きょうのことば「防衛装備移転三原則」輸出に一定の制約(24年3月16日 日本経済新聞電子版)

 

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(1)▽…政府が2014年に決めた防衛装備品の輸出や国際共同開発に関するルール。

装備品や防衛関連技術の輸出を原則として禁じていた「武器輸出三原則」を改めた。日本を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、一定の条件を設けたうえで日本の安保に資する輸出を認めるようになった。それまでは個別に「官房長官談話」を出して、例外的に認めてきた。

 

 

(2)▽…装備品を輸出する際には

  (1)紛争当事国への移転などを禁止

  (2)国際協力や日本の安保に資する

  (3)目的外使用や第三国への移転は事前に日本の同意が必要――

との3原則を設けた。特に慎重な検討が必要な「重要案件」は国家安全保障会議(NSC)の閣僚会合を開いて判断する。

 

(3)▽…装備品開発にかかる費用がかさみ、共同開発が増えたことで国内の防衛産業から輸出を増やすよう望む声が出ていた。

23年12月には「運用指針」を改定し、他国の特許を使う日本のライセンス生産品について特許を持つ国への輸出を解禁。防空用の迎撃ミサイル「パトリオット」を米国に供与すると決めた。