「遺伝子組み換え」緑色に発光する熱帯魚 無許可飼育で警視庁が販売店摘発、注意呼びかけ(24年2月16日 産経新聞オンライン無料版)
記事(橋本愛)
写真 ひれの色や形が美しいベタ=東京都内の熱帯魚店(橋本愛撮影)
(1)「遺伝子組み換え」の熱帯魚の飼育は違法
ふわふわとひれをゆらめかせながら優雅に泳ぐ体は、人工的な蛍光グリーンの光を放っていた-。
新型コロナウイルス禍により、自宅でできる趣味として人気が高まる熱帯魚飼育。
しかし「遺伝子組み換え」で生まれた種の飼育には、許可が必要となる。
今年1月には、熱帯魚販売店が違法飼育の疑いで警視庁に摘発されており、環境省や業界関係者は、遺伝子組み換え生物の流通に注意を呼び掛けている。
サンゴの遺伝子で
(2)「表面が光を反射して光るのではなく、体の中から発光している。一目で分かった」
昨年、大阪市で行われたコンテストを主催した男性は、出品されたタイ原産の熱帯性淡水魚「ベタ」が、遺伝子組み換えの種だと気付いたという。
(3)「遺伝子組み換え生物の使用を制限するカルタヘナ法違反」環境省⇒警視庁生活環境課
このベタには、サンゴの一種「マメスナギンチャク」の遺伝子が人為的に組み込まれており、紫外線を当てると緑色に発光する。
男性が気付き環境省に通報したことで、警視庁生活環境課は1月、遺伝子組み換え生物の使用などを制限するカルタヘナ法違反の疑いで、このベタを無許可で販売していた都内の熱帯魚店店長ら2人を逮捕(後に釈放)し、購入者5人を書類送検した。
(4)
店は、タイから輸入したこのベタを「ネオンベタ」の名称で1匹2500円~3万円で販売。
コンテスト主催者の男性によると、業界では以前から、遺伝子組み換えベタを販売する店があるとの情報が流れていた。コンテストの数カ月前にも、遺伝子組み換えで赤く光るメダカを販売した業者が摘発されており、警戒を強めていたという。
高まる人気
(5)「小さい水槽で飼育できて、ひれの形や色のバリエーションが豊か」
都内のある熱帯魚販売店では、水槽の中を白、青、赤など色とりどりのひれを持つベタが泳ぐ。ベタの飼育は、年々人気が高まっているという。
店によると、ベタは小さい水槽で飼育できる。改良が進み、ひれの形や色のバリエーションが豊かで、観賞魚として人気が高いという。「熱帯魚を初めて飼う方も入りやすく、コレクション性があるので、1匹飼うと2、3匹と飼いたくなる」(経営者)
コロナ禍に伴い「おうち時間」を楽しもうと熱帯魚飼育を始める人が増えたといい「魚は私たちと違い、水中という別世界にいる。そこに癒しを感じて始める方も多い」という。
(6)「カルタヘナ法」
これまでに家庭飼育の承認例なし
遺伝子組み換え生物の飼育をする際、国の承認が必要などと規定するカルタヘナ法は、平成16年に施行された。
名称は生物多様性条約特別締約国会議が開かれたコロンビアの都市、カルタヘナにちなんだものだ。
(環境省)「遺伝子組み換えは一般的な品種改良とは違う」
遺伝子組み換え魚類の家庭飼育が承認された事例は、これまで存在しない。
担当者は「遠い品種の遺伝子が導入されることは自然界で起こり得ず、遺伝子組み換えは一般的な品種改良とは違う」と説明。
遺伝子が組み替えられた種が放流されて近縁種と交雑した場合、光ることが優性遺伝となり、繁殖する恐れもある。
担当者は「遺伝子組み換えが疑われる個体を見つけたり飼育したりしている場合は、環境省に相談してほしい」としている。(橋本愛)
■コロンビアでは医療および科学目的で使用されています。 2016年、コロンビアは医療用大麻製品の栽培、生産、販売、輸出を合法化した。 この国は、医療用大麻の栽培、加工、流通に関する包括的な規制枠組みを確立しました。