女子大志願者ランク 志願者減少続くも、トップは日本女子 東京家政大は15位→5位(24年2月25日 産経新聞オンライン無料版)

 

新・親も知らない今どき入試

 

記事

 

(1)「主要女子大志願者数ランク」

集計対象大学は、大学の規模などを参考にして選んだ主な女子大で、一般選抜について2月14日までの判明分をまとめた。

 

(2)女子大の学生募集は厳しい

 1)18歳人口が減少する中、女子のみの募集で、対象となる受験生が半分になるので当然のことだ。

 2)女子受験生の学部志望動向の変化

 23年度の早稲田大と、慶應義塾大の法学部の一般選抜合格者を見ると、最多の学校はともに女子校だった。

 社会科学系を目指す女子が多く、理系分野に進む女子受験生も増加傾向だ。

 3)女子大は文・人文系や家政系が中心の大学が多く、社会科学系や理系学部のある大学は少ない。

 実学志向が強まる女子の学部志望状況にそぐわない学部構成の大学が多いことが、志願者数が伸びない一因になっているのだ。

 

(3)ランキング

1位の日本女子大

 理学部がある。私立女子大では数少ない文系と理系学部を有する総合大学だ。

 24年度は建築デザイン学部を新設し、理系シフトが強まる女子受験生の受け皿を充実させた。

 

2位は昭和女子大

 キャンパス内にテンプル大日本校があり、グローバル環境と共学環境が体験できる大学だ。

 

3位の東京女子大

 現代教養学部のみの単科大だが、文理を問わないリベラルアーツ教育に定評があり、ほぼ前年並みの志願者数をキープしている。

 

4位武庫川女子大(女子大として最大規模)

 建築学部や経営学部を相次いで開設するなど、多様化する女子受験生の受け皿となる学部改革に積極的な大学といえよう。

 

(4)東京家政大

おおむね上位大学は昨年の最終順位と同じだ。

しかし、ランキング中で唯一志願者が大幅に増え、前年の13位から5位に順位を上げたのは東京家政大。

共通テストと大学独自の個別試験を併用していた1期試験を個別試験のみとし、受験生の負担を軽減する入試改革が奏功した。

 

(5)志願者が増えている女子大

15位の神戸女学院大(2362人、1557人増)や、

16位の学習院女子大(2140人、715人増)

などがある。

神戸女学院大

 国際英語学部と心理学部の新設や、一般選抜の検定料減額。

学習院女子大

 26年までに学習院大と統合する準備を進めており、卒業時に学習院大の学位が取得できる影響が大きそうだ。

 

(6)「就職力の高さや面倒見のよさ」

24年度入試の一般選抜で志願者が減少する女子大が多いが、改革を進める女子大の中には志願者が増えている大学もある。

就職力の高さや面倒見のよさなど、共学大学に対するアドバンテージを有する女子大は数多くある。多くの女子大が危機感を持って学部改組などの改革を進めていく中で、女子大に対する注目度が高まることを期待したい。(大学通信・井沢秀)