いきいき 命育む(上)(24年1月30日 日本経済新聞電子版)

 

記事

 

 

(1)「よし、おいで」。

優しい声をかけながら牛の手綱を引く宮城県農業高校「牛部」の生徒たち。同校は2011年の東日本大震災の被害に遭い、当時飼っていた牛の半数以上が津波に流された。

奇跡的に生き残った14頭の子孫を今も大切に育てている。

 

(2)牛の健康のためには日々の丁寧なケアが欠かせず、部の休みは日曜日のみ。

早朝と放課後の搾乳に加え、1日2トン近いフンの掃除など過酷な作業も多い。

鈴木傑心さん(16)は「大変だけど、愛情を持って接していると心が通じ合う時がある」とやりがいを話す。

(宮城県名取市)