コロナ入院、増加続く 国内昨夏ピーク上回る オミクロン派生、都内6割(24年2月4日 日本経済新聞電子版)

 

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(1)新型コロナウイルスのオミクロン型から派生した「JN.1」の感染が日本や米欧など各国で拡大している。

 1)国内の入院患者は2023年12月から増え続け、23年夏の第9波のピークを上回った。

 2)インフルエンザなども同時流行する中、各地の救急医療は逼迫しつつある。

 

(2)「ゲノム解析では24年1月8~14日にJN.1が全体の約58%」(世界保健機関(WHO))

12月、JN.1を「注目すべき変異型(VOI)」に指定し、監視レベルを引き上げた。

東京都のゲノム解析では24年1月8~14日にJN.1が全体の約58%を占め、流行の主流へと置き換わっている。

米疾病対策センター(CDC)の推定でも、JN.1は1月7~20日の米国の新規感染で約86%に上った。

 

(3)「JN.1は免疫から逃れる性質が強く、体内の抗体がJN.1には効きにくい」

JN.1は派生型「BA.2.86」に変異が加わったもので、直近の主流だった「EG.5(通称エリス)」などよりも感染力が強い。

東京大学や北京大学の研究グループはそれぞれ、JN.1は免疫から逃れる性質が強いとの分析結果を報告した。

体内の抗体がJN.1には効きにくいため、感染が広がる一因になっているとみられる。

 

(4)厚生労働省によると、全国約500カ所の基幹定点医療機関で1月15~21日の新規入院患者数は3483人で、23年8月の第9波のピークを上回った。

22~28日も3311人と高水準だ。全国約5000の定点医療機関で報告された新規感染者数は10週連続で増加した。