<主張>ワリエワの処分 個人よりロシアの断罪を(24年2月5日 産経新聞オンライン無料版)

 

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写真 【統合DB再出力:G20220210DDD1900541G02000000】北京五輪2022 フィギュアスケート団体 女子ショートプログラム(SP) ロシアオリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ=2月6日、中国・北京市の首都体育館(桐原正道撮影)【撮影日:2022年02月06日】

 

(1)(スポーツ仲裁裁判所(CAS))

2022年北京冬季五輪でドーピング問題が発覚したフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワに、21年12月25日から4年間の資格停止と同日以降出場した大会の失格処分を科した。

これを受けて国際スケート連盟(ISU)は北京冬季五輪のフィギュアスケート団体で優勝したロシア・オリンピック委員会(ROC)の得点からワリエワの獲得分を差し引いて3位に降格し、米国を金、日本を銀メダルに繰り上げた。

 

(2)(ロシアのフィギュアスケート界の重鎮、タチアナ・タラソワ氏)

ロシアメディアに「彼らは私たちの国を憎んでいる。ロシアへの憎しみを一人の少女にぶつけるなんて」と怒りをあらわにしたと伝えられる。

タラソワ氏の言い分は、一部正しい。

厳しい処分はワリエワだけではなく、ROCやロシア反ドーピング機関(RUSADA)にこそ向けられるべきだった。

 

(3)ROCが団体での失格を免れ、4位に据え置かれたカナダ・スケート連盟は「異議申し立ての、あらゆる選択肢を検討する」と述べている。

 

(4)(当時15歳だったワリエワ)

単独で禁止薬物を摂取したとは常識的に考えられず、コーチや医師の組織的関与を疑うのが自然だ。「心臓病の祖父と同じワイングラスで水を飲んだ」といった荒唐無稽な主張を受け入れて資格停止処分を解除したRUSADAの判断も異常だった。

 

(5)ロシアはソチ冬季五輪での組織的ドーピング違反や隠蔽(いんぺい)による制裁中で、北京では国際オリンピック委員会(IOC)から国旗、国歌の使用を禁じられ、選手はROC所属の個人資格で参加していた。団体種目への参加自体がおかしかった。

自国開催のソチ大会で、ロシア選手のドーピングは国家ぐるみと認定された。

制裁期間中の北京でも問題を起こしたのだから、もっと厳正な処分が必要だったはずである。

 

(6)ロシア選手は原則的に、今夏のパリ五輪にも個人資格で参加する。

ドーピング不正に加えてロシアは現在も隣国ウクライナを侵略中だ。ドーピングは公平や公正を前提とするスポーツの価値や選手の心身の健康を破壊するもので、侵略は平和の祭典をうたう五輪の理念を根底から覆す行為だ。

IOCやCASの判断はロシアに甘すぎる。

 

<私見:

この子は、秋田犬を可愛がり「マサル」と名付けロシアヘ連れて行ったという話を聴いた。2年たつと、きっとマサルは大きく成長し、いまは、マサルが慰めてくれてるかな。

いっそのこと、日本の選手になればいいのに、ねェー>