中国企業が「大谷翔平」を商標申請 取材に「大谷って誰?」もし商標登録されたら?中国企業の狙いは?【Nスタ解説】(24年2月27日 newsYahoo! TBS)
記事
(1)中国でまったく関係のない会社が「大谷翔平」選手の名前の商標登録を申請したことがわかりました。
申請した会社を取材して出てきたのは、「大谷選手を知らない」という驚きの事実でした。
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■中国企業が「大谷翔平」の名を勝手に商標登録 狙いは?
(2)
中国の商標局のホームページによりますと、「大谷翔平」という名前は2023年12月、福建省にある会社が服や水着などに使う商標として登録を申請しています。
この会社と大谷選手にはどんな関係があるのか、直接問い合わせてみると…
――大谷翔平の商標登録したんですか?
「はい」
――商標の登録は大谷選手と関係ありますか?
「大谷選手って、だれ?」
大谷選手を知らない?そんな会社が商標登録を申請した狙いはどこにあるのでしょうか?
(3)中国企業「大谷翔平」を商標申請 取材に「大谷って誰?」
(良原安美キャスター)
2023年12月、大谷翔平選手の名前を商標登録申請したのが中国・福建省の企業・アパレル部門です。
商品カテゴリには「服・水着・帽子・手ぶくろ」などと書かれていて、現在「審査中」となっています。
この企業は、過去には文字を並び替えると「ブルガリ」「エルメス」「カルティエ」と高級ブランドの名前になるような申請もしていることがわかりました。
目的は分からないのですが、全て認められていません。
(4)「この企業に電話で聞いてみました」
――大谷選手と関係ありますか?
「大谷選手って誰?関係ありません」
――野球選手だと知った上で申請したのか?
「野球選手?あまり知らないですね」
――本人の了解は得たのか?
「知らない人です。この人に許可を取る必要があるの?」
このように開き直ったような回答でしたが、申請自体は認めています。
(5)「商標登録申請が通った場合の影響は?」
(押本特許商標事務所の押本泰彦所長)
「大谷翔平」の文字が商品自体に記載されている、または商品名に含まれているものを中国で売ろうとした場合、自由に販売できず、この企業にお金を払う必要が出るということです。
さらに押本所長はこんな懸念も話してくれました。
「万が一、今回の申請が認められ商標が登録されたら、野球用具など他の分野で商標登録を狙う企業が次々に出てくるかもしれない」というわけです。
(6)「中国企業の狙いは?」
1)「ライセンス契約」
こういった商品を売ろうとした場合、50~100万円の権利使用料を支払わなくてはならなくなります。さらに、著名ブランドや大谷選手本人とのパイプも狙っている可能性があるということです。
2)「商標権の売却」
もしこの商標権を売却するとなると売却額は1000万円以上になる可能性もあり、こうした狙いでの申請の可能性もあるということでした。
(7)「本人の承諾が必要」
(押本さん)
「大谷選手のような著名人の商標登録には本人の承諾が必要。申請は認められない可能性が高い」ということです。
(8)「岸田文雄」も中国で商標申請中? 商標をめぐる問題
(良原キャスター)
中国では他にも日本の著名人の名前が申請された過去がありました。
1)羽生結弦さん
7件申請されましたが、認められていません。
「羽生柚子」が中国での羽生結弦選手の愛称だということですが、食品会社1件で登録されています。
2)「岸田文雄」総理大臣
中国・河北省のビールや炭酸水、スポーツ飲料などを扱っている飲料メーカーで申請されています。
3)「村上椿樹」
もう1つ、中国の旅行会社が申請しているのが「村上椿樹」。これは“木へん”を取ると「村上春樹」と読めます。
(9)(中国国家知的財産局)
中国としても警戒感は高まっているようで、中国国家知的財産局は「商標権の侵害で摘発した事案は2022年で37.2万件」と公表しているので、完全な無法地帯ではないとは言えそうです。
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■【物議】「大谷翔平」が中国で商標登録? 業者「偶然の一致」主張し「譲ってもいい」と取り引き持ちかけ(24年2月28日 newsYahoo! FNNプライムオンライン(フジテレビ系))
記事
(1)中国の企業が、「大谷翔平」という名称を商標申請しているという。
その企業に話を聞くと、驚きの答えが返ってきた。
(“大谷翔平”を商標申請した中国の企業)
「野球選手ですか? それはよく知らないです。偶然かもしれませんね、偶然」
あくまで「偶然の一致である」と主張した。
(2)中国の商標申請サイトを見ると、「大谷翔平」という漢字4文字の申請が、少なくとも2件確認できる。
申請の時期は、2件とも2023年の12月となっている。
(3)
そのうちの1件は、福建省にある企業で、Tシャツやベビー服、帽子、靴下などのアパレル分野で商標申請がされていた。
この企業は、「大谷翔平」が野球選手の名前であることは知らなかったとしたうえで、「もともと私が自分で作ったブランド名が“大谷”です。そのあとに自分で2文字を適当につけたんです。たぶんどこかで“翔平”という文字が見えてつけたのかもしれません」と回答した。
(4)
さらには、「あなたたちがもし、本当にこの商標が必要ならば、また私に連絡してください。私も、この商標を必ずしも使うわけではない。私のブランド名は、実はどんな名前に変更してもいいです」と続け、「大谷翔平」の商標が必要なら譲ってもいい、と取引を提案してきた。
(5)
また、商標をめぐっては、これまでに、無印良品が中国に進出する際、先に「無印良品」を商標登録していた中国企業に提訴され、裁判で敗訴したことがある。
もし、「大谷翔平」の商標登録が認められ、商標登録された場合、どのような影響が出るのか。
(ほくと総合法律事務所・藪田崇之弁護士)
「例えば“大谷翔平”という漢字4文字が書かれたTシャツなどを申請登録した企業以外が中国で作って販売しようとすると、侵害になると。中国の市場を考えると、かなり経済的な影響はあるかと思います」と話した。