トランプ氏が突然退出、怒る判事-作家に対する名誉毀損訴訟の一幕(24年1月27日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)

 

記事(Patricia Hurtado、Erik Larson)

 

(1)要点

  •     キャロル氏の弁護士が最終弁論を始めて数分後に退出
  •     トランプ氏の弁護士らは法廷にとどまるように-カプラン判事命じる

 

トランプ前米大統領に性的暴行を加えられ、その後の言動によって名誉を毀損(きそん)されたとして作家ジーン・キャロル氏が起こしている裁判で26日、トランプ氏が突然席を立ち、法廷から退出する一幕があった。

 

(2)(キャロル氏の弁護士)

最終弁論を始めて、わずか数分後のことだった。

 同弁護士は陪審団に対し、トランプ氏がキャロル氏への中傷を続け、「自身に法が適用されないかのように」振る舞っていると訴えた。

トランプ氏がその後に途中退出したことに、ニューヨーク州の連邦地裁のルイス・カプラン判事は憤慨。トランプ氏の退出を記録に残した上、同氏の弁護士らは法廷にとどまるようにと命じた。

  

(3)トランプ氏は1996年にニューヨーク市マンハッタンのデパートで、ファッション誌「エル」のコラムニストだったキャロル氏に性的暴行を加えたとされる。

  昨年5月に別の陪審団は、トランプ氏による性的暴行と名誉毀損に関するキャロル氏側の訴えを認める評決を下した。

しかし、トランプ氏はその後も、そうした事実はなかったと主張するだけでなく、キャロル氏の名誉を損なう言動を繰り返している。

  

(4)今回の訴訟の陪審団は、トランプ氏が名誉毀損で損害賠償を支払うべきか、支払う場合の金額はいくらかについて討議を始めている。

  トランプ氏は自身の弁護士による最終弁論を聞くために、およそ45分後に法廷に戻った。

 

原題:Trump Storms Out of Carroll Defamation Trial, Angers Judge (3)(抜粋)