大手テク株や仮想通貨にバブルの特徴、先走る投資家-ハートネット氏(24年3月15日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Allegra Catelli、Francine Lacqua)

 

(1)要点

  •     S&P最高値更新や仮想通貨急騰、「とてつもない高揚感」を強調
  •     バブルが弾けるとは限らないが、米経済統計に幾つかの不吉な兆候

 

 

(2)「バブル心理の徴候だ」

(バンク・オブ・アメリカ(BofA)のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏)

「マグニフィセント7」と呼ばれる大手テクノロジー株が記録的に上昇し、暗号資産(仮想通貨)が最高値を更新する中、市場はバブルの特徴を示しつつあると、指摘した。

14日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、

 インフレ再加速や

 若干の成長鈍化、

 無傷のリスク資産

は「まさにバブル心理の徴候だ」と述べた。

バブルの特徴は価格や値動きのペース、バリュエーションなどに表れる。

  

(3)「S&Pや米エヌビディア株価急騰は「とてつもない高揚感」の顕れ」

S&P500種株価指数は今年に入り最高値を17回更新したほか、人工知能(AI)の熱狂の中心にいる米エヌビディアの株価は80%余り値上がりした。

ハートネット氏はこうした動きが市場の「とてつもない高揚感」を強調していると語る。

米国の新たな上場投資信託(ETF)への旺盛な資金流入を支えに、仮想通貨ビットコインはこの6営業日で最高値を4回更新した。

  

(4)「投資家は利下げを「先走って」織り込んでいる」

ハートネット氏によれば、投資家は米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げの意向を「先走って」織り込んでおり、金や仮想通貨の価格をかつてない水準へと押し上げている。

  

(5)「労働市場での亀裂が入りつつある証拠がある」

バブルが弾けるとは限らないが、米経済統計に幾つか不吉な兆候があると同氏は指摘。

特に労働市場で亀裂が入りつつある証拠があるとして、「労働市場はソフトランディングをあっという間にハードランディングにしてしまう可能性がある」と述べた。

 

グラフ S&P500の上昇をけん引するマグニフィセント7出所:ブルームバーグ

 

原題:BofA’s Hartnett Sees Characteristics of Bubble in Mag 7, Crypto(抜粋)

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