アップル、新AIツール準備-マイクロソフト「Copilot」に対抗(24年2月16日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Mark Gurman)

 

(1)要点

  •     年内にもソフトウエアメーカーにリリースするため開発強化-関係者
  •     マイクロソフトとの競争が一層激しくなる可能性

 

(2)米アップルは人工知能(AI)機能の追加を急いでおり、アプリ開発者向けの重要な新しいソフトウエアツールの完成に近づいている。これによってマイクロソフトとの競争が一層激しくなる可能性がある。

写真 アップルのクレイグ・フェデリギ氏は可能な限り多くの新AI機能を開発するようソフトウエアチームに求めてきたPhotographer: Philip Pacheco/Bloomberg

 

(3)このツールは、アップルの旗艦プログラミングソフト「Xcode」の次期主要バージョンの一部として、ここ1年に開発が進められてきた。同社は現在、社内でこの機能のテストを拡大しており、年内にもサードパーティーのソフトウエアメーカーにリリースする計画に向けて開発を強化していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  計画の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によれば、この新システムはマイクロソフトの「GitHub Copilot」と同じように作動し、AIを使ってコードのブロックを予測して完成させるという。これにより、ソフトウエア開発のためのプログラミングのプロセスが簡素化され、時間やコストを節減できる可能性がある。

  

(4)アップルはまた、アプリケーションのテスト用コードを作成するためのAI利用も模索している。現在アップルは、自社の製品を社内でテストする「ドッグフーディング」の取り組みの一環として、外部の開発者にリリースする前に製品が正確に作動することを確認するため、一部エンジニアにこれらの新たなAI機能を社内で試すよう求めている。

  

(5)今回の動きは、「ChatGPT(チャットGPT)」などチャットボットを支えるテクノロジー、生成AIや大規模言語モデル(LLM)を推進する幅広い取り組みの一環。アップルは急成長するこの市場で他のハイテク企業に対して巻き返しを図っており、年内にAIに関する計画について説明すると約束している。この計画の発表は、同社が年次開発者会議を開催する6月にも行われる可能性がある。

 

(6)アップルの次の「iPhone」と「iPad」のOSアップデート「iOS 18」と「iPadOS 18」には、多くの新AI機能が含まれると、関係者が明らかにした。同社は次期OS(コードネームCrystal)をiPhoneの16年の歴史で最も重要なアップデートの一つだとアピールする方針だ。

 

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原題:Apple Readies AI Tool to Rival Microsoft’s GitHub Copilot (1)(抜粋)

(4段落目以降に詳細を追加して更新します)