米キャタレントを買収すると発表。オゼンピックとウゴービの需要急増に対応するため、キャタレントが持つ製造工場３カ所を取得する。
２）競合する米医薬品メーカー、イーライリリーはウゴービに対抗して独自の肥満症治療薬を販売。
３）ノボは従業員数をかつてないハイペースで増やしている。
（６）ヨルゲンセンＣＥＯは「ノボのリーダーになり、その役割を果たし続けるには、社員のストレスレベルを高くない状態にして事業運営をしなければならない」と述べた。
原題：Ozempic Maker Novo’s Workers Are Too Stressed, CEO Says（抜粋）