内臓脂肪減少薬「アライ」、来月から市販…腹囲減らす効果に期待も生活習慣の改善が条件に(24年3月5日 読売新聞オンライン無料版)

 

(1)要点「内臓脂肪と腹囲を減らす効果が期待できる薬」

大正製薬は4日、内臓脂肪減少薬「アライ」(一般名・オルリスタット)を4月8日に発売すると発表した。

内臓脂肪と腹囲を減らす効果が期待できる薬で、医師の処方箋なしで薬局で購入できる。生活習慣の改善に取り組むことが条件で、対面で薬剤師のチェックを受ける「要指導医薬品」に位置づけられる。

 

(2)「1年間服用デ内臓脂肪の面積が2割、腹囲5cm減少」

アライは飲み薬で、脂肪の吸収を抑え、便と一緒に排出する。

日本人の臨床試験では、生活習慣の改善に取り組みながら1日3回、約1年間にわたり服用した人は、内臓脂肪の面積が約21・5%、腹囲が約4・7センチ減少した。

一方、便が油っぽくなり、おならと一緒に便が漏れることがある。

 

(3)「肥満の定義」

日本肥満学会は、BMI(体格指数)が25以上を「肥満」とする。糖尿病や高血圧など肥満に関連する疾患を持つなどして、減量が必要な場合は「肥満症」という病気と定義している。

 

(4)「医療機関で肥満症と診断された人やその疑いがある人には販売しない」

アライの対象は、肥満症になる前の人となる。

18歳以上で、腹囲が男性は85センチ以上、女性は90センチ以上などに限られる。購入を希望する場合、事前に1か月間、腹囲や体重のほか、食事や運動の改善状況を記録する。販売価格は90カプセル(30日分)の場合、税込み8800円となる。

 店頭では薬剤師が、記録や持病をチェックし服用法を指導する。

同学会常務理事の小川渉・神戸大教授は「薬剤師が、医療機関で肥満症と診断された人やその疑いがある人には販売せず、受診を促すことが重要となる」と話している。

 

(5)「注射薬「ウゴービ」も先月から発売」

医師が処方する肥満症の治療薬としては、注射薬「ウゴービ」が先月、発売された。