ロシア大統領選、プーチン氏の再選確実-西側との対立継続へ(24年3月18日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

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(1)要点

  •     プーチン大統領の得票率は87.3%-開票率約50%の段階
  •     投票率は暫定で74.2%-前回の67.5%を上回り1991年以来の高水準

(2)ロシア大統領選でプーチン大統領(71)の再選が確実となった。

任期は2030年までの6年間となる。政権は過去最高の支持を得たとしてウクライナでの戦争をさらに推し進め、西側との対立が続くことになりそうだ。

  

(3)得票率 (省略)

今回の当選で通算5期目となるプーチン政権は既に25年近くに及び、独裁者スターリン以来の長期政権となっている。

 

(4)2月に獄死した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻らは、投票最終日の17日正午に投票所に行き、プーチン氏以外に投票するよう呼び掛けていたが、モスクワやサンクトペテルブルクなど複数の投票所では正午ごろに有権者の長蛇の列ができた。

(モスクワの政治分析センターのパベル・ダニリン所長)

選挙結果について、「ウクライナで、最も厳しいものも含めどんなシナリオでも実行できる機会をプーチン氏に与える」とし、「歴史的に見て高い結果は、国民の大多数がプーチン氏を支持しているという保証だ」と分析した。

(戦略国際問題研究所の欧州・ロシア・ユーラシアプログラム担当シニアフェロー、マリア・スネゴバヤ氏)

 クレムリン(ロシア大統領府)は「選挙操作と不正行為」によってこの結果を確保したと指摘。

 その目的は、ロシア社会がプーチン氏の進める「ウクライナだけでなく、より広範な西側諸国とリベラルな国際秩序に対する長期的な戦い」の支持で団結していることを示すことだったと述べた。

  

(5)「少数派ロシア系住民を守る名目で東欧モルドバやバルト三国、コーカサス地方の国々を圧迫」

(事情に詳しい関係者5人)

自信を深めたプーチン氏は西側諸国との長期的な対立に備えている。

クレムリンは少数派のロシア系住民を守るという名目で、東欧モルドバやバルト三国、コーカサス地方の国々を圧迫している。

 

(6)(欧州の指導者たち)

 ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃するリスクがあると公言しており、トランプ氏が米大統領に返り咲いた場合、米国から見捨てられるのではないかと恐れている。

 

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原題:Putin Gets Record Russia Election Win to Push War in Ukraine (2)、Putin Takes Record Election Win to Press Russia’s War in Ukraine(抜粋)