アップル、 iPhoneへのグーグルAI「Gemini 」搭載で交渉中-関係者(24年3月18日14:34 JST ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Mark Grumman)

 

(1)要点

  •     実現すれば、検索エンジンでのパートナーシップがさらに強化される 
  •     オープンAIとも最近話し合いを持ち、同社のモデル使用も検討

 

(2)米アップルは、アルファベット傘下グーグルの生成AI(人工知能)サービス「ジェミニ( Gemini)」の「iPhone(アイフォーン)」への搭載に向け交渉しており、AI業界を揺るがす大型合意につながる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  

(3)「グーグルの生成AIモデル、ジェミニの使用許可(ライセンス)」

非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、両社はアイフォーンのソフトウエアに今年搭載する新たな機能を強化するため、グーグルの生成AIモデル、ジェミニの使用許可(ライセンス)をアップルに与える交渉を活発に行っている。

 

(4)「チャットGPTの米オープンAIとも最近話し合い」

関係者によれば、アップルは対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIとも最近話し合いを持ち、同社のモデルの使用も検討しているという。

  

(5)「グーグルの検索エンジンをサファリのデフォルトオプションにするため毎年数十億ドル単位の支払いを何年も続けている」

アップルとグーグルとの合意が実現すれば、両社の検索エンジンでのパートナーシップがさらに強化される。グーグルは同社の検索エンジンをアイフォーンや他のデバイスでウェブブラウザー「サファリ」のデフォルトオプションにするため、アップルに毎年数十億ドル単位の支払いを何年も続けてきた。

関係者によると、AI契約の条件やブランドの決定には至っておらず、どのように実行するか最終決定も行われていない。

  

写真 アップルのティム・クックCEOPhotographer: David Paul Morris/Bloomberg

  

  

(6)「iOS18ではデバイス上で稼働する機能改良が中心なので、それに使える生成AIの開発中」

合意が成立すれば、数十億人の潜在的ユーザーに対し、ジェミニに重要な優位が与えられる。しかし、それは同時にアップルのAIの取り組みが一部の人々の期待ほど進んでいない表れかもしれない。

アップルは、アイフォーンの基本ソフト(OS)の次期バージョン「iOS18」の一部として、独自のAIモデルに基づく新たな機能を準備している。だが、それらの機能強化は、クラウド経由で提供される機能でなく、デバイス上で稼働する機能が中心になる。そのためアップルは、簡単なプロンプトに基づいて画像を作成したり、エッセーを書いたりする機能を含め、生成AIの難しく手間のかかる部分を担うパートナーを探している。

 

原題:Apple Is in Talks to Let Google Gemini Power iPhone AI Features(抜粋)